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休日のひととき、家族経営について考える

2024-05-14 12:00:00 | 23期生のブログリレー

こんにちは。稼プロ!23 期生の種本淳利です。

ゴールデンウィークが終わってちょうど1週間が経過して、世間は通常運転に戻って休み気分も五月病も吹き飛んでいることと思います。

私はゴールデンウィーク後半に少しだけ休み気分を味わうために実家に帰省しました。私の実家には細々ながら家業と言えるものがあります。私が子供の頃、その家業の業容は現在とは比較にならないくらい大きく、活気に満ち溢れていました。一方で、私自身は家業で扱っていた商品の名前や、両親が日常会話でも使っていた業界特有の専門用語が家庭で飛び交っていたものの、何ら気にすることなく過ごしていました。

今回、実家に滞在する間に現存する事業用設備を見たり両親の苦労話を聞いたりする機会があり、当時の両親の事業の進め方や商材そのものは当時の時代の波に乗ったやり方で上手くいっていたものの、今の時代や人々の志向にはあっていないように感じました。一方で、視点を変えたり、発想を転換したりことで世間に再び受け入れられるチャンスはあるのではないかとも思いました。

更に今は中小企業診断士を名乗るようになった自分が、最も身近な存在であるべき中小企業、つまり自分の実家の家業について殆ど知識がなく、知ろうともしてこなかったことに愕然とし、やるせない気持ちになりました。そこで改めて、父親に頼み、彼が扱ってきた商品の種類やそれらの特徴を細かく聞いてみることにし、倉庫に少しだけ残っている商品在庫を見ながらあれこれとQ&Aを繰り返すと、父の携わってきた事業にもなかなか面白い世界が広がっているように感じました。また改めて、昭和の当時、今の私が経営者の立場であれば相当悩むと思われるような大規模な設備投資や在庫投資というリスクをとって事業を成長させた両親には尊敬の念を抱きました。

私の父から見ると、彼の事業は斜陽産業の先頭を行っているような業界にあって、「今から若い人が始めるような事業ではない」ように映っています。私は、この令和の時代に、父が活躍した今から30年から40年程前の時代と同じ商品を、同じような相手や流通経路を通じて、同じような売り方をしようとする場合には言えることかもしれないが、しっかりと4P分析等を行って戦える市場を見つけ、問題や課題を克服できれば活路が見いだせるのではないかと思いました。

日本にはこのような家族経営の中小企業がゴロゴロ存在しているのだと思います。すべての家族経営の企業に当てはまるとは考えていませんが、途絶えさせるにはもったいないと言えるような企業がたくさんあるのではないかと思っています。

私の親のように地方で事業を興した団塊の世代の人々は、壮年期に必死に働き子供らに教育を施しましたが、その結果として、高等教育を受けた子供たちは大都市圏の大企業や海外の企業に取られてしまい、親たちが興した事業の多くが担い手を失っていると言えます。担い手のない企業に、イノベーションが起きるどころか、4P分析をする気力すら出るはずがありません。

もちろん、大企業には大企業の良さと相応の社会への貢献があり、また、海外で働くことの意義とメリットも理解しています。一方で、私は、私たち子供のために必死に働き育ててくれた親に対し、感謝してもしきれないという想いもあります。これを感謝するだけに終わらせず、家族全員が笑顔で過ごせるために私ができる事を考え実行していきたいと考えています。

私は、日本の家族経営の企業が希望と笑顔に包まれて、何代にもわたって持続的に継続し成長できるような世の中になると、日本の社会や経済はもっと良くなると信じていますが、そのためには大きな構造転換が必要であると漠然とながら考えています。「では、具体的に社会の何がどう変われば良いのか?今の諸制度は社会の変革を巻き起こせるのか?」などといった問いが頭に浮かびました。今までの生活で考えることのなかったことを考える機会を与えられた連休のひとときでした。これも稼プロ!で学んだお蔭かもしれません!?

コメント (7)
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