12年間在籍した母校では、体育の日に全校生徒でデンマーク体操を見せ合う会があった。本場デンマークの国民体操学校で学んだ教師が何人かいたが、僕らはシゴキのH先生を最も怖れていた。
複雑な動きの体操に加え、今では全国の中高で禁止の方向にある、組体操もハードだった。
そんなシゴかれの季節、広いキャンパスでは金木犀の香りがして、つまり鍛錬と癒しがセットであるような、複雑な思い出となっている。
自宅の庭にも金木犀があった。今夏丸坊主になった庭に、今秋はあの香りがない。
金木犀の近くに、たったひとつ咲いている花一輪。
これは何だろう?