怪人クンのムフフ日記

ムフフ、ムフフ、時々オヨヨの〝怪人クンワールド〟炸裂!
あの大物も、この人も。愉快な仲間続々登場!

怪人クンが仕掛けるまでだ!

2008年12月26日 | Weblog
<12月25日(木)>

相変わらず風は強い。今宵はオレンジとブラウンのストライプ模様。首に巻いたマフラーが長いせいか、時折左右に大きく揺れた。
聖なる夜に昭和の名曲。カラオケパブのママ、おハナさんの店で「ふたり紅白歌合戦」の約束を彼女としていた怪人クン。あと5分で到着する、というおハナさんをビルの下で待っていた。そのときだった。盛り盛り頭のキャバ嬢が、男性と何やら語りながら怪人クンの前を通り過ぎていった。20時10分になろうかという頃だ。ちょっとばかり距離があっても見間違ったりはしない。それは、まぎれもなくはなびちゃんだった。
この数時間後、彼女からメールが届いた。
(さっき会ったね)
互いに気づいても気づかぬフリ。遭遇時刻と、向かう方角からして同伴だとすぐにわかった。これがプライベートの間柄なら、たとえカレシと歩いていても気軽にあいさつくらいは交わす。けど、そこは仕事。怪人クンと彼女は友だちじゃなく、嬢とお客の関係。ウチパクさんの言葉を借りるなら、「店を一歩出たら他人」だ。
今宵は、はなびちゃんとの時間を横にいた彼がおカネを払って楽しんでいる。そうである以上、〝乱入〟は失礼にあたる。最低限のマナーだ。あの瞬間は、彼がはなびちゃん独占権を持っている。はなびちゃんも、彼だけに笑顔をふりまく義務がある。そんなことはお構いなし。中には平気で声をかけてくる嬢もいるけど、怪人クンははなびちゃんの〝シカト〟を支持する。その点では、とても気遣いのあるコといえる。
この世界で遊び慣れた男たちには、「そんなの当たり前だよ」のひと言で片づけられてしまいそうだけどね。
そうは言っても。こういったシーンに出くわすと複雑な感じがするよ、やっぱりさ。キャバ嬢は所詮、みんなのアイドル。惚れるもんじゃねぇなぁ、と。
お前が言うなってか? ムフフ…。

そんなこんなでお待ちかね。ここからは前回の続き。カゲキの話題だ。
ヤツのメールにその店名が記されていたとき、怪人クンの頭をよぎったのは欽ちゃんこと萩本欽一さんだった。
「なんでそうなるの!?」
あまりに古すぎるか(笑)。動揺もしたけど、怪人クンはある行動に出た。まずは正直に事実を告げた。
(××に移ったのかよ。残念だけど、カゲキを指名することはできないぞ。だってその店には…)
そう、〝最強のオキニ〟がいるんだから。ただし、ヤツには激突する相手が誰なのかまでは教えなかった。もちろん、彼女にもカゲキがどのコかは黙っておくつもりだ。
カゲキのレスが15分後に入った。
(じゃあカゲキとはおさらばだ?)
そのとおりだ。と、ここで終わるのは普通すぎる。怪人クンは徹底的にヤツを挑発した。
(諦めるのは早いぞ。怪人クンをそのコから奪ってみたらどうだい?)
意地悪だなぁ。自分でも思った。ふてぶてしいヤツのことだ。のってくるんじゃないか? ところが意外にも、(人のを奪うくらいなら客探すよ)と返信してきた。
そりゃかしこい選択だ。ダッハッハ。けどおい、カゲキ! 「客」とはなんだ! せめて「お客さん」くらいにしとけ。ますますこの女は、あの店にミスマッチだ。ま、余計なお世話か。それにしたってお前、いやにフェアプレー精神じゃねぇか。あれか? バレーボールをやってたせいか? 似合わねぇよ、お前には。いつもみたいに図々しく絡んでこいよ!
「リングの上は闘いだ。先輩も後輩もない。遠慮するな!」と〝燃える闘魂〟アントニオ猪木も言ってるしさ。
「ウチらは女のコ同士、仲良しで働きやすいよ」と多くのキャバ嬢が言ったりするけど、そこにあるのは勝負なんだよ? 「お疲れさま」をしたらそれもいいけど、ドレスを着てる時間はやるかやられるかしかないんだ。たしかにチームプレーも大切だけど。
もういい。キミたちが個人闘争しないなら、怪人クンが仕掛けるまでだ!


※おハナさんはサンタクロース(写真)。