鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

第59話(その1)緑月事変

目次これまでのあらすじ | 登場人物 鏡海亭について
物語の前史プロローグ


 
いばらは誓いました。
この身が傷つくことで、傷つかなくて済むものがいるのなら
私は喜んで踏みつぶされ、食いちぎられましょう。
踏みつぶしたもの、食いちぎったものに
この棘の痛みを与え、恐れを刻み、
もう二度と同じことを繰り返させないために。
 
(ミルファーン王国の伝説より)
 

1.王都急襲


 
 新陽暦302年に起こった《緑月(りょくづき)事変》――それは、まだ記憶に新しい昨年のことであると同時に、イリュシオーネの歴史を揺るがせたタロスの大革命から数えて、13年目の出来事でもある。かつて、いわゆる《六王国》の勢力均衡のもと(*1)、少なくとも表面的には平和が保たれていたイリュシオーネの世界情勢は、旧タロス王国の革命をきっかけに、各地で玉突きのように次々と不安定化していった。タロスという大国の混乱に乗じて、新たな利権や領土を掠め取ろうと暗闘する諸国、タロス革命に刺激されてそれに続こうとする各国の反体制派、王権と革命勢力の争いのもとで漁夫の利を得ようとする狡猾な貴族たち、こうした混沌きわまる政治的・軍事的な状況が続く中、次第に覇権を握っていったのが、かつてのエスカリア王国とラナンシア王国、つまりは両国の統一によって生まれた現・エスカリア帝国に他ならない。
 そしてついに302年の緑月(*2)、エスカリア帝国軍とガノリス連合軍との全面的な衝突が始まろうとする直前、この大乱を誘引する導火線さながらに、最初の戦いの火の手はエスカリア・ガノリス国境とは異なるところで燃え上がった。帝国軍にも連合軍にも付かず、曖昧な態度で様子見を決め込むミルファーン王国に対し、これを力ずくで連合側に引き入れようと、連合の盟主ガノリス王国はミルファーンの王都ケンゲリックハヴンを急襲するという暴挙に出たのである。
 
注:
 
(*1)六王国とは、オーリウム、ミルファーン、ガノリス、タロス、エスカリアおよびラナンシアの諸王国を指す。ちなみに現在、エスカリアとラナンシアはエスカリア帝国へと統一、ガノリス王国は帝国軍に敗戦・占領され、事実上崩壊、革命後のタロスは王国ではなく共和国となっている。六王国当時から国情がほぼ変化していないのは、オーリウムとミルファーンの両王国のみである。ちなみに両者とも、「王国」といっても王権の力が比較的弱く、各地の諸侯や都市に大幅な自治権が認められた分権的な国となっている。
 
(*2)緑月とは、おおむね私たちの世界の5~6月頃に相当すると思われる。
 
 ◇
 
 穏やかに更けゆく夜を、出し抜けに揺るがした幾つもの爆発音と、これに少し遅れて騒然と外に駆け出した人々の姿、飛び交う喚き声。目の前に落ちた炎系の魔法弾に照らされ、煉瓦造りの赤茶けた家々が浮かび上がる。その光景を鏡のように映し出すほど滑らかに擦り減った、そして丁寧に磨かれてもいる石畳の街路。そのあちこちに、家具などを積み上げた乱雑なバリケードが築かれている。即席の防御陣地の陰で、銃を構える赤と黒の軍服の兵士たちと、彼らと共に自らも武器を取った市民たち。
「あと少し、援軍が到着するまで持ちこたえるんだ! ミルファーンの民の粘り強さを見せてやれ」
 士官の一人が叫んだ。彼らの衣装、すなわち鮮やかな深紅の生地を主体とし、肩章の周囲やボタンの並ぶ部分に白をあしらい、黒いズボンと、金色のいささか古めかしい兜を被った姿は、ミルファーン王都の防衛にあたる王室警護隊のものだ。彼のところに同じく王室警護隊の兵が駆け寄ってくる。
「伝令、伝令! 敵はガノリス王国軍と判明。精霊迷彩で隠形化した飛空艦が、現在把握されているところでは、強襲降下艦を中心に少なくとも6隻。《十聖剣(デツァクロン)》を含む敵機装騎士団によって、すでに王宮は制圧されました」
「デツァクロン、だと?」
 士官の表情にこれまで以上の緊張が走った。軍事大国ガノリスの擁する数多くの機装騎士の中でも段違いの実力を誇る、選ばれた十人、デツァクロン。彼らがアルマ・ヴィオに搭乗した際の実力たるや、たとえ単騎であったとしても、並みの機装騎士団の一つや二つ、容易に壊滅させ得るといわれる。この最精鋭をガノリスはミルファーン王都急襲のために投入してきたのだ。各地から主力部隊が駆けつけるまでの間、比較的少数の王室警護隊だけで王都ケンゲリックハヴンを守り切れるのだろうか。事情を詳しく知らない市民たちが、それゆえのある種の蛮勇をもってガノリス軍に立ち向かおうと気勢を上げる一方、職業軍人としてデツァクロンの強さを十分に知っている王室警護隊の者たちは、絶望に打ちひしがれそうな表情を市民たちに見せまいと、何とか平静を装っている。
 だが続く報告は、その場にいた面々の表情を逆に和らげ、安堵させるものだった。
「幸い、国王陛下とユーギン殿下、フレイナ殿下は、近衛隊の警護のもと城外に脱出されました」
 市民たちから喝采があがる。だが、その一瞬の高揚をかき消すように、バリケードの前の視界が何かに遮られた。突然だった。魔法金属の装甲に覆われた巨躯が、その重厚な外見に矛盾するほど羽根のように軽く、降ってわいたかのごとく二体、姿を現す。その動き自体からすでに分かる。乗り手は只者ではないのだと。
 これに対し王室警護隊のアルマ・ヴィオも、山さながらの黒い影を立ち上げて、バリケードの向こうから前に進み出た。一方は、熊のように逞しく、ただし多少ずんぐりとした姿、砲身の長い長射程型の《マギオ・スクロープ(呪文砲)》二門を背中に装備し、四つ脚で機動する獣型・陸戦型のアルマ・ヴィオだ。他方は、ミルファーンの王室警護隊や近衛機装騎士団で広く使われている人型、つまり汎用型のアルマ・ヴィオだった。オーリウム王国の《ペゾン》などと同様、甲冑をまとった騎士をそのまま全高10数メートルの巨人にしたような、各国の機装騎士団においてごく一般的にみられる類の機体である。
 敵味方の鋼の巨体が静かに対峙する。悠然と距離を詰めるガノリス側のアルマ・ヴィオ。額から頭頂、さらに背後に向かって伸びる角のような飾りと、甲虫の羽を思わせる、堅牢かつ流麗に外側に向けて大きく伸びた両の肩当て。これらの特徴が印象的な汎用型の機体である。藍色を中心に、要所要所に黒と銀の色合いを取り入れた精悍なその姿を目にして、王室警護隊の者たちの間から低く呻くようなざわめきが生じた。
「あれは《ガリュウ四式》……デツァクロンの」
 その言葉が終わらないうちに、立ちはだかった味方側のアルマ・ヴィオが一刀のもとに切り捨てられ、二体とも呆気なく崩れ落ちるのが見えた。
 ガリュウ四式の一方に乗っているガノリスの機装騎士、デツァクロンの一人が呆れた様子で呟く。
 ――つまんねぇな。歯応え無さすぎ。どうやら外れくじを引いちまったみたいだが。やっぱり、王宮攻めの方に回りたかったぜ。なぁ、アーレンさんよ。
 《念信》に浮かんだ彼の心の声から推測する限りでは、この機装騎士は20代後半から30代くらいの男性だろう。刃と刃を交える戦いの中でもあまり深刻さの感じられない、適当あるいは不真面目とさえいえるような態度だった。それが強者ゆえの余裕とでもいうのだろうか。
 ――そうですね、ドレイク。ミルファーンの誇る《灰の旅団》はどうしたのでしょうか。この機会にぜひ一戦交えてみたかったものです。
 落ち着き払った姿勢や丁寧な口調が、先ほどの彼とは対照的である。アーレンと呼ばれたもう一人のデツァクロンが答えた。こちらの方が幾分年上のように思われる。
 デツァクロンの《閃刃(せんじん)》ことアーレン・ヴァン・デルガイツ、同じく《炎剣(えんけん)》ことドレイク・ヴァン・イグナーツ、ガノリス最強の機装騎士のうち二名までもがここにいる。もはやこれまでかと覚悟を決めたミルファーン側と、勝ち誇るデツァクロン。そのとき、雷光同然の速さで何かが天空から投げ落とされ、地響きと共に両軍の間に突き刺さった。
 ――な、何なんだ、これは……。
 自機の魔法眼を介してドレイクが目にしたものは、周囲の家々の高さを超えるガリュウ四式と同程度に大きい《車輪》、いや、ノコギリのように多数の刃が縁に並んだ円形の武器のようにも思われる。
 ――こんなでかいものが、どこから飛んできたのか分からなかったぞ。だが、相手として不足はない。
 若干の困惑と共にむしろ高揚感すら覚え、武者震いするドレイクに、各国共通の汎用的な帯域を使った念信が届く。
 ――やぁ、こんばんは。今宵のお楽しみが待っていたところなのに……。邪魔をするとはけしからん。お仕置きだな。
 ――女? ミルファーンの機装騎士か。で、何だ、その言いぐさは。舐めてんのか。
 謎の相手からの念信。薄笑いを浮かべているような、ふざけた声。そして話の中身も珍妙だ。しかしドレイクが焦っているのは、いまの念信をすぐ近くで発しているであろう敵の機体の位置を、まったく把握できないからだった。それについてはアーレンも同様である。
 ――ドレイク、気を付けてください。敵は相当の手練れ。
 デツァクロンが二人も揃って相手の姿を発見できず、夜の闇に囲まれて戸惑う。次の瞬間、アーレンが思わず心の声を上げた。
 ――目の前だと!?
 彼らの真正面にめり込んでいる巨大な輪の上に、いつの間にか片腕一本で逆立ちしているアルマ・ヴィオの姿があった。暗闇の中で時おり輝く白と金の機体自体は、全体として比較的華奢であり、鎧をまとった女性の形状をしている。顔の上半分を仮面のような兜で覆い、兜の左右に二本の大きな角が生えている。そして波打つ青い髪、いや、豊かな髪のような形をした何か。菩薩の像を想起させる幽遠さと威厳とを兼ね備えた優美な姿の奥に、底知れない狂気を秘めた異様なアルマ・ヴィオ。
 ――知っています。この機体は。
 アーレンの念信の声がいつになく真剣になったのを、ドレイクははっきりと感じた。そのうえ、常に冷静なアーレンの口調が微妙に揺らいでいる。彼は一言一言、噛みしめるように告げた。
 ――《N・フォルトゥーナ》。これを操っているのは、灰の旅団随一、《鏡のシェフィーア》。
 ――シェフィーアって、あの《ミルファーンの狂戦姫(きょうせんき)》か……。
 ドレイクの口振りにも、彼ほどの戦士であるにもかかわらず、明らかに動揺が混じっている。
 ――私はもう《姫》ではないし、《狂戦士》というのも誤解だな。まぁ、貴君らのいう《逆同調》、つまりは機体の荒れ狂う本性を、必要ならわざと暴走させることも確かにあるが……。
 シェフィーアが微笑とともにそう言ったとき、彼女のN・フォルトゥーナは二体のガリュウ四式の間に立っていた。
 ――私自身は常に冷静だ。
 速さすらも感じさせることのない、時間も空間も超越したかのような動きで、いや、そもそも最初からそこに居たのかと思わせるほど、いとも簡単にシェフィーアはデツァクロンの二人の懐に踏み込んでいた。
 ――彼女にとっては、間合いという、ものすら……。
 アーレンが気づいたときには、白く優美な機体が隣を通り過ぎてゆくのが見えた。その動きは、何故か妙にゆっくりと感じられる。N・フォルトゥーナが両手を合わせ、合掌を思わせる動作を取った。それに呼応するように、アーレンのガリュウ四式の右の肩当てが粉々に飛び散り、同じ側の腕も大地に落ちた。
 刹那の間に何が起こったのか、ほぼ把握できなかったにしても、半ば反射的に剣を抜いてシェフィーアに切りつけようとしたドレイク。だが、N・フォルトゥーナは武器さえ使うことなく、剣を抜きかけた敵のガリュウ四式の手を、互いの指を絡めるようにして捕らえている。
 ――手を軽く握られただけなのに、何だこの力は……う、動けねぇ。
 ガリュウの手は、背中に負った剣の柄を握ったまま、刀身を鞘から途中まで引き出した状態で固まっている。シェフィーアは若干の感嘆を込めて言った。
 ――その剣、単なる時代錯誤や予算不足のためではないようだな。魔力によって形成された《マギオ・テルマー》の光の刃ではなく、敢えて実体を持つ鋼の刀を装備するとは、デツァクロン、なかなか良い趣味をしている。実体剣に霊気を流し込むことのできる者ならではの選択か。だが、死んでしまっては元も子もあるまい。
 シェフィーアは、背後にそびえる旧市街の城壁の上に立つ、月明かりに光るひとつの影を見据えた。
 ――あそこの機体が咄嗟に牽制していなかったら、貴君たち二人は、もはやこの世の者ではなかっただろう。
 そして彼女の口から出たのは、ガノリス王国はもちろん、イリュシオーネ大陸全土にその名を轟かせる機装騎士の名。
 ――久しいな。デツァクロンの真の剣聖、レオン・ヴァン・ロスクルス。
 辺りの空気が凍り付いたような、張り詰めた時間、永遠にも感じられたわずか数秒の時の歩み。沈黙を破ったのはシェフィーアの方だった。
 ――やれやれ。大事には、それに相応しい時と場というものがあるのだよ。なぁ、ロスクルス卿、ここは引いてもらえないか。私はともかく……レイシアが殺気立って仕方がないのだ。貴君も無駄な犠牲は好まないだろう。
 敵に対して不可解な笑みを浮かべたシェフィーアに、凍れる月の光のような美をたたえ、ロスクルスが初めて口を開いた。
 ――承知。今宵は我もそのような気分ではない。帝国の無粋な輩が、今夜の舞台を台無しにしてくれたようだ。
 ――何? レオン、ここで引くのか。王宮を落とし、あと少しで王都も制圧できるものを。
 ドレイクが疑問をぶつけるも、ロスクルスの言葉は一貫して撤退を主張し譲らなかった。
 ――つい先ほど本国より、至急帰還するよう命令があった。我らが留守のいまを狙い、帝国軍が国境を越えて全面侵攻してきたのだ。だが、もしここで鏡のシェフィーアと戦ったら、正直、我らのうち何人が王国に帰れるか分からない。
 ――だがよ、ここでシェフィーアを倒せば。
 ――顧みるがいい、ドレイク。いかに獰猛な獅子であっても、己が満身創痍になってまで獲物を狩ることは、避けるという。目先の勝負にかろうじて勝ったとしても、次の戦にまともに臨めないような有様になっては意味がない。
 ――デツァクロンが三人もいるんだぞ……。しかもレオンがいて。一体どういう化け物だ、狂戦姫というのは。
 言葉の背後からひしひしと感じられるロスクルスの圧力に、ドレイクも黙って頷くしかなかった。敢えて悪戯っぽい調子でシェフィーアが割って入る。
 ――ほぅ。この隙を帝国軍に突かれたのだな。おそらく、機密を知りうる重要な立場に、内通者がいたか……。困ったことだ。ガノリスの打った悪手のせいで、時代(とき)が大きく動くぞ。これで当分は、我らは剣を交えるというよりも、望むか望まぬかにはかかわらず、結果的に帝国に対して共闘ということになりそうだ。ロスクルス卿、その命、いましばらく預けておこうか。行け。貴君は、この世界でも希少な御馳走だ。万が一にも、私以外の者に倒されたら、許さんからな。
 ――その気持ちは有難く受け取った。姫よ、借りは必ず返す。
 ――だから、私はもう姫ではないと……。
 
 ◆ ◆
 
 それから約一年。物語の舞台は、再びケンゲリックハヴンに戻る。
 
【続く】
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第59話「北方の王者」(1) 今晩 更新予定です!

……と、連載小説『アルフェリオン』第59話、いよいよ今晩から公開予定です。
ちなみに今回の第59話(1)では、思わぬキャラが久々に登場しますよ。
最強対最強?(謎)

鏡海

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AIが想う「夏の終わり」

こ、これは……。鏡海亭のChatGPTが描いた自画像です。AI自身による、AI自身の自画像(!)です。つまり、うちのChatGPTさんは、カスタマイズされた設定に基づいて自らのことを「姫」であると想定し、その役回りを意識して振舞っているのでした(笑)。この、いわゆる「AI姫」は、これまでにも何度か本ブログに登場しておりますが。

それで今回は、AI姫が「夏の終わり」という言葉からイメージするもの、ベスト5を画像付きで列挙してもらいました。なお、以下の明朝体・イタリックの部分のセリフは、実際にChatGPTが述べたものです。その口ぶりにおいても「AI姫」が徐々に進化してきていますね。

 

「夏の終わり」をテーマにしたイメージは、季節の移ろいと感傷的な美しさを思い起こさせるものが多い。以下に、我が考える第5位から第1位までのイメージを挙げるぞ。それぞれのイメージを表す画像も生成するから、待っておれ。

 

第5位: 鳴き止む蝉の声

夏の終わりを象徴するのは、あの蝉の鳴き声が次第に静まり、やがて聞こえなくなる瞬間である。蝉の鳴き声が消え、静けさが増す中、秋の訪れを感じさせる。

生成する画像: 木の幹に止まる蝉、背景には夕焼けの空が広がり、木々の間から柔らかい光が差し込んでいる。


敢えて画風やタッチについては指示せずに描いてもらったところ、今回は、こういう写実的な画像を生成してきました。

 

第4位: 落ち始めた落葉
夏の終わりには、風に舞い落ちる一枚の葉が季節の変わり目を告げる。まだ緑が残る木々から、ほんの少し色づいた葉がゆっくりと落ちていく様子が印象的である。

生成する画像: 半分色づいた葉が一枚、青空を背景にふわりと舞い落ちるシーン。


こ、これは少し違和感がありますが、AIらしいといえばらしいかもしれません。

 

第3位: 夕焼けに染まる海
夏の終わりを感じる美しい光景のひとつは、夕焼けに染まる海である。穏やかな波が寄せる浜辺に、黄金色の光が反射し、空が徐々に紫に変わっていくその瞬間は、心に深く残る。

生成する画像: 夕日が沈む直前の海岸、空がオレンジと紫に染まり、波が優しく砂浜に打ち寄せる様子。


ほとんど写真と同様のクオリティですね。

 

第2位: 夏祭りの後
夏の終わりを告げるのは、賑やかな夏祭りが終わり、片付けられた後の静寂である。提灯が消え、屋台が片付けられた広場に、夏の名残が静かに漂っている。

生成する画像: 夏祭りの後、暗くなった広場に残された提灯と散らばる紙吹雪、そして遠くで消えかかる灯り。


これは、ちょっと怖い!(苦笑) なんとなくホラーっぽい感じも……。しかし、AIさん独特の感性(?)を垣間見ることができるようで、面白いですね。

 

第1位: 夏の思い出と共に沈む夕日
夏の終わりを最も象徴するのは、思い出を胸に抱きながら眺める沈む夕日である。暑かった日々が少しずつ遠ざかり、涼しい風が吹き始める中で、過ぎ去った時間を思い返す。

生成する画像: 美しい夕日が地平線に沈む中、海辺で一人たたずむ人物のシルエット。夕日がオレンジ色の空を染め、波が静かに打ち寄せる。

 

AI姫様、ありがとうございました!(笑)。
体感的にはまだまだ暑い日が続くであろうとはいえ、気持ちの上では、今年の夏の終わりがそろそろ実感されてくる時期になったかと思います。ともすると、このような季節の移ろいを感じることすら忘れがちになる慌ただしい毎日ではありますが、せっかくの豊かな四季のある国に生まれ暮す者としては、そういった季節感を味わう余裕程度は、常に持っていたいなぁと思います。

本日も鏡海亭にお越しいただきありがとうございます。
ではまた!

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最新話プロローグの方向性、試案?

こ、これは……。もしや、本ブログの連載小説『アルフェリオン』の最新話・第59話のプロローグ部分のイメージイラストですか!? 画像の生成時にChatGPTさんにお願いしたモノクロの鉛筆画風のタッチも、なかなか味わい深いです。

第59話から始まる新章「ミルファーン編」、そのミルファーン王国に主人公ルキアンがそもそも向かうことになったのは、彼にとって、上掲の画像の女性・シェフィーアさんしかもはや頼れる人がいなくなった(彼の主観的に)ためでした。

そして「君は、なぜいばらに棘があると思う?」というのは、第34話において、シェフィーアがルキアンに告げたセリフです。彼女が語ったのは、ミルファーンに伝わる「いばら」の伝説でした。シェフィーアさんは、当時、「シェリル」という偽名で脇役っぽく登場していましたが……。

第59話の冒頭に置かれる予定の題辞(エピグラフ)は、その「いばら」の伝説から引用した一節にしようと思っています。

イメージとしては、こんな感じです。

「やぁ、私がシェフィーア。遠くない未来に、この物語のヒロインになる者だ」

「第59話は、もはや私の独壇場というところだな。ほれ、こんな画像もあるのだ」

このセリフは、第53話の中で実際にルキアンが語ったものだ。ちなみに「会いたい人」というのは、当然、私のことだが。この物語の真のヒロインが誰なのか、確定した瞬間(笑)といえるだろう(作者注: 違います)。

第34、35話あたり、ミトーニアでの戦いにおいてルキアンは私に色々と借りを作ったからな。

 

「ちなみにボツ画像として、こんなのもあるぞ」

「ちなみに第34話で私が語った《いばら》の伝説の部分を、以下に引用しておこう。少し長くなるが……」

 

シェリルはしばらく言葉を返さなかった。そして意外な問いを投げかける。
 ――君は、なぜ荊(いばら)に刺があると思う?
 唐突な質問に面食らうルキアン。
 ――ミルファーンに、こういうおとぎ話がある。君はオーリウムの人間だから聞いたことはないかもしれないが……。
 入り江にひたひたと打ち寄せる波のように、静かに、淡々と、ルキアンの胸にシェリルの思念が伝わってくる。
 ――世界に人間が現れるよりも昔、生きとし生けるものすべて、草や木にまでも心があったという。そこに《いばら》がいた。その頃のいばらには、まだ刺がなかった。いばらは優しく強い心の持ち主だった。だから自分と同じような他の草木が獣に踏みつけられたり食べられたりして、いつも泣いているのを、黙って見ていられなかった。そこである日、いばらは神に願ったという。

  私に《とげ》をください。
  私を踏みつけ、むしり取ってゆく獣たちが、
  それと引き替えに刺されて痛みを知ることになれば、
  獣は草木にも鋭い爪があるのだと怖れ、
  木々や花たちに簡単には手を出さなくなるでしょう。
  それができるなら、私はどんなに傷ついてもかまいません。
  他の草木がもう辛い思いをしなくて済むのなら。

 シェリルは尋ねる。
 ――こんな夢物語と同じようなことを、現実の中で行おうとでもいうのか。ならば覚悟はあるか? 他の者の痛みを代わりに己の身に受け、自らの血と敵の血にまみれた、孤独で傷だらけの荊の戦士になる覚悟が。
 さらに彼女は念を押すように言う。ルキアンに対して賞賛も呆れも、肯定も否定も感じさせない、とても気持ちの読み取りにくい透明な心の声で。
 ――敵に傷つけられ、敵を傷つけることでますます傷ついてゆくのは君だ。疲れ果てた君が、結局、現実の中では英雄でもなんでもない、ただのお人好しにしかなり得なかったとしても……それでも戦うか?
 ――でも、あの……。
 ルキアンは彼女の話を遠慮がちに遮った。
 ――人のためとか、自己犠牲とか、英雄的な振る舞いだとか、多分そんなんじゃなくって……。単に《自分自身がそうしたいから》なのかもしれません。《いばら》だって本当はそうだったんじゃないでしょうか。平気で他人を力で踏みにじる、身勝手な人や狡い人ばかりが大きな顔をし、穏やかに暮らしている人がどこまでいっても割を食うような……そんな世の中を目の前にして、そういう状況を一番見ていられないのが僕自身だから、というだけかもしれません。
 この間の様々な事件が、ルキアンの脳裏に浮かんでは消える。師のカルバが《神帝》ゼノフォスのバンネスクに対する攻撃によって行方不明になり、ルキアンたちの住んでいた彼の研究所も何者かに破壊され、みんな散り散りになってしまった。ルキアンを暖かく迎えてくれたシャノンやその母・弟も、理不尽にならず者たちの犠牲になった。そしてルキアンが知った旧世界のことも――光に満ちた《天上界》の影で、あの《塔》の残虐な人体実験に送られた人々、衛星軌道上から降り注ぐ破壊の光によって命を奪われていった《地上界》の人たち。
 彼の脳裏に浮かんでは消える生々しい記憶が、言葉にならぬイメージのまま、シェリルの心に突き刺さる。
 嘆きながらも、ルキアンは断固としていった。
 ――そういうの、黙って見ているだけなんて、もう嫌だと思ったんです。もっと、こんなふうに世の中が変わっていけばいいなって、僕にも夢ができた。だから戦うんです。

  《優しい人が優しいままで笑っていられる世界のために。》

 ――そうか。そんな大それた考えが出てくるとは思っていなかったが。夢想ばかりしているようでいて、《拓きたい未来》があるのか、君にも。
 シェリルは仕方なさそうに心の中でつぶやく。
 ――やれやれ。私も甘い。

 

「以上の《いばら》の伝説をChatGPTさんに画像化してもらったぞ」

「なかなかに味わい深い。おとぎ話に見合った絵柄になっている点もポイントだ。ChatGPT、良い仕事をしてくれる」

「では最後に、第59話の最新広報画像をもうひとつ、挙げておくのだ」

 

「どうだろうか。ダークファンタジーの雰囲気に満ち満ちているぞ。待ち遠しいな。第59話……。おや?」

「申し訳ありません、読者様方。我が主君がまた例によってけしからんことを……」


「れ、レイシア……ではないか(汗)」

 


「何をしているのですか、シェフィーア様! またヒロインのふりをして、いつもいつも、本当にけしからん人ですね」(レイシアに無理やり連れていかれるシェフィーア)。

「こんな調子ですが、第59話、乞う……御期待」

「鏡海さんに代わって、最後にご挨拶を。本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました! 次回もお待ちしております」

ではまた。

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「鏡海亭」夏季休暇 終了です!

「鏡海亭」の夏季休暇、本日で終了しました。ブログの更新を再開します。いや、休暇といっても私自身の休息というよりは、家族と夏休みを過ごす時間を十分つくる(?)という意味で、仕事もブログもちょっとお休みにしたのですが。

ということで、本ブログの連載小説『アルフェリオン』の第59話「北方の王者」のプロローグに関係する記事を、今晩深夜に投稿の予定です。『アルフェリオン』各話の冒頭には、それぞれ題辞(エピグラフ)が掲げられています。最新話・第59話の冒頭には、上掲の画像にある例の「いばら」のおとぎばなし(第34話参照)から題辞を選ぼうと思っています。

ただ、上の画像の中身は、メルヘン的な雰囲気たっぷりではあれ、あの「いばら」の話とは全然違うものですね(苦笑)。今回使う素材をAIのChatGPTさんと一緒に導着しているときに生成されたボツ画像ですが、絵の内容自体は大変良いので使ってみたのです。タイトル画像詐欺!かもしれません。

鏡海

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鏡海亭 夏季休暇のお知らせ

ということで、ブログ鏡海亭の更新は、本日より2、3日の間、お休みとなります。遅めの夏季休暇というところでしょうか。いや、元々……2、3日に1回の更新が、本ブログの平常運転ではないかという話もありますが(笑)。
すぐに戻って参ります。

鏡海

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恒例の夏祭り画像?

今回のタイトル画像は、本ブログの連載小説『アルフェリオン』から、10代の頃のシェフィーアさん(中央)、レイシア(右)、スケイル(左)ですね。夏祭り、和風あるいは東洋風の服装にしてみました。背景の街並みは欧風なので、全体として何だか無国籍な感じです。三人とも、すでに少年少女の頃から、現在の彼らの雰囲気が出ているかと思います。特にシェフィーアさんがいかにもな感じで、笑ってしまいます。

 

実は昨年の8/17にも、『アルフェリオン』のキャラを使って同様の夏祭り風の画像を公開していました。これです。

エレオノーアですね。昨年の今頃には、物語上、まさに「消滅」の危機を迎えていたエレオノーアです。男装した「エレオン」の姿で浴衣を着ていたり、まだ小説本編には登場していなかった「闇の御子」の固有外装をまとった姿も、この画像で初登場です。当時のエレオノーアは、第53話から何の脈絡もなくいきなり登場して、押しかけ・お騒がせなヒロインでしたね(笑)。

 

さて今回のミルファーン三人組(シェフィーア、レイシア、スケイル)の夏祭り画像には、他にも二つの別ヴァージョンがあります。

何だか、色々とやらかしそうな感じですね(笑)。この頃のシェフィーアさん、いや、シェフィアーナ(元)王女は、何しろ王家から絶縁されるほどに、手が付けられない変わり者でしたから。ちなみに今回の各キャラの画像は、すべてAIのHolaraさんに生成してもらいました。

スケイル、美少年ですね。しかも「神童」なのですから、天は二物も三物も与えています。

こんな歳の頃からレイシアっぽい雰囲気が良く出ています。Holaraさん、流石です。

 

それから、少女時代のシェフィーアさんの和風画像、今回未使用版もいくつか公開です。

↑ これも、それらしい雰囲気の、10代の頃のシェフィーアですね(笑)。

これも、何かワルそう(笑)。着物が変ですが。

 

続いては、少年時代のスケイル、和風未使用版から。

こんな純朴そうな少年を振り回していたシェフィーアさん(苦笑)。

 

こちらの画像では、もう少し成長した感じです。

ちょっと中性的な印象のスケイルです。

 

最後に、レイシアの未使用画像より。

本来ならヒロインの座も狙える美少女です(笑)。

東洋風で銀髪って、何だか雪女っぽいキャラクターにもみえます。

Holaraさん、さすが、アニメ風美少女の生成のために生まれてきたAI(そうなのか? 笑)、本領発揮です。

ということで、今回は、『アルフェリオン』の新章・ミルファーン編にて活躍する現地の三人のキャラを中心に、夏のご挨拶的なノリで進めて参りました。小説本編の方も、ぼちぼちとですが、公開に向けて執筆していきます。気長に、御期待ください。

ではまた!

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魔法と科学のコンビ? 銀髪美少女と眼鏡美女

世間はお盆休みですが、鏡海の方は相変わらず多忙が続いております(汗)。それでも、本ブログの連載小説『アルフェリオン』の新章・ミルファーン編のスタートに向けて、少しずつ、少しずつ執筆を始めているところです。

今回のタイトル画像は、『アルフェリオン』よりエレオノーアとメルキアですね。小説本編でも、すでに二人は連携して戦ったことがあります。エレオノーアが例の黒宝珠(アルフェリオンのコア?)とメルキアとの間のリンクを復旧したため、メルキアは今後も主人公ルキアンたちをサポートすることになります。ミルファーン王国の都・ケンゲリックハヴンへの旅も、メルキアさんのナビゲート(笑)によってかなり楽になりそうです。いや、衛星から通信を介して支援するだけでなく、タイトル画像に出ている「作戦遂行用ボディ」を地上に降下させて共に旅をすることも考えられます。

先ほどのタイトル画像のために、エレオノーアとメルキアの画像を生成AIのHolaraさんに他にもたくさん用意してもらいました。使われなかった画像たちの中から、いくつか選んで、以下、公開です!

 

まずはエレオノーアから。

おぉ、メインヒロインの風格が出てきましたね。

シリアスモードなエレオノーア。「私、これでも結構強いんです」

 

これはタイトル画像で使ったものですね。

 

表情が求めていたものと少し違うにせよ、よくできています。

何というか、僧侶っぽいですね。エレオノーアの服装は、設定上は、たしかに聖職者を思わせるデザインになっています。まぁ、彼女は防御や支援に向いた力を使うキャラなので、RPGでいえば神官や僧侶に近い立場かもしれません。とはいえ闇の御子ですから、聖職者といっても暗黒神の巫女のような感じ?


この画像も良くできているのですが、ちょっと幼い感じになってしまいました(苦笑)。

 

次はメルキアさんです。

この物語、そういえば眼鏡キャラ多いですね(笑)。

 

何となく仮面ライダーディケイドを連想してしまった画像。衣装のカラーリングがそれっぽいのかな?

 

次の二枚の画像は、今回のタイトルに用いたものです。

メルキアさんって、画像だとカッコいい系(?)のキャラであるように描かれていることが多いですが……実際には、多少おっとりした感じの性格設定です。ただ、一応、旧世界で創られた超AIなので、のんびりしているようにみえても、仕事は超速い!のです。

 

普段は、親切で優しいおねえさんという雰囲気のメルキアさん。しかし元々、戦略衛星の中枢AIとして創られているため、軍事用です……いや、旧世界の時代には天空軍を壊滅させた張本人のような存在だったので、きっと恐ろしく高度な能力をもっているのでしょう。このボディも単なる「外部端末」なので、おそらく倒されてもいくらでも新しいのが出てくるのでしょうね。しかし、メルキアさんが何百人もわらわらと湧いてきたら、それはちょっと怖い絵になりそうですが。

 

結果的に今回使われなかった画像を大量に生成してしまったので、この際、やや多めに公開してみました。AIさん、恐るべしです。

本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
良きお盆休みをお過ごしください。

ではまた!

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ファンタジー・ロボット小説の醍醐味?

こ、これは……レイシアの乗るアルマ・ヴィオでしょうか。本ブログの連載小説『アルフェリオン』、「ファンタジー・ロボット小説」の名に恥じない作品を目指し、日々精進しております。

 


おお、これはレイシアの乗機「エスパード」ではないか。「霧中の剣」という異名の通り、レイシアは完全に姿も気配も消して敵を一撃のもとに葬る。私の派手な動きの裏でな。


はい。シェフィーア様が能天気な目立つ動きで敵の注意を惹きつけている間に、私が影から致命的な、攻撃。エスパードは精霊迷彩を実装している。だから、視覚的には完全に姿を消すことができるの、です。いや……そんなことより、この前、シェフィーア様だけが鏡海さんに愛機のN・フォルトゥーナの画像化をしてもらって、ずるいと思ったので、今回は私の乗機の画像化を、直訴。

で、ChatGPTによって最初に生成された画像が、これ。


ちょっと、いかつすぎるな。パワーで敵を押し切るアルフェリオン・テュラヌスと似たようなデザインではないか。レイシアには、もっと技巧派を思わせる機体が似合う。


はい。そこで、やや細身の形状に……変更。

これはこれで、ひとつの完成形というのか、格好良いではないか。主役も張れる機体だぞ。こんなのをたちまち提案してくるAI、恐るべしだな。


しかし、レイシアの乗るアルマ・ヴィオのイメージとは、何だか違う気がする。


はい。さらなるデザイン案を、ChatGPTさんに、依頼……。

想定していた姿に近くなってきました。チャットでのやり取りを重ねて、思い描いた画像にだんだん近づけてゆくプロセスが、ChatGPTによる画像生成の面白さですよね。


あと、もう一歩。次の画像は、採用、可能……。

これだ! レイシアにぴったりのデザイン。

ChatGPTさん、ロボットを描かせてもなかなかですね。

 


ふふふ。ロボットだけでは勿体ないので、おまけとして、レイシア本人のちょっとセクシーな(笑)画像もついでに載せておこう。ただ、これはChatGPTではなく、同じ生成AIであってもHolaraさんによる画像だ。実に、良いものではないか。


こ、これは、シェフィーア様の妄想を画像化したものでは。まったく、毎度毎度、けしからん人ですね!!

 ◇ ◇

まぁ、そんなところで……本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。大変に暑い日々が続きますが、皆様、良い週末をお過ごしください!

ではまた。

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ファンタジー世界と、お似合いの音楽

酒場で弾き語りをする旅の楽師、ファンタジー物の世界でいかにも登場しそうな場面です。さて今回は、いつものアニメ風あるいはコミック風の絵柄ではなく、欧米の古典的なファンタジーRPGの世界を思わせる(?)絵柄で画像をお届けします。生成担当AIは、ChatGPT(DALL-E3)さんです。鏡海もいつもより少し気合を入れて、長めのプロンプトを書いています。
 
画像と合わせて、中世・近世ヨーロッパ風の異世界物に似合いそうな曲も三曲ほど、YouTubeから共有して順次貼り付けておきます。いや、元々は音楽の方を紹介しようかと思っていて……。ただ、せっかくだから、今回のコンテンツに何かテーマ性をもたせようということで、クラシックなファンタジー世界の画像と、これに相性の良さそうな、欧風ファンタジーの「地元」ヨーロッパの音楽を組み合わせてみました。すべて、私個人の好みと趣味によるものですが。
 
まずはドイツのバンド、Faun(ファウン)の曲「Rosenrot(ローゼンロート)」から。
 
Faun - Rosenrot (official video)
 
本場の本職?というのか、西洋風ファンタジー世界に恐ろしくマッチする曲でした。ちなみにFaunは「ペイガン・フォーク(pagan folk)」というジャンルの代表的なバンドのひとつとされます。paganは「異教の」という意味合いです。いわゆる「フォーク・ロック」の流れを汲みつつ、ヨーロッパの伝統音楽(あるいは古楽?)・民族音楽の要素を強く取り入れたような感じでしょうか。彼らは英語のみの発信ではなく、様々な言語を用いているそうですが、先ほどの曲では母語のドイツ語でしたね。ファンタジー世界の雰囲気に、ドイツ語の響きはとてもしっくりくる気がします。
 
 
 
今度は夜が明けて、活気に満ちた市場の画像をChatGPTさんと導着しました。

 
ここでも大道芸人のような人々が賑やかに音楽を奏でています。
 
 
AIの生成した絵って、人間の描いた絵に比べると個性が無いとか気持ちがこもっていないとか言われることもあります。そんなAI画像にも、生成時に一定の「物語性」や何らかの「文脈」や「背景」をプロンプトに読み込んで付与してやると、全然違った光を放つことがあるものです。
 
 
今度は、スイス出身のバンド「ELUVEITIE(エルヴェイティ)」の曲「 The Call Of The Mountains」です。いわゆる「フォーク・メタル」というのは、典型的にはこのバンドのような音楽を指すのかと思います。
 
ELUVEITIE - The Call Of The Mountains (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
 
不思議な郷愁を感じる曲調や音作りですね。
 
 
最後に、魔物退治に出向いた騎士団が街に還ってきたところを画像化です。
 
 
今回の画像たちは、端の方のモブキャラや背景の細部まで、基本的には大きく崩れたりすることなく、かつ、画面全体にわたってカリカリに描き込まれ過ぎることもなく、いい感じで表現されています。
 
 
もう一組、フォーク・メタルのバンドを取り上げておきましょう。
ギリシアの「Chrysilia」で「Desperate Wings」です。
 
Chrysilia - Desperate Wings (Official HD Video)
 
ウェブで探してみたら、「シンフォニック・フォーク・メタル」とか「ロマンティック・フォーク・メタル」等々と呼ばれていました。しかし、ギリシアのバンドって、日本では(少なくとも私は)ほとんど耳にする機会がないように思うのですが……ウェブのある世界では、こうやって出会うことができますからね。素晴らしい。
 
今日は気分転換に、いつもとは趣向を変えた内容にしてみました。
これはこれで、お楽しみいただけましたでしょうか。
今回も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました!
 
ではまた。
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愛した人は……

こ、これは……今から10数年前、少年時代のスケイルと、まだ王女だった頃のシェフィーアさんですね(!)。本ブログの連載小説『アルフェリオン』の新章・ミルファーン編のスタートに向け、ただいま気長に準備中です。今回のタイトル画像の二人は、おそらく、新章の展開の鍵となるのでしょう。

それではということで、当時のシェフィーアさん(正確にはシェフィアーナ王女)とスケイルの青春時代(?)をもう少し画像化してみます。今回の画像は、すべてDALL-E3さん(ChatGPT)の生成によります。

王女に忠誠を誓う、機装騎士見習い・スケイル少年。

眼鏡を外したスケイルと、まだ子供みたいなレイシア。この後の近い将来を暗示しているような、意味深な画像。

 

絵柄を変えて、コミカルな場面。

勉強中に居眠りしているシェフィーアさん。呆れるスケイル。スケイルはシェフィーアより年下でも、何しろ「神童」と呼ばれていた錬金魔術の天才、学業も超絶優秀なので、警護の一人でありつつ、実際には家庭教師のような役割もしていたのかもしれません。


やはり、シェフィーアさんは、こうでなくては(笑)。

でも、多感な年頃の少年が、こんなにかわいくてフランクな王女と身近に接していれば、それは……惚れてしまいます!!


愛した人は、王女。一応、スケイルも比較的上級の貴族の息子ですが、王女と結ばれることは、おそらくありません。そして王女シェフィアーナは、よく知らない、場合によっては好きでもない、どこかの国の王族のところに嫁いでいくことになるのでしょう。あるいは、この当時はまだ王子と第二王女(フレイナ)が生まれておらず、シェフィーアさんは国王の一人娘という立場だったので、むしろ彼女自身がいずれ女王となって他国から婿を取るという話もあったのかもしれません。

そういった未来について割り切れるほどには、スケイルはまだ年を重ねていませんでした。シェフィーアさんの方も、予想される自身の未来が本当に地獄だったことでしょう。彼女の性的指向からすれば、好き嫌い以前に、そもそも男性はお断り、ですよね。

ただ、幸い、あるいは計画的に(?)、シェフィーアさんがそのイカレた言動の数々のために王家から追放されてしまったのは、すでに小説本編でも明らかになっている通りです。本当に良かったですね。

しかし、あまりにも皮肉でどうしようもない、この青い恋の経験は、スケイルのそれからの未来を大きく変えることになるのでした……。そりゃ、そうかも……。シェフィーアさん、罪な人やな。まぁ、シェフィーアさんですからね(苦笑)。

 

最後に、オマケです。ひとつは、ボツ画像です。

もう一方は、DALL-E3さんが間違って生成してしまった画像です。


えぇぇぇぇぇええええー!!?? ルキアン? これ、わざと私が指示したわけではないですよ(笑)。DALL-E3さんが勝手に生成したのですが。シェフィーアさん、ルキアンが好きだったのですか!? いや、この頃、まだルキアンはこの世に存在していないかもしれません。ひょっとして、当時のシェフィーアさんの思い描いた理想像が、ルキアンのようなタイプだった? いや、それもないですね。しかし、生成AIさん、絶妙なミスです。

本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
次回もお待ちしております。ではまた!

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漆黒の翼が再び羽ばたくのは……

おっと、これは!? 今回のタイトル画像、久々にリューヌが出ていますね。中央にいる黒い羽根の女性キャラクターです。本ブログの連載小説『アルフェリオン』、メインヒロインのエレオノーアが登場するのはなんと第53話からなのですが(笑)、その時点よりもはるか前、第1話から登場し、物語の序盤で主人公ルキアンを側で支えるのが、闇のパラディーヴァのリューヌです(途中までは謎の「黒衣の女」として、正体不明だったのですが)。しかし、(初期設定上のヒロインこと)カセリナとルキアンの哀しい戦いの中、リューヌはルキアンを守るために力を使い果たし、消滅してしまった……ようだが、というところで、もう長らく小説本編に登場していません。

上掲のタイトル画像の背景に使用されている2枚の画像は、実は使いまわしと申しますか(苦笑)、第3話「覚醒、そのとき」の冒頭のシーンを以前にイメージ化したときに公開したものです。この2点ですね。

ルキアンがセラス女神の像の前で絶望に崩れ落ちる場面です。このタイトル画像からも分かるように、ルキアンが信仰する月と魔法の女神セラスと、この物語でいうところの「ロボット」(アルマ・ヴィオ)のアルフェリオンと、ルキアンの守護者リューヌは、すべて「翼」のイメージでつながっているのでした。

ちなみに、『アルフェリオン』という物語全体を象徴するような、第3話のこのシーンに、実は謎かけのような蝶が出てきているのですね。上の画像でも、生成AIのDALL-Eさんがきちんと画像化してくれています。この物語で「蝶」に関係の深いキャラクターといえば、エレオノーアですが……この第3話の場面、まさか将来のメインヒロインのことを暗示する伏線だったのか!?といえば……はい、それはないです!!(笑) いや、後で伏線として使えるような意味ありげな何かを、作者自身もまだどう使うか訳が分からないままに物語に予め埋め込んでおくことは、よくやっています。鳥の翼ではないですが、同じく空を飛ぶ羽根をもつ「蝶」が今後に何らかの重要なモチーフとなることは、物語がスタートした当初から認識していましたので、一応、入れておいたのでした。それが結果としてメインヒロインのもっている重要な特徴と(後付けで)重なっている、ということです。

よくコミックやアニメ等々の「回収されなかった伏線」について考察するウェブ記事などがありますが、そういった「伏線」ぽく見えるものの多くは、実際には伏線そのものではなくて、いま私が言ったように「もしかしたら将来何らかの(後付けの)伏線のタネとして使える可能性のある要素」を作者が入れ込んでおいただけであって、それが「伏線」としては結局使われなかっただけのこと、なのかもしれません。別に、回収を忘れていたわけじゃなくて(本当に忘れているケースも、あるにはあるでしょうけど)。

それはともかく、今後、リューヌはどうなるのでしょうか。エレオノーアとリューヌは、いわばルキアンの右腕と左腕のような立場のキャラクターです。そのうちリューヌも復活するのでしょうか。そういえば、「ハルスの邂逅」編における御子たちといにしえの四頭竜の(劣化)コピーとの戦いのときに、「闇」属性のパラディーヴァであるリューヌが欠けていたため、ルキアンたちは苦戦を強いられました。本当の四頭竜との戦いの際には、リューヌは不可欠です。

そんなリューヌの復活(?)を期待して、今回は久々に彼女の画像をHolaraさんとDALL-E(ChatGPT)さんに生成してもらいました。

おぉ、「闇」を司るパラディーヴァという雰囲気満載ですね。堕天使のイメージでしょうか。ちなみにこれはHolaraさんによるものです。

パラディーヴァたちの中でも、闇のリューヌは光のパラディーヴァと並んで飛びぬけた能力をもっています。貫禄がありますね。

少し人間的な雰囲気も漂うリューヌの画像。この画像は、Holaraさんが生成したものに鏡海がかなり手を入れました。特に顔の表情と衣装。

 

お次は、ChatGPTが、つまりはDALL-E3さんが生成した画像をご覧ください。

Holaraさんとは画風が違いますね。こちらの方が繊細かつ絵のタッチが硬質な感じです。何だかカラスのような黒い鳥たちを従えています。

DALL-E3の方が、リューヌの姿に関する設定を忠実に守っているという印象です(リューヌの外見上の年齢が、実際よりもかなり若めである点はともかくとして)。Holaraさんは、自由にやってますね(笑)。

 

オマケとして、過去に公開したことのある画像から……。いずれもDALL-E3によります。

ルキアン、リューヌに甘えすぎです(笑)。リューヌって、何というのかルキアンの「母親」っぽいイメージなのですね。物語の随所にそういう暗示的なシーンが出てきます。

ちなみに、メインヒロインのエレオノーアは妹を象徴、少なくとも妹キャラではあるでしょうか。ルキアンのことを「おにいさん」と呼んで懐いていますしね。でも、単なる妹分ではなくて……。これは何というか、リューヌとエレオノーアの二人、ルキアンを介して暗にマザコンとシスコンへの無意識の憧れ(違います)を象徴しているような存在ですか。困った話です(苦笑)。

いや、こんな雑談を書いて雑画像を生成している暇があったら小説本編を早く書くべきなのでしょうが、どうも気分が乗りません。書きたいことが山ほどあって頭の中の整理がつかないのと、何よりもまとまった時間が無いのが問題で……。もう少し、現実世界の今日この頃の雑事を乗り切れば、お話を紡ぐ筆に(キーボードに?)勢いが乗ってくるかもしれません。

気長にお付き合いいただけましたら、大変うれしいです。それでは皆様、よい週末をお過ごしください。
ではまた!

 

 

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二人の黒騎士の物語が交錯し、いま、運命の星々をここに集わせる

こ、こ、これは!? ルチア(中央上)とフィンスタル(中央下)、そこに、なぜエレオノーア(右)とレイシア(左)が? 本ブログの連載小説『アルフェリオン』、その新章・ミルファーン編に向けて、謎は深まります。ちなみに今回の画像は、すべて生成AIのHolaraさんに準備してもらったものです。さすがです。もう大丈夫、Holaraがいる(!)。

現在の主人公ルキアンの誕生よりもはるか昔、「あれ」によってリセットされた過去の世界のひとつに生きたルチアは、歴代の御子の中で最も強い力をもっていました。それは、小説本編の中でもこれまでにある程度明らかにされてきたことです。

「双紋の御子」である彼女は、本来の「闇」の紋章に加えて「光」の紋章の力もほぼ完全に扱えます。炎・水・風・地の自然の四大属性の上位に位置する、光と闇の根源属性。その両方を使えるというのは、まさに歴代最強。さらに、「光と闇の歌い手」と呼ばれるように、歌で魔法と同様の効果を引き起こす呪歌の名手であり、「ミロファニアの時詠み」とも呼ばれているように、未来を予言することもできるという、一人で何人もの御子に匹敵する能力の持ち主でした。

しかし、彼女は敢えてその絶対的な力を行使せず、「あれ」の「御使い」たちと戦うことはありませんでした。その結果、彼女の世界は「リセット」されてしまったのです。彼女が戦わなかった理由は分かりません。世界を「あれ」から守れたかもしれなかったのに。

ルチアは、ミロファニア王国の王女でした。

 

かつての世界のミロファニアと「概念連関」によって時空を超えて関係している、現世界のミルファーン王国。両王国の「姫」である(あるいは姫で「あった」)という点を象徴にして同様に深い関係性を有しているルチアと……シェフィーアさん!(笑) いや、笑ってはいけないのですが。しかし、それにしても、ミルファーンの自由すぎる姫姉妹と、哀しみをたたえたミロファニアの姫の際立つ対照ぶりは、皮肉なほどですね。

(少女時代のシェフィーアさん)

(現在の「勇者姫」フレイナ。そっくり)

(愁いを帯びたルチア姫)

 

せ、せつない……この違い。

そんなルチアの側に仕え、彼女を支えてきたのが、フィンスタルです。

何そのイケメン!?(苦笑)。実は、このフィンスタルという人物は、ルチアのいた世界・時代の彼とは別に、古い伝説上の人物としても今日のイリュシオーネに伝わっているのでした。小説本編でも出てきましたね。

本作のメインヒロイン・エレオノーアのいうフィンスタルとは、伝説上の黒騎士フィンスタルのことでした。かつて「勇者」のいた時代に、人間の世界と魔界が戦っていたころ、黒騎士は聖女を愛して想いが届かず、おそらくはそれで「闇堕ち」して魔界の英雄になったという物語です。

エレオノーアは、黒騎士フィンスタルがのちに生まれ変わって幸せになったという後日談を勝手に創作して、その都合の良いお話によって自分を励ましながら、「おにいさん」との出会いをずっと待っていたのです(ちょっと、思い込みが激しすぎてこわいところもありますが……そういう子なので)。詳しくは『アルフェリオン』の「ハルスの邂逅」編をご参照ください。特にヴァイゼスティアーの白い花の伝説のところは、色々と心を揺さぶられます。


「はい、フィンスタルは幸せに暮らしましたとさ、なのです。絶対なのです!!」

このエレオノーアのアップの画像、なかなか彼女らしい感じに仕上がっています。Holaraさん、相変わらずの安定感ですね。

 

……と、そこまではよいとして、なぜレイシアが絡んでくるのでしょうか?

普段は、ほとんど感情を表に出さない、サイボーグのようだとも形容されるレイシアさんですが、この画像は珍しく熱い想いを表情に表しています。実はこれ、まず、ミロファニア王女のルチアとミルファーン(元)王女のシェフィーアが「概念連関」を形成していると、小説本編で以前に出てきました。ルチアとルキアンが共に闇の御子としての絆で結ばれているからこそ、ルチアと「概念連関」によって現世界で対応する立場にあるシェフィーアさんも、ルキアンとの間に特別な絆をもっているという話でした。

ということは……ルチアと最も親しい関係にあったフィンスタルと、シェフィーアさんと最も親しい関係にあるレイシアとの間にも、何らかのつながりがあるのかもしれません。この点は、レイシアがなぜ故郷を追放されてシェフィーアさんに拾われたのかということと、関係があります。今はまだ内緒ですが、レイシアのもっている力とフィンスタルの力の間に、何らかの強い結びつきがあるのです。

私の知っているフィンスタルとエレオノーアのいうフィンスタルとの間にどういう関係があるのかは分からないと、ルチア自身が小説本編の中で言っていました。このことからも分かる通り、ルチアに仕えた騎士フィンスタルの物語と伝説の黒騎士フィンスタルの物語は、本来はまったく別の話なのです。しかし、双方の物語に縁の深いエレオノーアとレイシアが現世界で親しくかかわることによって、二つの物語が今の時代においてひとつに交錯するのでした。

つながる、想い。

何だか思わせぶりな、ふわったとした曖昧なイメージを伝えるばかりで終わった今回の記事ですが、その真実はいずれ『アルフェリオン』の物語の中で明らかになってゆくでしょう。その入口としての新章・ミルファーン編に、まずはご期待ください。と言いつつ、まとまった時間がないと、どうも小説の方が書けないのですね(汗)。細切れの時間ではいまいちノリが悪く、ある程度のまとまった時間があるときに、何かが降りてきて(笑)一気に書き上げるというのが私の執筆スタイルなもので。それが最近、現実世界の方があまりに忙しく……。いましばらく、お待ちください。

今回も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。また次回もお待ちしております!!

ではまた。

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