図書館で「紛争解決人」という本を借りて読みました。伊勢崎賢治という人について書かれた本です。元々建築家を目指していたのに、発展途上国の援助や紛争地域での武装解除の仕事をしている方です。
何故そういう流れになったかというと、建築の勉強の中に住民参加の街づくりという考え方に惹かれ、それならばインドがいいとインドに留学して、スラムの問題解決に関わって、その影響で発展途上国の援助という仕事につくことになったからのようです。そして発展途上国の援助の仕事をしている国で、クーデターと内戦が発生して紛争地域での現状を目の当たりにします。その経験からか、後日国連から紛争地域での停戦監視や武装解除などの仕事を依頼されて問題解決に奮戦しているみたいです。
発展途上国援助のNGOの給料は1000万円らしいです。もう大企業の管理職並みですね。ボランティア精神ではやっていけないとはいっても凄い金額ですね。冒険心とストレス耐性のある人なら、誰でもやってみたいと思える金額です。この方の勤めていたNGOは援助のノウハウも凄いんでしょうけど、集金のノウハウも凄いですね。世界には発展途上国の為に少なくない金額の寄付をする人が沢山いるということでもあるので、それも凄いなあと思います。自分も時々寄付しますが、東日本大震災の時の寄付などを除き、通常の寄付額は百円単位です、汗。
高給取りとはいっても、やはり問題山積の発展途上国の仕事は大変です。援助予算にタカろうと色んな人が群がってきますし、現地では賄賂や近代国家では考えられない風習などが残っていたり、かなりキツイと思います。紛争地域での活動はさらに大変でしょう。本にはシエラレオネで反体制武装勢力や自警団のターゲットにされた人たちが、生きたまま手足を切断されたり、火をつけられたり、しまいにはミンチ状にされてしまったりとおぞましいことが書かれています。大人だけでなく、子供や乳幼児まで同じ目にあっています。まさに、
ですね。戦国時代の日本もこれくらい酷いことが行われていたのでしょうか?
ここまでへヴィ―な仕事を続けられるタフさは凄いですね、しかも軍人ではないのに。ご近所さんから手足を切断をされることが繰り返されていたリアルデビルマンのルワンダで国連のPKO司令官をしていた軍人は、ルワンダから帰ってからPTSDによる自殺未遂を繰り返すようになってしまったといいます。民間人でここまでタフな仕事をするとは…。しかも一番ハッピーなのがシエラレオネだったと回想までしてます。政府が機能していない国程、政府に代わって自分たちの自由に活動できると、そして国民から感謝されると。悪い見方をすると、権力欲と承認欲求がものすごく大きい人であるとも言えますね。それが現実の世界でいい方向に作用している。まあそういう人物でないと混乱地域で責任者として活動は出来ないのでしょうね。
日本とのカラミでは、アフガンで日本政府の代表として、アフガンで武装解除の責任者をしていたようです。抵抗する軍閥を相手に苦労して武装解除に成功するも、タリバンが復活して、混乱は収まるどころか、逆に混乱を深めるといった具合。本人は自嘲気味に自分は紛争解決人ではなく紛争屋であると言ってます。それでもこの仕事を辞めないのは、過去の紛争地域で、自分の判断によって死人が出ているからといった意味合いのことも言ってます。紛争地域との逃れられないシガラミが出来ていると言えばいいのでしょうか?権力欲と承認欲求だけではないということみたいですね。
日本憲法とのカラミでは、この本によると、この方は護憲派らしいのですが、日本を戦争する国にしたくないという理想ではなく、自分も含めて日本が紛争地域で活動するのに平和憲法は有効だということらしいです。平和憲法で戦争をしないと曲りなりにも宣言しているのは、アメリカに協力しているけど日本の利益最優先で紛争地域に介入していないという事実と併せて、紛争地域の人達からとても評判がいいというのです。まさに紛争の現場を歩いてきた現実主義者のとらえ方ですね。逆に言うと、評判がよくなくなれば憲法の存在意義が無くなり、平和憲法は日本にとって必要なしということになります。となると果たして護憲派と呼べるのかどうか分からなくなりますね。
私見を述べるとこの方は、過去の欧米の植民地政策や現代のアメリカなどの行き当たりばったりの他国介入、紛争地域での腐敗などの尻拭いをさせられているように見えます。個人的には乱暴な見方ですが、過去の当ブログ記事『乱暴な若者「も」いる!?意外のアフガン』でも書きましたが、やはり地球上に人間が増えすぎたのが問題の根本ではないかと思います。仮に地球にとって適性人口になったとしても、地球上から紛争がゼロになるわけではないとは思いますが、人口が少ない分、紛争の絶対数も減ります。食料や資源の有限性ということも考えると、やはり、日本のように人口が減少している国を除き、国連も各国も高齢化社会になるリスクとバランスをとりながら、人口をこれ以上増やさない政策を行った方がいいのではないかと思っています。でも管理社会になってしまって窮屈な世界になってしまいますかね。
まとまった雨がなかなか降らず、ダムの貯水率が低いままです。お風呂の残り湯はいつも洗濯に使っていますが、最近は洗濯に使っても余る場合は、トイレに使ったり、植物に撒いたりしています。また、ミネラルウォーター2リットル入りを18本ほど購入しました。気休めですが、万が一洗濯もままならない場合を考えて、普段使うことのないファブリーズを購入してみました、汗。