鏡海亭 Kagami-Tei  ネット小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

・画像生成AIのHolara、DALL-E3と合作しています。

・第58話「千古の商都とレマリアの道」(その5・完)更新! 2024/06/24

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第58)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

すべての謎の行きつく果て? 忘れられた深緑の遺跡

こ、これは……!? 本ブログの連載小説『アルフェリオン』の新たなタイトル画像でしょうか。AI(ChatGPT, DALL-E3)さん、こんなタッチの画像も生成できるのですね。これは、物語のとある場所に出てくる壁画のイメージを、小説本文をもとにChatGPTに画像化してもらったものです。

その壁画のある場所とは、第26話「孤軍」の最後のところに登場する、あの遺跡です。この間、『アルフェリオン』の名場面画像集をAIさんと共にアップする企画を進めてまいりました。そして前回の第57話分のところで、「風」属性チームのカリオスとテュフォンが珍しく画像化されたので、ついでに彼らが主役同然の第26話の画像も追加したのでした

この場面で、次回に続くとなったのでした。今回は、その続きです。
どことも知れない樹海の奥地、忘れられた大古の神殿。いや、この物語の場合、大古といっても文字通りの古代文明ではなくて、かつて栄えて崩壊した超魔法科学文明……の可能性が高いです。いわゆる「旧世界」ですね。ルキアンの先代の御子エインザール博士がいた頃の時代です。


何か鬼気迫る雰囲気が伝わってくるような……。

臓腑にまで染み渡るような濃密な森の空気、人ならぬ緑の支配する領域。そんな不可思議な場所を、ひとり訪れた風のパラディーヴァ、テュフォン。

遺跡の深奥にあったのは、時を超えて何かを物語ろうとしているような壁画。


ここで、冒頭の絵が登場するわけですが、ちょっと、壁画そのものというよりは、この壁画のイメージ画像といった方がよいですね。第26話から、この壁画を描写した部分を引用しておきます(上記の画像とは細部が違いますが)。第57話までの段階で明らかなことを解説(余計な公式ネタバレ? 笑)として付記してあります。明朝体のところが本文、ゴシック体のところが解説です。

 

 よく似た2人の若い女性が描かれている。
 どちらも真っ直ぐに立ち、胸元で両手を重ね、天上を仰ぎ見ていた。全く同じ格好だが、鏡に写った像のごとく左右反対だった。一方は純白の長衣を身に着けており、太陽を模した紋章を頭上に従える。他方は三日月の紋章を伴い、漆黒の長衣をまとう。

 現段階では明らかですね。これはリューヌ(闇のパラディーヴァ)と光のパラディーヴァ(名前は不明)のことを暗示しているのでしょう。第26話の時点では、リューヌと対になっているような白い女性が誰なのかが、謎だったのです。


 他にも4人の人物の姿があった。色落ちが激しく、皆、顔つきはおろか性別すら判別し難いが。彼らもまた、それぞれ不可思議な紋章と共に描かれている――燃え盛る炎、サラサラと流れ落ちる砂、水滴、そして竜巻のような渦。
 以上の6人は規則的に並んでいた。よく見ると、消えかかった線で六角形が印されており、その6つの頂点に各人が位置する構図である。

 これも、各属性のパラディーヴァたちのことを示しているのでしょう。


 最初の2人の女が見上げている先には、雲間に漂う人のようなものが居る。その数は4人。翼を持っているわけではないにせよ、どことなく天使を思わせる一群だった。
 さらに上の方にも何か描かれていたようだが、壁面が剥げ落ちているため、もはや確かめることはできない。

 天使を思わせる4体の存在とは、四体の黄金仮面、つまり、「あれ」に代わって世界の「絶対的機能」の展開をあるべき方向に導く「万象の管理者」こと「時の司」であり、その化身が例の「いにしえの四頭竜」です。第57話では、この四頭竜の力の一部を付与された仮の思念体と、ルキアンたちが戦います。この思念体は、本物の四頭竜とはまったく比較にならない程度の力しか持っていません。いわゆる「劣化コピー」にすぎないのですが、それでも御子全員で力を合わせてやっと何とかなったほどに強かったですね。

そして、最後の部分が今後への伏線です。


壁画の下に古典語で次のように書かれている。神官か魔道士の手によるものか、あるいは旧世界の人間によるものだろうか。

最も恐るべき真の敵が、
我らの手の及ばぬところに居るかもしれぬ。
それゆえ、恐らく我々の勝利は虚しく、
むしろ破滅を意味するであろう。

上記の内容は、かつて旧世界の時代にエインザールと地上人が天上界(天空植民市群)に勝利したにもかかわらず、その後に結局は旧世界全体が何故か滅亡したことと、深い関係がありそうです。いったい、何が起こったのでしょうか??


続きの文章は消えてしまっている。数行下に至って、再び読むことのできる文章が現れた。

光の……をもつ御子が戒めを解き放つとき、御使いたちは星を一所に導き始めるであろう。
だが人馬は目覚め……たとえ業火がその身を焼き尽くそうとも、勝利は一時のものでしかない。
やがて日は落ち、力を欠いた御使いたちの苦しみが続く。
痛ましき戦いの果てに、彼らは真の敵の姿に恐怖するであろう。
そのとき世界は無に帰し、新たな偽りの時代が幕を開ける。
心せよ。我々の最後の救いは、閉ざされた……の並びにある。
すなわち……。

「我々の最後の救いは、閉ざされた……の並びにある」が何を意味するのかについては、重大な手掛かりが(そうは見えないかたちで)第57話までのところで既に登場しています。でも、あれはそういうことだったのか!と分かるのは、最終回の少し前あたりになってからでしょう。

 

実は、『アルフェリオン』の核心部分にかかわる以上の壁画を、物語の冒頭部分にもってこようかという考え方も、当初はあったのです。すなわち、風車の丘の上にルキアンがたたずむ場面から第1話が始まるのではなく、壁画に語られた曖昧な伝説を誰かが語る場面から始まるという案でした。それを物語の冒頭タイトルにしたのが、今日の記事のはじめに掲げられていた、この画像です。

もし、第1話がそのような内容で始まっていたとしたら、なんというか正統派のヒロイックファンタジーを彷彿とさせるような、壮大でいっそう幻想的な(しかしありがちな。笑)雰囲気で『アルフェリオン』という物語がスタートしていたことでしょう。

いや、その場合、「壁画」の伝説を冒頭で物語るのは、誰の役目になっていたのでしょうね。カルバ先生がルキアンとヴィエリオに授業をする場面の中で取り上げるのが、自然な流れではあります。「実況のお姉さん」ことアマリアさんがいかにも意味ありげに呟くのも、ありでしたね(笑)。誰なんだ、この謎の美女は!?という感じで。あるいは意表をついて、旧世界の重大情報をたくさん握っている(「鍵の守り人」の)魔道士ウーシオンあたりだとか。まだ幼かった頃の主人公ルキアンに対し、彼の師であり父のようでもあった修行僧(若い頃のマスター・ネリウス)が語るというのも、そのあとのことを考えれば切ない展開……。いや、問題の第26話のラストシーンを、第1話の冒頭にもってきて、テュフォンに語らせるのもよいかなと。まぁ、結局、とっくの昔にボツになった案でしたが。

 

ちなみにアルフェリオン第1話の冒頭のシーンについては、さらに、もうひとつの案があったのです――いや、それについては次回。今回は、このへんで(え、ぇぇぇ!? と締めくくるのが、最近のお決まりのパターンになって参りました)。

本日も鏡海亭にお越しいただきありがとうございました。
良い週末をお過ごしください。

最後にひとつ、おまけです。このごろ、コミック風・アニメ風あるいはいかにもCG風の絵柄ではない、様々な画風の絵を生成するプロンプトの練習をしております。こういうのも、なかなか味わい深いです。


『アルフェリオン』の第1話等に出てくる港町・コルダーユは、こんな感じですね。

ではまた!

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