ネタバレ御免！―でもアルフェリオンを楽しむ方法

連載小説『アルフェリオン』、最近忙しくて更新が滞っておりますが、最終回までの物語の内容がかなり細かく決まって参りました。もちろんストーリーの背骨に当たる部分と最後にどうなるかは連載当初から決まっていました。が、そこに至るまでの道筋に未決定の部分が多かったのでした。

それでも今後実際に話を書き進める間に、アドリブで新たなエピソードが入り交じったり、新キャラが投入されたりするのは、いつものことですけど（苦笑）。

それで、以下、恒例の（？）公式ネタバレ…いや、先行紹介をいくつか。そう言えば今年は毎年恒例の新春ネタバレ大会も実施できませんでしたし。

まず、これから出てくる勢力です：

１　現世界（イリュシオーネ）関連の勢力

　(1) 帝国先鋒隊　オーリウムに侵攻してくる帝国軍。
　(2) 帝国の反皇帝派　ガノリスのレジスタンスに情報を流している人々。
　(3) タロス共和国　第三の大国タロスがついに動き出す…。

２　旧世界に絡んでいる勢力

　(1) 「月闇の僧院」　「鍵の守人」と微妙な関係にある勢力です。

３　詳細は言えない勢力

　(1) 「教会」　詳しく作品を読んでいる方は聞いたことがあるはず。
　(2) 「執行者」　言えません。これは極秘。

　◇

○ １-(1) 帝国先鋒隊

　いよいよ、帝国軍が本格的に侵攻。いや、もう数年前からそんなことを言ってネタを引っ張っている気がしますが……ひとえに作者の遅筆のせいです、すいません（^^；）。

　ガノリスでグレイルやロスクルス隊長と戦っているのは、帝国軍のガノリス進駐軍。これに対して先鋒隊は、オーリウムの「レンゲイルの壁」に刻々と迫っている方の帝国軍ですね。

つまり主人公のルキアンたちと直接戦うことになる敵軍です。馬型のアルマ・ヴィオに乗った騎士型のアルマ・ヴィオが大軍で押し寄せてくるという（苦笑）、何ともベタな連中ですが…迫力はあります。

先鋒隊の指揮官は、アポロニア・ド・ランキア。この物語に出てくる女性のエクターの中では、シェフィーア、アマリアと並んで三強の一人でしょう。そういえば三人とも、いわゆるアラサー（笑）ですが。この物語、本当にお姉様キャラの層が分厚くて、典型的な「美少女キャラ」（苦笑）が埋もれてしまっていますな。

○ １-(2) エスカリア帝国の反皇帝派

以前、ランツェ郎が出てきたときに、帝国軍の上層部しか知らないはずの機密がガノリスのレジスタンスに流れている、という話がありました。その情報漏洩をしているのが、反皇帝派です。いや、正確には、かつては皇帝の忠臣であったのに、あまりに皇帝が変わってしまったので皇帝に愛想を尽かしたという感じかも。皇帝の伯父に当たるカローロ・ド・イェスペランが、反皇帝派の中心人物です。

○ １-(3) タロス王国

革命政府を牛耳っている人物の一人、死の商人マルディー（帝国にもガノリスにもオーリウムにも武器を横流ししている人）たちが出てきます。実はナッソス家の超高速型のアルマ・ヴィオ「レプトリア」は、タロスから裏ルートで仕入れたものであるという設定が、以前に本編に出てきましたね。あれにもマルディーが一枚かんでいます。帝国と連合の戦いを静観しているように見て、実はタロスが漁夫の利を得ようとしているのでしょうか？

○ ２-(1) 「月闇の僧院」

このネーミングからして、物語の核心や主人公ルキアンと深い関わりを持っている組織だと分かった方は、相当のアルフェリオン・フリークです。ありがたいことです。

実は「月闇の僧院」に属するキャラは、すでに登場しているんです。ルキアンと関わりがあって、不可解な行動を取っていた、あの人ですよ。ちなみに、その人とはまた違うキャラなのですが、「僧院」の長は、コズマス・○○○○○○。すでに登場している誰かの血縁者です。

しかしルキアンは可哀想…。こんな悲惨な設定の主人公って、いまだかつてないんじゃないかと思います（謎）。人間が人間であることの条件って、一体何なんだ？という…。以下、内緒。

○ ３-(1) 「教会」

えぇっ？　「教会」って、何でこんな過去の遺物が現世界に関係してくるんだよ？と思ったあなたは正しい。でも、関わってくるんですよ。ヒントは、例のパラミシオン。パラミシオンの異様に遅い時間の流れ…。これ以上は言えません。気になった人は、本編に出てきた、例の「塔」の旧世界人の「日記」を読んでみてください。

○ ３-(2) 「執行者」

何を執行するかというと、要するに、世界の摂理、因果律の執行者ですよ。あ、言っちゃった！（＞＜）。例の「時の司」が、特別な力を与え、自分たちの手足として使っている人間たちのことです。

この物語の世界が、因果法則あるいは「必然」そのものである「あの存在」と、それに対して「偶然性」や「不確定要因」を司るもうひとつの存在のぶつかり合いの中で動いているというのは、すでに物語にも出てきたとおりです。で、ルキアンたち「御子」に対して、「あの存在」の側の「御子」に当たる人たちが「執行者」なんです。

「執行者」には、意外な人が入っています。その名は明かしませんが、えぇ～っ！？というキャラが、いわば現世界の人間を裏切って「あの存在」や「時の司」の側の「執行者」になります。そこがまた魅力なんですよねぇ、あのキャラの（誰のことだ？）。

　◇

以下、いくつか、将来的な物語の展開まで見据えた、思わせぶりなネタバレを（おい）。

○ パラス騎士団のラファールは大化けする。考え方によっては、最後の方でかなりおいしい（格好いい？）役回りが与えられるのはのはラファールかも。少なくとも、ラファール・ファン（いるのか？）は満足できるはず。

○ ファルマス様は、最後までファルマス様。しかし、彼は極めて重要なキャラ。

○ ラファールやファルマスをはじめ、パラス騎士団のキャラ一人ひとりの動向に注目。重要な役割をする人が多い。

○ 普通の人間（「御子」や「執行者」をのぞく）の中で最強になるのは、実は当初は名無しのキャラ。名無しから、次第に成り上がっていきます。ちなみに名無しと組んで「人間の中で最強」になるのは、あの女性。

○ 現世界での対立の構図が、必ずしも、さらに大きな戦いの構図には反映されないということを覚えておくべき。現世界の戦いの中では敵対していても、旧世界からの因縁の人類と「何か」の戦いの中では、敵が味方になることもあり得る。特に、帝国軍のあの人。

○ これは、予想されていると思うので、言ってもいいですよね。アレス君は最後まで生き残ります(^^;)。

○ 帝国軍の中に見るからに怪しいキャラが出てくるので、そのへんをよく見ておいてください。「執行者」ネタとも関係する話です。誰が「執行者」なのか？　繰り返しますが、現世界における人間たちの戦いの構図は、旧世界の時代から歴史の裏で延々と続いている人間と「何か」との戦いの構図には必ずしも反映されません。しつこいですけど、現世界の次元において帝国軍とその他の勢力は敵対していても、人類対「何か」という旧世界以来の戦いの次元においては、帝国軍も「人類」の側であることを忘れないでください。

以上

実はファンタジー・ロボット小説なんです

ブログのトップページを少し変更しました。
連載小説『アルフェリオン』の紹介のコメントを書き換えてあります。この小説がファンタジー世界を舞台としたロボット戦記物だという点を、明確にしておきました。

ファンタジー物は好きなんだけど、典型的な「剣と魔法」のファンタジーにはそろそろ食傷気味になってきた方、ＳＦは好きだけどファンタジーは食わず嫌いの方、等々、多くの読者様に楽しんでもらえる懐の広い作品です。

そういえば、いま気づいたのですが…。
一方では「愛のためには戦わない」ヤツが主人公を差し置いて活躍する小説を、ここに連載している私です。他方で、そんな私が、同じくこのブログの週刊コラ友のコーナーでは、「無限大の愛」のコーラサワーさんを全力で応援しているのだから皮肉なものです（^^；）。でもコーラさん最高ですし。

以上