『5.5畳記』  鴨長葱 著

プチ世捨て人の痛い雑記by人生挫折オンリーの40代改めジジイ屁垂れフリーター

半隠遁生活に一服の聖涼剤  ミュシャの絵

2015-11-21 14:59:43 | 陶芸・美術
   
 近頃は殺伐とした出来事が多いので、ここらで見ていて気持ちが穏やかになる作品を話題にしたいと思います。写真はミュシャという画家の画集です。20代半ばに本屋で、たまたま目にして、とても自分の好みの画風なので、その場で購入しました。その後は展覧会や販売展などを見に行きました。販売展は値段が高くて買う気ゼロだったので、今思えば迷惑な客だったなぁと反省しています。ちゃっかり無料カレンダーとかもらっていたし。

  ミュシャのフルネームはアルフォンス・マリア・ミュシャ。個人的には、ヨーロッパにもしホストクラブがあれば源氏名で使えそうな、やたら華やかに聞こえる名前に思えます。出身はチェコスロバキアです。手元の書籍が昔のものなので、現在分離しているチェコかスロバキアのどちらかは分かりません。

  若い頃、年末のパリで人手不足の中、有名女優の舞台ポスターの依頼が急遽無名のミュシャにあって、作製した作品がヒットして一躍メジャーデビューしたフレンチドリームの体現者ですね。有名になってからは、アメリカに渡って色々仕事をしてお金を貯めたかったらしいですが、よいパトロンを見つけたようです。

  お金が必要な理由は、故郷のチェコスロバキアの歴史をテーマにした大作を作成して故郷に寄贈したかったということらしいです。故郷は大国に翻弄されつづけた歴史を持っていたので、画家の立場で何か役に立ちたかったのでしょうね。晩年はナチスに占領されて悲しい思いを抱いて亡くなったようです。

  ミュシャの作品は線のハッキリした全体的に淡い色調の版画で、女性や植物がよくモチーフで用いられるといった特徴があります。漫画好きとしては線がハッキリした絵は油絵より好きですね。まあ風景画は線がハッキリしないほうがいいかもしれませんが。浮世絵の影響も受けているみたいので、線がハッキリしているんでしょうね。学生時代に植物に植生調査などで慣れ親しんでいたので、植物が多用されるのもいいですね。



女性とバラの組み合わせの作品


より線がハッキリした作品




  陶芸をしていた時は、ミュシャの絵で装飾した大皿を一つ作りました。現物は親戚のおばさんにあげたので写真は無いですが、元の絵だけ貼ります。陶芸で表現しやすいようなシンプルなデザインです。象嵌(ぞうがん)という技法を用いました。白い粘土でお皿を作り、生乾きになったら、下絵をカーボン紙でお皿に複写し、複写された線を針で掘っていきます。出来た溝に黒い粘土を押し込み、はみ出た部分を取り除いて装飾は終わり。緑色のうわぐすりをかけて窯で焼いて完成させました。



  作品を購入するのは無理でしたが、ミュシャのデザイン集からデザインされたと思われるスプーンを購入しました。使用してからかなりの年数が経過しているので、メッキがはがれています、汗。





  最後に全然関係ない話ですが、図書館で借りた本に載っていたトリビアです。10円玉の平等院鳳凰堂は雨漏れします。屋根部分を凝視してみて下さい。とても小さな穴が二つ開いています。製造過程で穴が出来るそうです。



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2 コメント

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Unknown (hnhk(だめお))
2015-11-23 20:12:34
美術に関する教養がほぼない私ですが、ミュシャは学生の時の語学の授業で偶然取り上げられたので、名前だけは何とか知っています( ̄ー ̄; ヒヤリ

古きよき19世紀のヨーロッパを感じさせてくれて、気持ちだけでもリッチ?になります。

10円玉確かに穴がありますね。驚きました!

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Unknown (ちょうそう)
2015-11-23 21:17:16
 興味の範囲が極端に狭いオタク気質なので、私も画家は超メジャーな人を除いては、ミュシャを含めて数人しか知りません。
 画集を見ているとリッチで穏やかになりますが、いざ実物を購入した日には破産しそうです、汗。
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