■3月月例ネット句清記
2019年3月10日
10名30句
01.川べりの地道歩めり春の水
02.古草の雨に明るき今朝の土手
03.遅き日や暮れて賑わう一輪車
04.山茱萸の花や虚空の星の数
05.残照のらせん階段春の猫
06.夕映えに染まる浅間山(あさま)や鳥交る
07.白鷺の見つめる先の水温む
08.紅梅にこたえて青し肥後の空
09.春の園そぞろ歩きの人あまた
10.春風が涙の跡をそっと撫で
11.新幹線ふたりで見る窓春の富士
12.日を合わす桜だよりを眺めつつ
13.癌の芽や三途の川の水草生ふ
14.湯煙や霞となりて山覆ふ
15.荒行を終へたる僧や春衣
16.顔洗い眠気眼の春の朝
17.空き缶の音弾ませる春の風
18.卒業歌響く学び舎鳩が舞う
19.ふくらんで蕾赤あかチューリップ
20.砂糖淡く色とりどりの雛あられ
21.菜の花に昔の空もあおあおと
22.下萌えを括るごとくにロープ柵
23.青き踏む薬袋を提げていて
24.青き踏む雀ちりぢりわが先を
25.梅の香の日差しをくぐり身も軽く
26.潮引いて舟底あらわ春の河口
27.白雲の流れミモザの黄の真上
28.春過ぎゆくや寺苑の樹々の生きいきと
29.夏へ移る草木の静かなる寺苑
30.空を見て地と見て夏近きと思う
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
12)日を合わす桜だよりを眺めつつ
日毎に暖かくなり、あちこちの桜の開花予想も出始めました。句を一読して、お花見の期日の相談と分かりますが、桜の開花は気温と場所によって遅速があり、丁度良いお花見の時季への心弾む相談です。
NO17空き缶の音弾ませる春の風
春の風と言う春風駘蕩たるのどかな春の風に空き缶のリズム的に転がって行く素敵な景を堪能させて頂きました。有難う御座います。
20.砂糖淡く色とりどりの雛あられ
雛あられは優しく淡い色彩です。
それだけでも楽しい気分になりますが、
雛人形、緋毛氈、白酒などとの色の取り合わせもいいものです。
24.青き踏む雀ちりぢりわが先を
下萌えの瑞々しい緑を踏み歩く心地よさ、虫を啄みながら嬉々として先を歩く雀たちの様子が目に浮かびます。一斉に飛び立つ雀を仰げば青空に囀りが聞こえてきます。
10.春風が涙の跡をそっと撫で
涙を流した理由は知らないが、春風がやさしくあたり、涙の跡を撫でて行った優しさがよく分かる。さぞかし癒されたことでしょう。
16.顔洗い眠気眼の春の朝
正に今の時期の朝の気持ちです。理屈抜きで共感します。
02. 08. 11. 24. 25.
25.晴れた日の梅の花は香りが一いっそう爽やかにかんじられます。作者の気持ちも軽くなる風景が想像できます。