薫るクロニクル。

日常生活で思ったことや、趣味の山歩きの話しなど、思いついたことを綴る記録です。

おひつ。

2005年11月16日 15時45分23秒 | 食・匂い。
わたしの父親は数年前に定年退職をし、サラリーマンの時間に追われる仕事から解き放たれ、自由な時間を手にいれました。
以前からしていた株をパソコンでしたりと、好きなことをしているみたいです。
もちろん、浜松市内の宅配業務は手伝ってもらっております。
だって昔からよく言うではありませんか、立ってる者は親でも使えって。

その父親が、母親に注文をひとつ付けました。
ガス火で炊いているご飯の残りを今までは電子ジャーに移していたのですが、それをおひつに移してくれと頼まれたそうです。
母親が言うには、ラジオでそのほうが美味しくご飯を食すことができると放送していたらしいと言い、昔使っていたおひつをガサゴソと物置から出して洗っていました。

便利な時代になり、食べるときにはレンジで数十秒待っていれば、また温かいご飯を食べることができます。今日のお昼に、おひつからレンジで温めるためにお茶碗にラップをし、レンジでチン。
もちろん昨晩の残りのご飯です。
しかし、今までジャーに入れていたのとはあきらかに違う食感がそこにはあったのです。
外側は固めで、中は柔らかい。なので、ご飯粒が口のなかで一粒一粒ぱらぱらになる感じなのです。もちろんガス火で炊いているということもありますが、ひとつ手間をかけるだけで、これほど味が変わるとは思いもよりませんでした。

なんでも美味しく食べるにはそうだと思いますが、ひとつの手間を惜しむことでまるきり違う食べ物に変わってしまうのだと思いました。
美味しく食すために、しなければならないことがあり、それをこだわりと呼ぶのかもしれません。