鏡海亭 Kagami-Tei  ネット小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

・画像生成AIのHolara、DALL-E3と合作しています。

・第58話「千古の商都とレマリアの道」(その5・完)更新! 2024/06/24

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第58)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

【解説】 パラディーヴァについて

連載小説『アルフェリオン』、昨日から第27話「風のゼフィロス(第一部)」に入りました。ちょうど2クール終了して3クール目(?)ということで、26話までの部分とはまた雰囲気が変わるはずです。アニメやドラマではないですが、実はクールごとの区切りを結構意識して書いているのでした。

それから、すでにお気づきの方もおられるかと思いますが、『アルフェリオン』の22話~26話前後の部分は、本家サイトの方で2001年9月11日の連続テロ事件の直後、同年の秋・冬に公開されたものです。当時、あの事件にいかに衝撃を受け、作品の中にも随所に影響・反応が見られるか…。そう考えて読んでいただく、あるいは読み返していただくと、色々と違った読み方ができるかもしれません。

 ◇

それはさておき、今回は「パラディーヴァ」について特集したいと思います。
第24話に初めて登場した、正体不明の存在・パラディーヴァ。第1話から「謎の声」として登場し、やがて「黒衣の女」の幻として姿をちらつかせ、次第にルキアンに呼びかける回数も増えていきました。そして24話で恐るべき姿を現わにしたのが、リューヌです。すなわち「闇」のパラディーヴァ。

他に「風」のテュフォンをはじめ、火・水・土等々のパラディーヴァもいると予想されますが、主人公がよりによって「闇」のパラディーヴァのマスターだなんて、ひどい話です(^^;)。普通だったら「光」か「火」あたりのマスターでしょうね。

パラディーヴァというのは作者の造語です。「パラ(para-)」は、なじみ深い例を挙げれば、パラサイト(parasite)のパラです。パラディーヴァのパラは、まさにパラサイトのパラと同じ意味。para- はヨーロッパの言語によく出てくる接頭語で、元々は「傍らの」といった意味からきたそうですが、この文脈では「寄生」的な意味合いをもっていると思います。ディーヴァは、よく使われる「歌姫」という意味ではありません(歌ってどうする)。歌姫のディーヴァの語源になった、ラテン語の「女神」という意味での diva です。実際には女神ではないので、女神のような高次の霊的存在という意味で理解してください。

それゆえパラディーヴァというのは、何かに取り憑く(寄生する)高次の霊的存在ということになります。何に取り憑くのかというと、アルマ・ヴィオにです。ただ、アルマ・ヴィオはエクターと一体化しているので、正確に言えば、アルマ・ヴィオとエクターとパラディーヴァがひとつに融合するということです。

ディーヴァは本来は女神なのですから、「男性のパラディーヴァ」というのは厳密には矛盾した表現です。しかし実際にはテュフォンのように男性の姿をしたパラディーヴァも出てきます(汗)。おそらく旧世界の時代に、最初は人間の女性の姿をもつ存在として創られたのでしょう。「パラディーヴァ」という言葉が定着してしまった後、男性の姿や人間以外の姿をもつパラディーヴァも創られるようになったのだと思います。「男性のパラディーヴァ」は本来は男性形で「パラディーヴス
(paradivus)」とでも呼ぶべきでしょうが、そんなところに変に凝ってもくどいだけだと思うので、ご勘弁を(^^;)。

 ◇

以下、パラディーヴァの役割に関する説明です。あくまでファンタジーとしての似非オカルト科学(爆)的な設定ですから、ご注意ください…。

アルマ・ヴィオが発揮できる力の上限というのは、機体の性能そのものの限界ではなく、乗っているエクターのパンタシアの力がどこまで出せるかによって決まります。細かいことを言いますと、アルマ・ヴィオは、パンタシアそのものの力で動いているわけではありません(よくある誤解1)。人の心の力で動く巨大兵器って、SFファンタジーではありがちだと思いますが…。アルマ・ヴィオは、自然界にただよう霊的な力(あるいは魔力)を集めてエネルギーにしています。ただ、そのままでは、機体は魔力を自分の力に変えることができません。アルマ・ヴィオが魔力から物理的なエネルギーを引き出すため、そこで必要となる変換・触媒の力が、エクターのもつパンタシアなのでした。そういう意味では、エクターは単なる操縦者ではなく、一種の生体パーツの役目も兼ねています。

一人の人間の心の力には、通常はすぐに限界がきてしまいます。そのため旧世界の時代、アルマ・ヴィオの性能の向上は、いったん頭打ちになりました。人間の力では本来動かせないような強力なアルマ・ヴィオを実用化するためには、どうすればよいのか?――旧世界の魔法科学者たちがそこで生み出したのが、パラディーヴァだったのです。パラディーヴァは、エクターのパンタシアの発動を飛躍的に底上げする役目をします(機体の性能自体をアップさせるのではありません←よくある誤解2)。そうすることで、一人の繰士のもつパンタシアだけでは動かせないような、強大な力のアルマ・ヴィオも扱うことができるようになるわけでした。アルフェリオンも、基本的にはパラディーヴァを使って運用することを前提に開発されています。

 ◇

(以下の箇所には、物語の今後の展開に対するネタバレ有りです。ご注意を)

ちなみにパンタシアの力の本質が何なのかについては、第35話(サブタイトルがまさに「パンタシア」)にて明らかにされます。物語の序盤の方でも、イリュシオーネの伝説と絡めつつ、人間の夢の力のようなものだとシャリオが説明していました。たしかに夢、想像の力ではあるのですが……。魔力をアルマ・ヴィオの動力という物理的な力(現実界での力)に変換するために、人間の想像によってカタチを与えるというわけですね。

ルキアンが空想や妄想の好きな暗い主人公だという設定は(汗)、ここで生きてきます。冗談のようで真面目な話なのですが、「なぜルキアンがそんなにも強いパンタシアの力を持っているのか」を考えるためには、「どうしてルキアンが妄想好きの暗い性格になってしまったのか」を考える必要があります。第35話、シェフィーアさんがその点をルキアンに自覚させたのでした。ただ単に、ネタとか流行で、暗い少年を主人公にしているわけではありません(もちろん、強いエクターがみんな暗い性格なわけでもありません ^^;)。

不遇の幼少時代や現在(クレドールに乗るまでの時期)を経て、すっかり陰気な電波少年になってしまったルキアン……しかし言ってみれば、その性格や境遇が彼のエクターとしての才能の開花をもたらしたため、ここにきて一転してプラスに評価されたのでした。

 この世でただひとつ、君の帰れる場所であった空想の世界。
 現実と夢想の狭間で、君の涙は無駄に流れ続けてきたのか?

 拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、
 ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

↑というシェフィーアのセリフは、要するにルキアンにとって、「空想や妄想のどこが悪いんだ!(笑)。いいじゃないか、君は君だろ、私が認める!」と全肯定されたように聞こえたわけです。

それでルキアンが超覚醒し、アルフェリオンのゼフィロス・モードが全開。もはや勝利寸前だった敵の某氏は想定外の逆転をくらい、名有りキャラとしてはこの物語で初めての犠牲者に。しかもこの場面では、シェフィーアさんは通りすがりの敵キャラ(のふりをして潜入していた人)だったという超展開…。

いやはや、濃い濃い物語ですな。

以上
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プロモーション動画、BGMを大幅改良!

連載小説『アルフェリオン』のプロモーション動画、BGMの音色(楽器の種類)を大幅に変更しました。

mid 形式から wav 形式に曲データを変換するときに、たまに予想もしなかったような音色に変わってしまうことがあるのでした(汗)。そのへんの勘所が難しいです。ソフトの細かい仕組みは分かりませんが、「変換」というよりも、正確には自動で wav データが新たに作られているという方がよいのかもしれません。

かなり良くなったと思います(^^;)。
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プロモーション動画を微調整

昨日アップした『アルフェリオン』のプロモーション動画に、若干の調整を加えました。

・BGMのいくつかの音符の長さが、感触的にイマイチ気持ち悪かったため(笑)、少し長さを調節しました。
・BGMの各パート間の音量のバランスも変更。ムービー製作過程で音楽のデータ形式を変換する際、音質もかなり変わってしまうことを考慮に入れました。
・BGMのループのつなぎ合わせの部分を訂正。
・BGMと映像のシンクロの仕方も、前回と少し違っています。

日々、少しずつ改良していきます(^^)。

とりあえず以上です。
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【緊急特集】プロモーション動画完成!

連載小説『アルフェリオン』のプロモーション動画ができました! 主題歌(仮)の「銀の荊」をBGMに、名セリフ集が流れます。歌詞の字幕を付けられなかったのが残念。とにかく一度、ご覧くださいませ。

 Alphelion 名セリフ集+主題歌 動画はこちら (wmv形式 約3MB)

最新話(第39話終了時点)までを素材にした内容なので、重大なネタバレも含むかもしれません。とはいえ、具体的な説明はなく単にセリフが出てくるだけですから、かえって今後の展開を色々と想像できる余地もあります。個人的には、そういう思わせぶりな抽象的ネタバレは好きです(おい)。


---- 以下、作者コメント兼与太話です ----

動画のイメージをひとことで表せば、むやみに暗いが、それ以上に熱い!というところでしょうか。沈鬱で、はかなく、切なく、ときに激しく熱い――という何だかビジュアル系バンドの歌にありそうな雰囲気(笑)は、小説の本編ともそれなりに合っています。

主題歌は、何このアニソン?という、いかにもアニメOPっぽい曲調になってしまいました。ベタですが、直球勝負なメロディーが少し格好いいかもしれません。いかんせん音楽に関しては素人の私が作ったものなので、真面目に曲に突っ込まれても困りますが…。MIDIから何度もデータを変換しているうちに、音質が変になってしまったのが残念。画像も、一部のフリーのもの(天使の絵2枚)をのぞき、すべて私が撮った写真を加工して使用しています。鬱な写真を撮るのが得意です(笑)。動画の作成には、Windows ムービーメーカーを使いました。

ブログ再掲版の小説のみをご覧になっている方にとっては、知らないキャラの名前がムービーの中に沢山出てくることになると思います。その中には、本ブログでこれまで何度か特集を組んだ登場人物先行紹介の際、意図的に外されていたキャラたちも含まれます。それは、ルキアンと同じくパラディーヴァ・マスターであるキャラか、あるいは「鍵の守人」と呼ばれる謎の組織に属する人たちです。要するに旧世界にゆかりの深い方々。パラディーヴァも何人(?)か出ています。

第25話でパラディーヴァ(リューヌ)が出てくるまでは、その手の人々に関しては、絶対にブログでネタバレできなかったんですよ。この物語の序盤における最大の秘密なので、さすがに我慢しておりました(^^;)。第1話再掲の時点から、ばらしたくて仕方がなかったんですが。マスターやパラディーヴァたちが出てきてからは、お話ががぜん面白くなります。中には、変な方向に面白くしているマスターとパラディーヴァの漫才コンビも、一組ありますけど…。

マスターと言えば、そういえばカリオスの台詞は入っていません。残念。アレス君も裏の主人公のはずなのに、完全に圏外。涙目ですね。

一応、動画の流れは主人公のルキアンを(比較的)中心に置いた構成になっています。主題歌もルキアンのことを書いた曲です。歌詞がないので分かりづらいですが。「銀の荊」が何を意味するのかは、26話の時点では、まだ謎…。この動画を見ている限りでは、誰が敵キャラで誰が重要キャラなのかも、あまり分からないですね(^^;)。それは本編の方でも同様だろう、というツッコミはナシでお願いします(汗)。どんなジャンルやストーリーなのかも、ムービーを見ているだけではなかなか想像できません。この小説がロボット物だとは、事前に知らなかったら、たぶん思えないかも(笑)。そこがいいんです。

まぁ、現在の第26話からは想像もつかない、風呂敷広げすぎの内容のプロモーション動画になっています。何はともあれ、お楽しみください!

以上
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ずっと主人公が耐えるターン?

作者自重!と言われそうですが、連載小説『アルフェリオン』(ブログ再掲版)の最近の内容について、いくつかコメントしたいと思います。

昨晩深夜、第25話がようやく終わりました。この回は、息苦しい空気の中、動きのない会話シーンや自問自答シーンだけが延々と続くという極端な地味展開でした……。それでも今後のルキアンの成長にとっては重要な話です。あれだけのことがあったのだから仕方がないかもしれませんが、ルキアンはちょっと不安定になり、何でそこで微笑むんだという箇所で不自然にニコニコしていたのが、痛々しかったですね。

クレヴィスの言った、「正しい答えが出せないということは、答えを出さなくて良いことの理由にはならない」という台詞は、ルキアンにとって非常に重みのあるものでした。たしかに18歳の少年に対しては、急かしすぎな台詞かもしれません。もう少し「人間、思いっきり迷っていいんだよ」的なセリフを言ってあげていた方が、ルキアンの成長にとっても良かったのではないか、という感もなくはないです。

ルキアンという子には、何か吹き込まれると思い込みが強すぎて極端に突っ走る傾向があります。例の「優しい人が優しいままで笑っていられる世界」という言葉についても、最近の彼には、やや狂信的に思い入れをもちすぎてしまっていたきらいがありました。第24話、いくらシャノンの件があったとはいえ、「優しい人が優しいままでいられる世界のため」ならば悪人は皆殺しにしても当然という極論にまで走り、憎しみの命ずるままに敵を殺戮してしまったことはその典型です。

なお、あの「暴走」の時点でルキアンは怒りに我を忘れていただけであり、彼の意識そのものは明確に存在していました。ですから実際のところ、アルフェリオン自体は別に暴走などしていません(!)。パイロットが意識を失っている間に機体が勝手に覚醒し、等々というパターンなら、まだルキアンに逃げ道はあるのですが…。結局、彼自身が自分の意思でステリアの力を発現させ、自分の手で野獣のような戦い方をしてしまったわけです。これは、ルキアンにとっては厳しい展開です。信じられる理想を手にしたと思った矢先、その理想を狂信しすぎてあの結果ですから。

それにしても第20話~25話は、かなり辛く歯がゆい展開でした:

ルキアン、仲間の苦戦を傍観→やっと出撃したら瞬殺されて墜落→せっかく助けてくれた人たちにも悲劇が→でも何もできず助けられない→怒りに我を忘れて虐殺→気づいて愕然

…というどうしようもない流れでした。いろんな意味で、こんな主人公ありか?というところです。

クレヴィスに続いて、じきにシャリオもルキアンを丁寧にフォローし、揺れる少年をほどよいところに落ち着かせるのだと思います。彼女が神官でもあるという設定は、こういうところで生きてきます。少なくとも自分の考えをきちんと持っており、それをはっきりと言えるクレヴィスやシャリオのような大人がルキアンの周りにいるということは、物語的に重要です(彼らが「真っ当」な大人かどうかは、また別問題ですが)。性格的に不安定でなおかつ暗い少年(汗)を主人公にする場合、脇のキャラがちゃんと役割を果たさないと……。でも書き手としては難しいですね。

 ◇

ちなみに、本日より再掲開始の第26話から、また話の雰囲気が変わります。「孤軍」というサブタイトルを見て、ルキアンのことか?と思った方もおられるかもしれません。いや、さすがにルキアンばかり延々と孤独に鬱々させておくのは、悪い意味でお腹一杯というところでしょう。孤軍奮闘するのは、あのカリオスです。実はカリオスもルキアンと同じく…。

カリオスは設定上はギルド最強であるにせよ、今までのところ登場シーンが比較的少なく、出ても地味でした。何のことはない、最強という名を持ったモブキャラか?という感じもありました(苦笑)。しかし26話はカリオスが事実上の主人公!(^^;)。実は、この物語というのは――カリオスに限らず、一見地味なキャラや三枚目みたいに見えるキャラが次々と超覚醒して、主役・準主役キャラがしばしば涙目(笑)になるという困ったお話でもあります。まぁ、そういう部分も、悪ノリ精神でもって楽しんでいただければ幸いです。

でもルキアン君、本家の方ではそれなりに成長して、主人公らしくなってきました(と言っても、もう第40話…)。しかし、せっかくルキアンが良い感じに伸びてきたと思ったら、別のパラディーヴァ・マスターの方が目立ってしまったりだとか、その他にも次々と濃いキャラが出てくるので、ルキアン相変わらず涙目です。
頑張れ、主人公!(^^;)

色々とクセのある物語『アルフェリオン』ですが、どうか今後もよろしくお願いします。「そんなのありか?」という、アマチュアのオンライン小説ならではの掟破りな展開(!)を、変な勢いで次々と繰り出したいと思います。型破りではあっても、破綻しているというのとは違いますので、ご安心を(笑)。

以上
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特集 四重構造の作品世界?

連載小説『アルフェリオン』――当初、この物語の印象は、イリュシオーネという異世界を舞台にしたロボット戦記物というところであったかと思います。しかし、いわゆる「旧世界」に関することが徐々に明らかになり、さらには第19話「序曲」以降に謎の黄金仮面たちが暗躍するに及んで、実はもっと多重的な世界設定をもつ物語であるということが分かって参りました。

そこで今回は、物語の背後にある複雑な世界像について、少し整理してみたいと思います。以下、ネタバレ的な新情報はほとんど含まれていませんが、将来のストーリー展開を暗に示すような記述が少し含まれています。ご注意ください(^^;)。

 ◇

さて、ブログでの連載が始まった当初、この物語は次の2つのレベルにおさまる範囲内で展開されていました。

○ レベル1 オーリウム王国内における正規軍と反乱軍の戦い
 ・現在のところ、基本的にはこのレベルで生じる諸々の出来事を中心に物語が進展している。

○ レベル2 イリュシオーネ全体規模での帝国軍と連合軍の戦い
 ・オーリウムの内戦の原因でもある。帝国軍が外からオーリウムに迫っているため、帝国軍の到着までに反乱を鎮圧せねばならないというタイムリミットが生じている。
 ・〔参考〕 オーリウムの隣国のガノリス王国は、すでに事実上、帝国軍によって制圧されている(少なくとも軍事拠点や主要な都市・街道等は)。帝国軍に対し、レジスタンスがなおも抵抗中。ガノリス方面で活躍するキャラたちも、20話台後半から徐々に登場。

もし、以上の2つのレベルの範囲内で完結している物語であったなら、『アルフェリオン』は、単なるファンタジー風のロボット物あるいは戦記物にとどまっていたことでしょう。しかし、さらに新たなレベルが存在します。いわゆる「旧世界」に関する事柄が、時を超えた伏線となって上記のレベル1とレベル2の出来事に様々に絡んできます。

○ レベル3 旧世界における天空人と地上人との戦い
 ・旧世界の時代に使われた兵器や当時のテクノロジーが、現世界の戦争においても用いられ、今後の戦いの行方に多大な影響を及ぼしている。
 ・旧世界に関する歴史や伝説などの情報は、実は現世界の将来を読み解くための一種の予言に近い役割も果たすことになると思われる。

物語の広がりが仮にこのレベル3で終わっていたなら、『アルフェリオン』というお話は、もっとSF色の強いものになっていたでしょう。前近代風のファンタジー世界にオーバーテクノロジーの兵器が存在するという問題を、いわゆる「旧世界」や超古代文明の遺産という設定によって説明しようとするのは、この手のSFファンタジーにおけるお約束的な展開でもあります(^^;)。

しかし、どうも以上の3つの次元におさまらない「何か」がウロウロしていることに、読者様も気づいておられたことでしょう(苦笑)。端的に言えば、例の「黄金仮面」たちです。彼らは明らかに人間ではありません。彼らが時々用いる「人間ども」という言葉にも象徴されているように…。そこで第4のレベルが浮かび上がってきます。

○ レベル4 人間と人ではないものとの戦い?
 ・現世界の大乱の背後で暗躍する黄金仮面たちは、すでに旧世界の時代から人間たちに干渉していたようだが…。今後、第20話台後半から、特に第30話台前半において、この「人でなき者」に関することが色々と明らかにされる。

以上の4つのレベルの事柄が複雑に影響し合い、『アルフェリオン』のストーリーは展開されてゆきます。基本的に、物語に登場する一般的なキャラが把握しているのは、レベル2までの範囲で起きていることだけです。たまにシャリオやクレヴィスのように、レベル3の旧世界のことにも詳しい人がいるにせよ。しかし、レベル4の次元が存在することにはっきりと気づいているキャラは、いまのところ誰もいません。黄金仮面たちを知るメリギオス大師にしても、単に彼らによって利用されているだけかなのも…。

つまり、
過去においても現在においても(そして未来においても?)争い続ける人間たちの世界の背後で、人間の知らない何かが一貫してうごめいているということなのです。

いったい最後は何と戦えば、あるいは何をすれば、この物語は終幕を迎えるのでしょうか!?

以上
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お知らせ―明日の更新はお休み等々



所用のため、本日11月6日の晩と、明日・11月7日は、ブログの更新をお休みさせていただきます。予めご了承ください。

連載小説『アルフェリオン』――現在掲載中の第24話は、物語全体の中でもひとつの転機に当たる部分です。この作品にしては珍しく、かなり暴力的な描写も含まれていたのですが、それもルキアンの気持ちが大きく変わるために必要な痛みであり、やむを得なかったと思います。謎の存在・パラディーヴァが出現、旧世界から今日まで続く黄金仮面との因縁、ルキアンが幻の中で見た「紅蓮の闇の翼」…等々、第25話以降にますます目が離せません。ご期待ください!

ちなみに、おそらくパラディーヴァは複数いるのではないかと想像された読者様も少なくないのではと思います。その通りです(公式ネタバレか?^^;)。パラディーヴァはリューヌの他にも存在します。そして、パラディーヴァのマスターたちも複数存在するということです(中には、すでに登場しているキャラも混じっていますが)。彼らが活躍することによって、地味展開や鬱展開の多いこの物語にも光が見えてくるはずです(ますます鬱になるキャラも混じっていますが…)。

待ちきれないという方は、本家サイトへどうぞ。11月6日現在、最新話は第39話の3です。ただ最近、本家サイトのアクセス数が増えている反面、その分、ブログの方のアクセスが少し減ってきています(泣)。本家とブログそれぞれ独自の記事も用意しておりますので、本家をご覧になっている方も、できましたらブログもご覧いただけると嬉しいです。制作者としても、やる気が出ます(^^;)。なにとぞよろしくです。

親愛なる読者様へ

鏡海
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【重要】 24話に関するご注意



連載小説『アルフェリオン』第24話(および第23話の10)には、この物語の中では相当に暴力的な部類に入る描写が、いくつか含まれます。ご注意ください。

以上
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