
12年間学んだ母校のバザーに行った。
同級生が学校をバックアップする後援組織の会長をしているから、バザーには毎年足を運ぶ。
別の同級生の店、N製菓のかりんとうを廉価で譲ってもらう。N製菓は中村屋のOEM生産をする知る人ぞ知る老舗。来ていた同級男女と束の間の会話をし、校内にある出身小学校の食堂で、コーヒーを飲む。
両親が無理をして、僕と妹を私立小学校に通わせてくれた。そして僕たち夫婦も無理をして、子ども2人を同じ小学校に入れたのだ。
4人合わせて、のべ1000食程のランチをこの食堂で食べたことになる。昼食は全児童が集まり食事をする。しかも1テーブルには1年から6年までが座る。
入学して最初の食事で、ほうれん草が食べられなかったことを急に思い出した。
土曜日の午前中は美術(図工)の授業で、昼食時に講評があった。僕は壁の半月型の間接照明をボンヤリ見ながら「やっと1週間が終わるな」と考えていた、サラリーマンのような小学生だった。