『5.5畳記』  鴨長葱 著

プチ世捨て人の痛い雑記by人生挫折オンリーの40代改めジジイ屁垂れフリーター

2022年ニューヨーク ―― 人々は飢えていた。

2015-12-05 16:10:01 | 濁悪の世

  『ソイレント・グリーン』というDVDを所有しています。漫画とかじゃないですが、このカテゴリに入れちゃいます。内容はというと、

「2022年ニューヨーク。爆発的な人口の増加と環境汚染により、食糧問題は深刻を極めていた。同年、ソイレント社は合成食品ソイレント・グリーンを発表。問題は解決に向かうかと思われたとき、同社の社長が自宅で殺害されているのが発見される。殺人課のソーンが捜査に乗り出すが、その背後には食糧危機打開のための政府の陰謀が渦巻いていた…。SF作家のハリー・ハリソンの小説『人間がいっぱい』を『ベン・ハー』『猿の惑星』のチャールトン・ヘストン主演で映画化。娯楽性を極力廃し描かれた絶望的な未来像と、ベートーベンの『田園』にのせて語られる驚愕の真実がSFファンを魅了する!」

  とDVDケースに記載されています。2022年というと、あと6年ちょっとですね。1973年作製の映画で、当時から50年後の設定です。当時の人は50年後はこうなると考えていたのでしょうか?二ューヨークの人口が4000万人だそうです。ニューヨーク州かニューヨーク市か分かりませんが、多分ニューヨーク市の方でしょう。半分が失業状態です。民衆はソイレント□□と名前のついたプランクトン等から合成した食品しか食べることができません。□□の中にはレッドとかイエローとかが入ります。グリーンは新製品です。本物の食料はごく一部の特権階級しか口にできません。個人的には見所が二つあります。

  以下ネタバレです。ストーリーは、先ずソーンが社長宅を見分するのですが、そこで本物の食料や石鹸などをくすねます。食料が少なくなると同時に公務員のモラルも少なくなっているようです。ここからが見所の一つ目です。本物の食料を食べるシーンです。ソーンは自宅にソルという老人と二人で住んでいます。老人は資料調査の面でソーンをサポートしている「相棒」です。くすねてきた食料はレタス、牛肉の塊、リンゴです。
  先ず、レタスですが、過去に食べたことのあるソル老人は笑顔でレタスを噛みしめながら食べいているのに対し、食べたことのないソーンはイマイチな感じ。本物の食料を食べたことがないので、味覚が子供で苦いものは美味しくないのかもしれません。
  次に牛肉の塊ですが、これはシチューに調理されて食卓に饗されます。ソル老人は満面の笑みで頬張ります。本当にうまそうに食べますね。ソーンは熱い食べ物を食べたことがないので、熱々の状態で口に運んで唇に触れると慌てて放すという動作を何度もやってしまいます。ちょっと笑えます。
  最後にリンゴですが、ソーンは食べたことがないので、芯を残さずに全部食べてしまいます。これもちょっと笑えます。




  ストーリーの途中で暴動が発生するのですが、最初の写真のようにショベル付のダンプカーが来て、土くれのように人間を回収していきます。人の命は肉球(牛肉の塊)より軽いといった感じです。

  ストーリーは進み、ソル老人は資料の中から、ソイレント・グリーンの正体を突き止めてしまいます。真実に絶望したソル老人は自宅に書置きを残して「ホーム」と呼ばれる公営の安楽死施設に向かってしまいます。入り口に近づくと美人の案内嬢が「May I help you?」と声を掛けます。ほとんどの人間が人間扱いされない世の中で、何十年ぶりに聞いたといった感じで喜びます。政府が安楽死を奨励していることがうかがえます。そして二つ目の見所の場面になります。安楽死用の液体を飲み干したソル老人はベットに横になります。すると目の前に、もう今は存在しない大自然の映像が、ベートーベンの「田園」とともに映し出されます。そこへソーンが駆けつけます。


https://www.youtube.com/watch?v=yOV8mBjHHYg

  映像に感動しているソル老人はソーンに対して「話したことがあるだろう?」と言い、ソーンは見たことがない映像を見て「こんな美しいものは想像が出来ない」と涙を流します。映像が終わったあと、ソル老人はソーンに対してソイレント・グリーンについての証拠を掴めと言って息絶えます。ソーンは安楽死した遺体の運ばれていく施設に忍び込みます。後は大変酷ですが!?皆様のご想像にお任せしたいと思います。
  
  施設から出て直ぐにソーンは政府の放った刺客に襲われます。重傷を負いながらも教会の中に逃げ込んで、最後の刺客を返り討ちにすると仲間の警官が駆けつけます。担架で運ばれながら、ソーンは「Soylent green is □eeeoppppple!!」と叫んで画面がフェードアウトします。


  DVDを購入してから、直ぐに「田園」を購入してしばらく聴いていましたね。2022年にこんな世界になるとは思いませんが、少しずつ近づいているような気がするのは私だけでしょうか?汗
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2 コメント

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Unknown (hnhk(だめお))
2015-12-07 20:41:28
かなり面白そうな映画ですね。
結末はもしかしたら…
皆が真実を知らないで、のほほんと生きている。
『ゼイリブ』を思い出したりもしました。

近所のレンタルビデオ屋にあれば、借りて確かめてみようと思います。

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Unknown (ちょうそう)
2015-12-08 19:13:42
  ありがとうございます。機会があればご覧下さい。温暖化で登場人物はいつも汗をかいています。50年前に既に人口問題、環境汚染、温暖化、格差社会について分かっていたのに有効な対策も出来ずに50年が経とうとしてますね。
  ゼイリブ、大昔にテレビで見たような気がします。メンインブラックみたいな地球侵入エイリアンものだったような気がします。
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