薫るクロニクル。

日常生活で思ったことや、趣味の山歩きの話しなど、思いついたことを綴る記録です。

伊吹山 1377m <日帰り>

2009年04月08日 11時56分01秒 | 本。
 膝の調子があまり良くない相方のトレーニングを兼ねて『険しくなく、ボクも楽しめる山』へ行こうと決めたのが伊吹山でした。
今回は前回チェックしていた3合目まで車で行き、そこからのスタート。
来週末ドライブウェイが運行するということもあり、人の少ない伊吹山も見たいということもある。
そして、積雪期の3合目までの下見も含めての山行。





3合目にはトイレがあるのだが、冬期閉鎖中。頂上トイレもドライブウェイが運行するまで閉鎖らしい。・・・。
ここで用を足したかったのだが、『男はガマン』することにした。









5合目?には自販機がある。
この景色の中、はやり自販機は浮いている。
心無い者は缶を捨てるので、自販機は無くてもいいような気がする。
左の写真の、右上のコル状のところが登山道の9合目で、そこまで行けばもう着いたも同然。あそこを目指す。
でも本当に伊吹山は樹林帯がないので見晴らしが良い。百名山もうなずける。









9合目にようやく到着。ここまで2時間弱。
でも、夏のころの草の緑色は一切無い。写真では写らない木々に芽吹く小さな緑だけ。
なんかハゲ山って感じ。
相方は『昭和枯れススキ』と年齢がバレそうなことを口にしていた。









前回の時はアザミがたくさん咲いていたので、9合目以降の平らなところをアザミ平と勝手に命名。
まだ冷たい風が気持ちいい。

来週末から営業を始める山頂の売店の準備のため、同じ登山道を売店の従業員が登ってきて、掃除などしていた。
その横の風の比較的あたらないところで、ストーブを取り出しお湯を沸かしカップラーメンを作る。
あとはコンビニで買ったおにぎりはシャケと高菜。ウマシ。

食後には持ってきたミルでコーヒー豆を粉にして香りいっぱいのコーヒーブレイク。ウマシ。
トイレに行きたくなりそうなので、そそくさと下山に移る。









そんな予感は的中して、途中で小をしたくなり、できそうな場所を探しながら下る。
やっぱりドライブウェイが通行可能になってからのほうがトイレも開いてるのでいいのかな?
なんて思いながら急斜面を下った。
でも人は少なくて良かった。

ちなみに避難小屋にはトイレは無い。

サクリファイス <近藤史恵・著>

2008年07月03日 14時38分44秒 | 本。
 本の話題がでてくるということは、勘のいい方なら気付いていると思うのだが、店が暇になってきているということ。でも、これはサービス業なら毎年のこと。この時期は諦めて本を読んだり、休みを取って山へと向う。(笑)

 08年本屋大賞第二位といういことでこの本を手にしてみた。が、数ヶ月間は寝かして熟成させていた。
本の帯にも書いてあるのだが、<サクリファイス>とは「犠牲」という意味のタイトル。
そんな題名とは知らずに読み始める。主人公はロードレーサー。といえばバイクを連想するだろうけど、自転車のロードレースだった。

 あまり知られていないロードレースを舞台にして、チームやそのエースが勝ちを掴む為にアシストする主人公の気持ちを表現する。
 本を開いてすぐにあるレース中の事故を連想させる文章。そして、<教えてほしい。どこからやりなおせば、この結果を避けられたのだろう。後悔せずに済むのだろう。>という書き出し。
 チーム内での人間模様やチームメイトやレースでの心理戦。そして、エースが起こしたという3年前の事故をきっかけに、ストーリーは流れてゆく。
 それには、主人公がはじめて付き合った女性が絡んでくる。今でも忘れることのできない気持ちが心を締め付け、レーサーなら誰でも目指す舞台ヨーロッパのバイクチーム移籍を夢見るさなか、その事故は訪れる。
 その事故はどうして起きてしまったのか?そして、十字架を背負うことと引き換えに真実を見つけだす。

 知ることによって背負う重さと、知らないでいることの幸せ。読み終えた後、成長する主人公に清々しさを覚えた。人は成長していくんだな。

死神の精度 <伊坂幸太郎・著>

2008年07月02日 13時23分49秒 | 本。
 08年の本屋大賞のゴールデンスランバーが面白かったので、他の作品も読みたくなって買ってしまった本。でもその他にも「陽気なギャングが地球を回す」なども読んでいたことを思い出す。
 
 この本の主人公は死神だ。死神の仕事は、上のほうから言い渡された対象となる人間を1週間調査し、その対象の人間が死ぬ事に対して「可」の判断を下すか、それとも「見送り」の判断をくだすのか?それが、死神の仕事とされている。そして、「可」を下した場合は8日目に死が訪れ、それを確認して仕事は終わる。
 死神が登場する場合の死には、自殺や病気は含まれないらしく、事故や他殺が死神の登場した場合の死の原因となるらしい。死神は人間のもつ感情などは持ち合わせていないので、よっぽどのこと?でも無い限り「可」の判断がくだされる。6つのストーリーのうち最初のひとつだけが唯一「見送り」としたくらいだ。それも単にその「千葉」と名乗る死神の大好きな「ミュージック」が絡んでいたことがきっかけに過ぎない。
 そのミュージックは音楽全般を指し、死神は基本的にミュージックが好きという設定だ。どうやら上の世界にはミュージックがないということなのらしい。

 そして、伊坂幸太郎さんの表現力に唸らされる。こういう表現の仕方もあるんだぁ、と言う事を感心しながら読んだ。もちろん、登場人物に感情移入してしまい、「見送り」するんだろう?はやく「見送り』の連絡を入れろよ!と思いながら読みすすむのだが、死神は人間の悲しみとか、嬉しいとかいう感情を持ち合わせていないので、対象の人間が死んでしまうことには興味がない。そう、死神の目線で客観的に判断をくだしているのだ。いや違う、「千葉」という個人的な死神の判断で死を選択している設定がまた世界観を作り出している。
 
 そして、人間の本質を死神が客観的な視点でグサッと投げつける。読み終えた後で、もう一度読み直したくなる本だと思った。

一個人。

2008年06月10日 14時46分40秒 | 本。
 昨日は定休日。お昼は定食を食べに和地山の「そば処・林屋」さんへ。なにを頼もうか迷ったあげくボクはカツ丼に、相方はカレー南蛮うどんと天丼の定食にして、カレー南蛮うどんを突っつき合うということで話しがまとまる。
 いつもはカレー南蛮うどんの定食を食べるボクだが、この日はなぜかカツ丼を胃袋が催促していた。届いたカツ丼はやはり美味しく満足だった。ここのカツ丼はカツが美味しいというより総合力だろう。カツオの利いたしっかりとしたダシを取っているし、卵の状態や甘辛い味付けの総合力でウマい。

 いろんな雑誌をめくりながら食べるのが、このお店での食べ方となっているのだが、相方が今回その雑誌のなかで海外の鉄道の特集を乗せている「一個人」というマニアックな雑誌を見て、「見ているだけで楽しい」と絶景の景色の中を走る豪華鉄道の写真を眺めながら食事の会話が弾んだ。
 その雑誌の後半に、来月号の予定が記載されており、偶然それがコーヒーの特集だった。「世界でいちばん美味しいコーヒー」と表紙に書かれたその来月号の雑誌を見てみたくなった。実はその来月号はもう発売されていて、見ていた本は先月号だったのだった。

 その後林屋さんを後にして、体力作りのため始めたランニング用のシューズを先輩から教えてもらったスポーツ店へと買いに出向き、アシックスの8千円後半のトレーニング用で軽いシューズを定員さんに薦められた中から選び購入。
 これが軽く、箱に入れてもっていると、シューズが入っているのか心配になるくらい軽いランニングシューズだった。これで、もうしばらく続けて走るモチベーションを上げることができた。

 その後に山のお店へと向かい、靴ひもを買い替えて、イオン志都呂店の本屋さんで先ほどの来月号を探す事に。
すぐに来月号は見つかり、次は相方が欲しがった先月号を探したが、全く見つからない。店員さんに聞くと、新しい号が入荷すると古い号は返却するからもうないと思いますと言われ、相方がショックを受けていたので、ネットで注文してあげると約束をしてしまう。見つかればよいが・・・。

 と、言う事で、今日からその一個人のコーヒー特集の本が当店でもご覧になれます。
結構しっかりと編集されているので、読めばスペシャルティーコーヒーのことが判っていただけると思います。でも、載っているお店は業界の力関係を象徴しているように思えました。(笑)客観的に見ていると、その辺が見えて面白かったです。

ゴールデン・スランバー。<著者:伊坂幸太郎>

2008年04月25日 17時06分33秒 | 本。
 2008年の本屋大賞を見事受賞した伊坂幸太郎さんの著書です。
本屋大賞は本屋さんが選ぶ今一番読んでもらいたい本を投票によってきめた賞ということで、ニュースで初めて知ったのだが、伊坂幸太郎さんの本は以前に読んだことがあったので、どんなだろう?と購入を決めた。

「首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか? 」そんなJFKの事件と重なるような内容の小説だった。
時間軸が過去の大学生のころへと戻ったり、現実の時間へと戻ったり、ページが進むにつれて感情移入してゆく自分が判る。

ゴールデン・スランバーとは本書のなかに度々使われるビートルズの最後のアルバムの中にある曲名らしい。”らしい”という表現は、わたしは知らなかったからだ。でも、本を読み進むにつれてその曲が収録されているアルバムを聴いてみたくなってきている自分がいる。主人公はその曲を編集しているポール・マッカートニーと自分をだぶらせ、どんな気持ちでその曲を編集したのだろうと思いを募らせる。

 現在でも、告訴をされた時点で無罪を勝ち取ることは至難の業という話しを聞いたことがあるが、えん罪によって犯人に仕立て上がられた人が現在もいるのかも知れないと考えると、もし自分がそんな目にあったら、果たして無罪を手にすることができるのだろうか?そんなことを読みながら考えていた。

 この本はテンポよく読め面白い。だが、読み終えたあとには爽快感とは違う余韻をひきずった。どちらかと言えば現代を象徴するような白でも黒でもない灰色のけだるさのような感覚だったように思う。さすが本屋大賞を勝ち取っただけのことはある。
買って読む価値がある本だと感じた。他の受賞作品もチョックしてみようと思う。

垂直の記憶・~岩と雪の7章~<山野井泰史・著書>

2008年04月18日 18時44分02秒 | 本。
 日本のアルパイン・クライミング、しかもソロで酸素ボンベも使用せずに登るクライマーである山野井泰史さんが記憶に残っている7つの登山を記した本。
 
 以前、エベレスト清掃登山で有名な野口健さんがラジオでお話していた内容に、8000メートル以上は「死のニオイが漂う領域」と言っていたのを思い出し、その世界に酸素ボンベも使用しないで登るスタイルを想像するだけで、常識が通用しない世界だと思った。
 7000メートル以上では体に及ぼす悪影響を軽減するために毎日4リットルの水分を飲まないといけないらしいが、雪をガスストーブで溶かして飲むとそれだけで数時間かかってしまうみたい。水分摂取が少ないと血中濃度が濃くなってしまい肺水腫などの死に至る悪影響を及ぼすらしい。
 もちろんそんな死を連想させる世界に足を踏み入れること自体が日常的とは正反対の場所にあり、私にはその人たちの気持ちを理解することは難しかった。別の価値観を持った人間なんだと思ったのだった。しかし、以前ドキュメンタリーでの山野井夫婦のテレビ番組を拝見していくうちにだんだんと惹かれていく自分がいた。

 その録画したドキュメンタリー番組をよく見直すのだが、見て毎回感じることは、笑顔がすばらしいということ。
ああいった笑顔ができる人は、充実した生き方をしている人にしかでないと感じている。それはどんなジャンルの人でもそうなのだ。ああいった笑顔ができる生き方は、お金や名誉などとはほど遠い価値観のところにあり、辛いこともその笑顔で笑いとばしてしまうのだろう。
 
 この本の著者である山野井泰史さんは、まだ他にも良い登山があったけど、文章にして伝えることが困難だったからその登山は書かなかったようなことが記されていたが、この本はすらすらと読み易く、また文章からイメージが連想できたよい文章だと思った。
 また山野井夫婦は同じ価値観を持っていて、山以外にはあまりお金をかけずに生活している。そんな山野井夫婦の登山の資金面を応援するためにもこの本を買った。微々たるものなんですが、そんな応援したくなるような熱意を持った人たちで、代わりにパワーをいただける。だから、山で遭難死することなく、幾つになってもどんな山でもいいから夫婦で歩いていてもらいたい。わたしもそんな高みの山へは行けませんが、日本の山々を歩く事ができなくなるまで歩いてみたいと思っているからです。

 わたしもあのような笑顔で笑える人になれるような人生を送りたいと思いました。

小学生日記。

2007年08月03日 16時31分14秒 | 本。
 以前「山と渓谷」でエッセイを載せている少女がいると紹介したのですが、今回はその「華恵」さんが小学生のときに書いた本を買ってしまいました。それが「小学生日記」という本です。
 はじめの数ページをめくっただけで、本当に小学生のときに書いたものなのだろうか?とうたぐってしまいます。サバを読んでいるのだろうか?
 本の帯を見て納得。全国小・中学校作文コンクール文部科学大臣賞を授与されたと記載されてる。

 わたしの思うよい文章とは、読んでイメージが映像化され、それが読み終えるまで繋がってゆく。それが私の思うよい文章なのです。今回の小学生日記では、それがあるのです。小学生の時にすでにこの文章力。これからが楽しみです。
 まだ途中までしか読んでいないので、楽しみに読もうと思います。

強さとは。

2007年04月13日 18時23分34秒 | 本。
 先日、最新刊が発売された「バガボンド」の25巻。
京都吉岡道場の当主、吉岡伝七郎との一年越しの決闘に勝利した武蔵。そして久し振りに再会した沢庵和尚と夕食を共にし、強くなった武蔵に和尚沢庵が言う台詞がある。
「優しくなった。強くなっているんだなぁ。強い人は皆やさしい。」
そんな台詞だ。
確かに思う、強い人は大きく、器の違いの気を放ちている感じを受ける。
そしてやはり優しい。

少しずつでもいいから、そんな優しい気を纏った人に近づきたいと思った。
でも、きっといろんな困難をくぐり抜けてはじめて優しくなれるのだろう。

日本人のしきたり。

2007年03月13日 18時11分07秒 | 本。
 昨日、本屋へ出向くと売れ筋ランキングのところにこんな本があった。
「日本人のしきたり」
そこで、本を手に取り、ページをめくって「はにめに」を読んでみる。

(戦後、驚異的な復興をとげ、世界に冠たる経済大国になった日本。その過程で日本人は、あらゆる便利なモノを生みだし、ひたすら生活の快適性を追い求めてきました。しかし、その一方で、それまで大切に育み、受け継いできたさまざまな伝統を置き去りにしてしまった面があるのもまた事実でしょう。)
そんなくだりからはじまった文章を目で追うと、日本人の生活の中に育まれてきた日本独特の文化を忘れつつあり、なぜそのような風習やしきたりなのか、それらの原点を見直すことによって、改めて日本人の豊かな人生観を再発見するといった内容でした。
すぐにレジに向かい、この本を購入しました。

忘れかけている、日本独特の文化の意味を、知りたいと思いました。

幸福を知る才能。

2007年02月09日 15時03分29秒 | 本。
 宇野千代さんの「幸福を知る才能」は、石田ゆり子さんのエッセイ「天然日和」のなかで、バイブルになっている本という紹介で載っていたのを見て、読んでみようと思い購入しました。

 まだほんの数ページしか読んでないのですが、すぐに感じたのは「哲学書だ」という印象です。
人生を長く考えながら生きてきたからこそ伝えれることがあると思うのです。
そして、本の数ページをめくっただけなのですが、考え方ひとつで人生は豊かになるということを述べておりました。
これは、簡単に言ってしまうとポジティブな思考なのですが、なかなかそこまでの考えにたどり着けないのが普通だと思います。でも、立ち直るために人間は本を読んだり、友に意見を求めたりするので、たとえ時間がかかろうが立ち直ってゆけばいいのだと思います。

題名のように「幸福を知る才能」は、努力と気付きでその才能が身につけられるのではないかな?と思ってしまいます。
その手助けをきっと文章として本にしてあるのではないでしょうか。
人によって何が幸福かなんて違うと思うので、これから自分の幸福とはなんなのか?を探しながら見つけていきたいと思います。