鏡海亭 Kagami-Tei  ネット小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

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・第58話「千古の商都とレマリアの道」(その5・完)更新! 2024/06/24

 

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ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第58)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

『カイス・ブリッツ』の魅力は、カイ(怪異)にあり?

「転生したら、そこは《昭和》でした!?」――本ブログの連載小説『カイス・ブリッツ』の最新話が、昨日6月10日の早朝にアップされました。久々の更新、いかがだったでしょうか。

さて、主人公クナンをはじめとする「転生者」たちと並んで、『カイス・ブリッツ』のもうひとつの主役といえば、様々な「カイ(怪異)」たちです。時には強敵として登場人物たちの前に立ちはだかり、時には心強い味方として登場人物たちと共に戦う――そんなカイたちは、大別すると5つの種類に分かれています。今回は、その5種類の特徴を画像で紹介です。

 

1.アヤカシ

まずは、生き物が妖力を得てカイとなった「アヤカシ」です。人を化かす狐や狸、あるいは化け猫といった妖怪たちが、その典型的なイメージでしょうか。最新話では、クモと狼が合体したようなアヤカシが、火美名ゆきみを襲っていましたね。主人公の仲間になるイタチの妖怪(獣人?)「ナガレ」もアヤカシです。アヤカシには比較的下級のカイが多いと思われますが、中には九尾の狐のような強大な妖怪もアヤカシに属することになります。狐の大妖怪は、本作にも出てくるのでしょうか。

 

2.ツクモ

アヤカシが生物から変化(へんげ)したカイであるのに対し、ツクモは無生物から変化したカイです。たとえば、いわゆる「唐傘お化け」のように人間の使っていた道具が魂を得てツクモになったものと、岩石のような自然物に魂が宿ったツクモが、代表的だと思います。小説本編の中ですでに登場している例としては、黒衣の糸使いヒビキに従うカイである「オトギリ」が、三味線から生まれたツクモです。また、主人公クナンの仲間になるカイとして、刀に魂が宿った(いわゆる「妖刀」の類?)「大刀天下叢雨(ダイカタナ・テンゲムラサメ)」も強力なツクモです。道具から生まれたツクモは、一方で人間に愛され人間を愛するものと、他方で持ち主の恨みや邪念がこもった凶悪なものと、極端な二つの存在に分かれるようです。

 

3.ゴースト

三つ目の種類は、ゴースト、文字通りの幽霊です。『カイス・ブリッツ』の世界の住人たちが、この世やそこに生きる者に対して強い執着を抱いたまま亡くなった場合に、ゴーストとなるようです。ゴーストは実体を持たず、またしばしば物理法則を無視した超常現象を起こせるため、一般にカイとしては手強い部類に入ります。「闘師」ではない普通の人間がゴーストに打ち勝つことは、ほぼ不可能でしょう。他の種類のカイ以上に、人間に対して憎しみを抱いていることも多い、恐ろしい相手です。ちなみに主人公クナンの仲間になるカイの中では、一見すると愛らしい少女の姿をしている「サワコ(佐和子)」がゴーストタイプであり、強力な結界を張る能力をもっています。

 

4.スピリット

これまでのアヤカシ(元は生物)、ツクモ(元は無生物)、ゴースト(元は人間)がいずれも現実世界の存在がカイとなったものであるのに対し、スピリットは、『カイス・ブリッツ』の世界に関与しながらも、最初から物理的な世界あるいは現実世界を超越した高次の霊的存在です。たとえば妖精や精霊、あるいは多神教の土着の低級神にあたるようなものが、スピリットの代表例です。スピリットは他の種類のカイよりも総じて強力であり、人間にも容易には従わないため、これを操れる闘師も限られています。流界波止場の闘師たちの中では、コトネ女将がスピリットの「アシヤミ」と契約を結んでおり、その正体は、とある山の神です。主人公クナンの仲間にいずれ加わる蛇神「ビャクコウ」もスピリットですが、人間に対して憎悪を抱いた邪神と化してしまっているため、そう簡単には味方にならないでしょう。

 

5.ミトス

カイの中でも特に正体不明のグループであり、しかしまた、物語『カイス・ブリッツ』を象徴するような存在である「ミトス」が、今回紹介するカイの最後の種類となります。ミトスは、元々はこの世に存在していません。都市伝説や民間伝承などに登場する架空の存在が、それを信じる人々の情念を承けて現実のものと化した結果、ミトスが生まれます。ミトスの代表例は、本編の初回でも(本体ではなく仮分体が)登場した「マスクド・レディ」すなわち「口裂け女」(!)です。基本的にミトスは、その存在を知る人の数が多いほど強い力を得るため、マスクド・レディは最強のミトスのひとりではないかと言われています。なお、闘師たちが語るところによれば、ミトスは、他のカイと比べて自身の「心」をほとんどもっていないように思われ、意思のない機械のような雰囲気であることが多いとのことです。クナンの最初の仲間になるカイ「真夜中の交差点に立つ白い女」はミトスですが、一体、どのようなキャラクターなのでしょうか。

 

実は、以上に挙げた5つの種類には当てはまらないカイも稀にみられるようです。しかし当面は、これらの種類のカイたちが物語を彩ってくれることでしょう。不気味で怖いけれど、でも不思議な魅力をもつカイたちも、『カイス・ブリッツ』の面白さのひとつです。

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次回もお待ちしております。

ではまた。

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