アルフェリオン、今後の戦いは？

連載小説『アルフェリオン』、第48話「逆同調（バーサーカー）」を迎えて以来、物語の展開もバーサーク？して、従来にない異様な熱狂ぶりを見せています。

前回に発動した黒の宝珠の力…。魔法と科学とが融合した旧世界の技術を象徴するようなその描写、これはこれでハイブリッド・ファンタジーの本領発揮というところ。ただ、それ以来、更新が遅れておりまして…。申し訳ないです。

１　イーヴァも変形して反撃か？

ルキアンとカセリナの戦いの行方、実はカセリナのイーヴァの方も、これからアルフェリオンと同様に姿を変えて反撃することになるでしょう。さすがカセリナ、そう簡単には負けません。

すでにご承知の通りアルフェリオンは、火力重視のフィニウス、速さと索敵能力重視のゼフィロス、パワー重視で格闘戦用のテュラヌス等々というふうに、用途に応じてモードを変えます。

これに対してイーヴァは、近接戦闘に特化した機体である点は常に変わらないのですが、装甲の程度を段階的に変化させることができます。「鎧」を着替えるとでもいった方が分かりやすいでしょう。頑丈な甲冑をまとって大きな盾を持てば、防御力は高まりますが、そのぶん動きが重くなる…。これまでの場合、イーヴァは、軽装であっても俊敏さを最大限に高めたフォームをとってきたということですが。

それにしても、ルキアンとカセリナが全力で斬り合う場面がやってこようとは。
カセリナの底力を見せつけられたルキアンは、ついに…。

２　黒の宝珠のシステム

そういえば前回、ルキアンの闇の紋章は、宝珠のシステムを使用するための生体認証ならぬ霊体認証（笑）のためにも必要だったようですね。「鍵」みたいなものですね。今のルキアンは現実世界で紋章の力を使うことはできませんが、それでも紋章（紋章回路）をその身に宿しているだけで、とりあえず黒の宝珠を使えるというメリットがあることになります。

結局いま、ルキアンは黒の宝珠の中に入っちゃったわけですが。つまり、あの宝珠は、アルフェリオンの真のコックピットでもあるようです。といっても、宝珠に入口はないですし、宝珠の中は一種の亜空間になっています…。多分、今度からルキアンが機体に乗り込むときには、ケーラを開けて中に入るのではなく、宝珠に直接フェードイン！（笑）するのかもしれません。ますます、ファンタジーロボット物っぽくなってきました（そうなのか？）。

宝珠のシステムと言えば、実は旧世界のアルフェリオン（アルファ・アポリオン）は、単なる１体のアルマ・ヴィオであるというよりも、諸々の兵器とデータリンクした「アルティマ・トリゴン・システム」のコアとして運用することが前提の兵器だったようです。

どうやら、アルフェリオンは、軌道上の衛星群ともつながっているようですが…。何のための衛星なのか、今も衛星が機能しているのかは不明ですけど、少なくともＧＰＳ機能（笑）くらいは付いてるんですかね。衛星と連動した超巨大呪文の発動…ってなことになったら燃えます。

３　アルフェリオン、まだまだ新たな形態が登場？

黒の宝珠のシステムが機体の変形＆再生を自動で行った際、アルフェリオンの変形可能なモードに関するものらしき情報もひそかに出ていました。フィニウス、ゼフィロス、テュラヌスときて、残るアダマスとエリュシスというのも、多分、アルフェリオンのモードのことなのでしょうか。

現在は使用権限のないアポカリュプシスというのは、何か特別なモードみたいです。まぁ、これが何を意味するかは、その名称と従来の伏線からおおむね分かるかもですね。

「モード」とは別に「フォーム」というのもあるようですが（謎）。
「カラミティ・テュラヌス」という名前も出てきたので、多分、他に「カラミティ・ゼフィロス」とか「カラミティ・フィニウス」もあるのでしょう。フォームごとにモードがあるような感じです。

現在のアルフェリオン（ノーマル・フォーム）には色々とリミッターがかかっているようなので、その上位のカラミティ・フォームというのは、アルフェリオン本来の力を発揮できる状態なのかもしれません。そういえばアマリアが、もしリューヌの封印を解けばアルファ・アポリオンが目覚めるかのようなことを言っていましたが…。

４　エインザールの心の闇

しかしまぁ、カラミティ（災厄）とかアポリオン（破壊者）とかアポカリプス（黙示録）とかいったネーミングからも、アルフェリオンを造ったエインザールが、いかに天上界を滅ぼす気満々だったかが分かります…。自分自身の置かれた社会に対するそこまでの復讐心を彼に抱かせたものは、一体何だったのか（エインザール自身も天空人ですので）。

同胞の天空人を裏切って、虐げられた地上人に味方し、天空人と戦った男というとヒーローみたいに聞こえますが…。でも実際のところ、エインザール自身の戦う動機は、自分を疎外した（と彼が思い込んだ）天空人の社会に復讐したかったということですよね。なんというか、悪の組織の中で排除された人間が恨みを晴らすために悪の組織と戦っている、といったところでしょうか。歪んでる。

いやいや、天上界が国家としてやっていること自体は鬼畜でも、天上界（天空植民市群）で普通の一般市民として暮らしている天空人も沢山いるわけですし、天上界＝悪の組織という単純な話にもなりません。

言い方を変えれば、エインザールという孤独で鬱屈した科学者が、逆恨みで社会に対して反乱を企てたという話でもあります。ただ、彼が個人的憎しみで天上界と戦うことが、結果として地上人の側から見れば、自分たちを天空人から解放する行為だという話になるので複雑なのでした…。

エインザールによって造られたオリジナルのアルフェリオン（＝アルファ・アポリオン）は、もともと天空植民市群を殲滅するための兵器で、しかもアルフェリオンの開発には、天空植民市群の反体勢側植民市の宗教組織である「教会」から資金が流れていたという話が以前に出てきました（「塔」の旧世界人の「日記」の場面）。いや、どれだけ危ない話なんだと思います。

で、そのアルフェリオンに現在乗っているルキアン自身が、イリュシオーネの現世界に対してどういう思いを抱いているのかも気になります。本編の中でも、まさにそのことをクレヴィスがルキアンに尋ねていましたが…。

ともあれ、ますます注目のアルフェリオン、鋭意執筆中です。