今回は前回の記事の最後に紹介した「お茶にごす。」という漫画について書きたいと思います。この漫画は昔勤めていたアルバイト先の休憩室で読んでいて面白かったのを思い出して、急に手元に置いておきたいと思いついて購入しました。
内容については中学生の時に無敵だった船橋雅也というヤンキークンが、暴力の世界から逃れて平和な生活を送りたいと願い、そのために茶道を習うことで優しい性格を手に入れようと奮闘する漫画です。初めて読んだ時は茶道とヤンキーという組み合わせがすごく斬新だと思いました。
実のところ、本人はヤンキーしたいと思っている訳ではなく、顔が極悪過ぎるために他のヤンキー達からすぐ因縁を付けられてしまい、否応なく喧嘩になってしまうことを繰り返してしまうのでした。デビルマークンというあだ名でその界隈では有名になっていました。上記の画像でも、ただ歩いていて目が合っただけで相手が恐怖で顔が引きつってしまっていますね。
優しい人間になるために彼なりに頑張るものの、空回りしたりして上手くいかないことも多く、その度に思い悩むのですが、茶道部部長の姉崎奈緒美サンに励まされたりして、チャレンジを続けていきます。上記画像のシーンは私が一番好きなシーンの一つです。姉崎サンは作中、これ以上ないような天使キャラに描かれており、雅也クン想い人でもあります。
この漫画はテーマが「優しさ」ということもあってか、比較的一人で考え込んだり、悩んだりするシーンが多いように思えます。主人公マークンはいつも何かしら考え込んでいますし、上記画像の中の一番下の画像でも、茶道部同学年の浅川夏帆サンも優しさについて考え込んだりしています。
雅也クンは色々思い悩みながらもレベルアップしていきますが、過去の因縁は中々払拭出来るものではなく、何かと因縁のあったヤンキーたちに絡まれます。そのため天使姉崎サンに迷惑が掛るのを避けるために、姉崎サンと距離を置くことを選択し、姉崎サンは卒業してしまします。
それでも姉崎サンを忘れられない雅也クンに対して、浅川サンは自分に優しく出来ない人間は人にも優しく出来ないし、最後は周りにしわ寄せがいったとしても自分の思い通りにするべきだと伝えます。そして大学生になっている姉崎サンの元へ走り出します。
上記画像はその走っているシーンです。この記事の一番目の画像では通行人が恐怖の眼差しを彼に向けているのに対し、上記画像では通行人は彼に対して優しい眼差しを向けています。彼が優しい人間に生まれ変わったことを象徴していると思われます。最後はマークンと姉崎サンは出会いますが、その後どうなったかは具体的には描写されず、文字通りお茶をにごした終わり方になっています。自分としてはいい終わり方だと思います。
マークンが姉崎サンの元へ駆けていくシーンや終わりのシーンはネット等で有名みたいなので、私個人で面白かったシーンを取り上げたいと思います。
「回すぜー。」というセリフと、シュッ、シュッという効果音、マークンの手の動きが個人的には何故かジワジワきます、汗。
浅川サンが独白しながらゴミばさみをカンカンするシーンもジワジワきますね、汗。ゴミばさみを持っているとカンカンしたくなりますよね!?鉄道職員が改札口で切符切りをカンカンしながら、お客さんの通過を待つ時の心境ですよね!?(少なくとも昭和生まれでないと分からないネタです、汗)
デビルマーン………。作者の西森先生はこのセリフを言わせたくて、主人公のあだ名をデビルマークンにしたに違いない!
漫画版デビルマンとは真逆のほのぼのとした終わり方をしましたが、デビルマンと併せてこれからも気が向いたら読みたいと思います、汗汗。