絵話塾だより

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2021年5月15日(土)文章たっぷりコース第13回めの授業内容・高科正信先生

2021-05-18 18:39:18 | 文章たっぷりコース
今日の「つかみ」は高科先生のご友人、児童文学作家の岡田淳さんの新刊が最近出版されたというお話でした。
『こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ』(理論社)がそれで、12冊ある人気シリーズの番外編とのことでした。
岡田さんは絵もご自分で描かれるので、創作ノートを描けば8割方できたも同然。うらやましいとおっしゃっていました。



テキスト『書く力』(池上彰・竹内政明/朝日新書)は、今回で最後です。
前回の続き「悪文退治」から、
・“ ” は逃げの言葉
・「絆」は使いたくない言葉、「機会」は注意しなければいけない言葉
・自慢話はしない/失敗談こそがもっとも面白い
・無理に奇をてらった話をしない
を見ていったのですが、普段何気なく文章を読んだり書いたりしていても気づかない視点でハッとすることが多かったです。
このテキストは、ジャーナリストのお二人が実際に文章を書く場合の手の内を見せてくれる形だったので、とても勉強になりました。
井上ひさしの『私家版 日本語文法』 (新潮文庫)も、一読すると良い文章読本だそうです。
とにかく、人に伝える文章を書くうえで分かりやすい表現を心がけましょう。



休憩の後は、前回の課題「昔話の再話」についてのお話です。
昔話というのは著作権がないので、何度も繰り返し書籍化され、絵本の世界では地位が確立されています。
古今東西の昔話は、語り手が聞き手に口伝することで、子どもはとくに一気にその世界へ引き込まれていきます。
そんな昔話を体系づけてまとめたものが「グリム童話」です。



参考として、前回の課題にあった『ふるやのもり』を、岡田淳さんが再話した作品と
『王子さまの耳はロバの耳』(フェリシモ)を読み聞かせてくださいました。





昔話のパターンとして繰り返しがあり、西洋は3回、日本では2回繰り返されることが多いとか。
失敗したり、反復したり、繰り返すことでおもしろさが増すのだそうです。

この後、河合隼雄の『新装版 おはなしの知恵』(筑摩書房)から、冒頭の「おはなしのはじまり」の箇所を見ていきました。

また、同じく河合氏の『昔話の深層』(講談社)脇明子の「物語が生きる力を育てる」(岩波書店)
千野帽子の『人はなぜ物語を求めるのか』(筑摩書房)も薦めていただきました。

最後に今回の課題です。



前回の課題と同様、語りの形式で「〇〇の××はなぜ△△」というテーマの文章を書いてください。
「ぞうの鼻はなぜ長い」「きりんの首はなぜ長い」「海の水はなぜからい」「そばの茎はなぜ赤い」等々、
オリジナルでも再話でも、何について書いてもかまいません。内容も長さも自由です。
ただし昔話ですから過去形で書いて、△△の部分は形容詞になるのかもしれません。(違っていても大丈夫です)
おかしな、楽しいお話になるよう、皆さん頑張ってください。


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