図書館で借りた本を読みました。普段は、外国人の日本滞在記や腕時計関連の本をよく読むのですが、図書館にある本は大方読み尽くした感があるので、ちょっと毛色の違う本を読んでみようと、産業分野の本棚を見てみたら食肉関連の本が並んでいて、私の食に対する執着心が刺激されたので牛肉についての本を借りてみました。
今回借りたのは『ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅』(マーク・シャツカー著:中央公論新社)という本で、食や旅をテーマにするライターの著者が、美味しいステーキを求めて、母国のテキサスから出発して、フランス、スコットランド、イタリア、日本、アルゼンチンをステーキ行脚し、挙句の果てには自ら牛肉を飼育して、それを食するということましてのけます。
洋書翻訳本ではよく見かけると自分では思っているのですが、一つの事を説明するのに大げさな例えや自分の考えを沢山盛り込んでいます。さらにその説明を補完するために、話が色んな分野にあちこち飛ぶので(カバーの説明では、考古学、栄養学、化学、歴史、文化人類学、とあります)、全部丹念に読む気は起きませんでした。
結論から言うと、私なりに読み解くと、放牧して草を食べさせた牛の肉がうまい、ということでした。まあ、例外もあるようですが。草を食べた牛の肉はより風味が増してるとのことです。草は牛が哺乳類の一種として出現して食べ続けているものであり、牛が食べるものとしては一番自然である。穀物をゲージ内で腹一杯食べさせる飼育法は牛にとっては不自然であり、病気にもなりやすいとのことでした。まあ、ブロイラーより放し飼いの地鶏の方がうまい、と同じ原理なんでしょう。
写真がぼやけていて申し訳ありませんが、穀物飼育をすると肉に飽和脂肪酸がより多く付き、牧草飼育をすると不飽和脂肪酸がより多く付く、ということで、不飽和脂肪酸が多く含まれた肉は、低温でも溶けやすく風味がよくなることにも貢献しているようです。
以前テレビで見た、満天青空レストランという番組で、草を食べた牛の牛乳から出来たグラスフェッドバターが紹介されていて、普通のバターよりかなり美味しいみたいですが、肉もバターも同じなんだな、と思いました。
また、この本を読む限りは飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸の方が摂取するにしても健康によいみたいですね。
ステーキの語源がスティックということを初めて知りました。スティック(杭)の上で焼いた肉料理がステーキなんですね。鋤(すき)の上で調理した肉料理がすき焼きであるのと同じですね。
日本の和牛については、霜降り肉は柔らかくて、絶品であることは認めたが、著者が一番重要視している風味となると、霜降り肉よりもタンの方が豊かで、より本来のステーキに近いのだとか。
日本についての文章では、肉以外のことにも言及していて、日本人はドイツ人をさしおいて世界一の完璧主義者として知られているが、それを目の当たりにしたといっています。銀座の果物屋にある完全無欠すぎて作り物に見える果物、完璧な長方形に寸分の狂いもなくスライスされた味覚どころか幾何学的感性までも満たす高級スィーツ店のパウンドケーキ、アメリカの食肉検査官が見たら天国だと思う指紋一つついてないショーケースにゴッホの絵を思わせる霜降り肉を敷き詰めているデパ地下の食肉売り場、などと紹介されています。まあ、日本人から見ても逆にやり過ぎだなと思うこともありますね。
日本人の変態性についても言及されていますね。私はヘタレで完璧主義とは程遠い、いい加減な人間ですが、日本人の変態性については私も持っていると自負!?しています。何だか、ランジェリーラブコメの「甘い生活」や下ネタギャグ漫画の「プリズンスクール」が読み返したくなってきました、汗。それとギャルゲーの「NEWラブプラス」も今日のノルマを早くこなさないと……、汗汗。
結局、最後はよく読む外国人の日本滞在記と同じような内容になってしまいました、汗。