薫るクロニクル。

日常生活で思ったことや、趣味の山歩きの話しなど、思いついたことを綴る記録です。

無農薬・有機栽培。

2005年11月04日 12時53分41秒 | 仕事・店。
最近はよくこの言葉を耳にする機会も増えてきました。無農薬と有機栽培です。

コーヒーも農作物なので、例外ではありません。
当店の場合、スペシャルティーコーヒーという品質的に優れたコーヒーを提供しています。
では、無農薬や有機栽培が美味しいか?というと、比例しないのです。
コーヒーの場合は、収穫されてから精製という工程と、輸送、保管という管理がありますが、どの工程でも品質が堕ちるのできちっとした管理が必要になります。
コーヒー栽培でいくら良質のコーヒー豆を生産したといっても、その後の管理がいい加減になってしまうと品質は堕ちてしまうのです。

また、営利目的で病虫害に強い品種を、無農薬や有機栽培で生産したところで、良質のコーヒーが生産される可能性は低いと考えられます。
日本の市場では、まだまだこの無農薬や有機栽培に関して取り扱う側と消費する側に隔たりがある気がしてなりません。
また、有機栽培(オーガニック)という表記は、有機JAS法が出来てからは、認定を取れなければそう明記してはいけません。
コーヒーの場合は、コーヒー豆が有機JASの認定であるもので、製造工程も有機JASの認定を取得してなければなりません。ですので、有機と名乗ることのできるものは「有機JAS」の認定のマークがなければ流通できないのです。

そして、有機の一番の利点はなにかと言えば「安全性」ということです。
きちっと管理されたなかで生産されるので、安全性という点では申し分のない商品となります。

コーヒーの生産国は貧しい国が多く、そんな国にとってコーヒーは石油に次ぐ第一次産業の輸出高になると学校でも教わったことがあるほど外貨獲得となる輸出商品なのです。
しかし、中にはその貧しさから有機であっても有機認定にかかる費用が捻出できなかったり、農薬を買うお金もないから有機であったりとする国もあるのです。
そのような商品を識別するには、消費する側のコーヒーに対する客観的な味覚が必要だと考えられます。
大量生産目的での品種改良と農薬過多で栽培されたぼやけた味のコーヒーと、コーヒー生産の5%程といわれるスペシャルティーコーヒーの個性のある風味豊かなコーヒーとの違いが理解できれば必然的に安全面も向上するのではないかと思います。
それは、良質なコーヒーは品種であったり、管理であったり手間がかかり、生産している人の思いも入っているので、当然コーヒーに対しての考え方も農作物を作るうえで重要な土壌や環境などを考慮した生産をされると考えられるからです。

選ぶのは消費者ですので、わたしはより良質のコーヒーを選んで、コーヒーライフを楽しく過ごしていただきたいと考えております。
日本でも有機栽培が美味しいと言われるような、環境作りが進めばよいのにと願っております。