遊心逍遙記その2

ブログ「遊心逍遙記」から心機一転して、「遊心逍遙記その2」を開設します。主に読後印象記をまとめていきます。

『Curious George Lost and Found』 Houghton Mifflin Company

2023-05-03 11:12:09 | 英語学習教材
 久しぶりに英語絵本電子版を読み、ナレーションを聴いた。冒頭の表紙の下辺には、”Curious about direction "と記されている。
 お猿のジョージ・シリーズ、今回はジョージと黄色帽子の友達が、週末に車で都会を離れて、彼らの田舎の家(country house) に出かけたときのハプニング話を扱っている。タイトル” Lost and Found” の通り、お猿のジョージは道に迷ってしまうが、帰るための方法を見つけ、無事に田舎の家に戻るというプロセスがストーリーになっている。なので、「方角についての好奇心(関心)」というテーマが下辺に付記されている。

 内表紙には、Adaptation by Erica Zappy
Based on TV series teleplay written by Joe Fallon と記されている。
 この絵本は、Joe Fallon の脚本によるテレビ番組として、お猿のジョージの話が作られて、それをもとに、Erica Zappy が絵本にしたものである。原作者から世代交代した次元で、人気シリーズとして定着しているということになる。
 よく読むと、この絵本自体の著作権は Universal Studios が2008年に取得している。
 Curious George とそのキャラクターについては、Houghton Mifflin Company が著作権を持っていて、その著作権下で Universal Studios が使用権を契約しているという関係にあるようだ。内表紙の裏面に権利関係が明示されている。いわば著作権が二重構造になっているのだろう。なるほどなぁ・・・というところ。

 さて、絵本の内容に入ろう。なぜ、お猿のジョージが道に迷うのか?
 それは、田舎の家に到着した時、挨拶を兼ねて近所のレンキン夫人が車で訪れてきたことから始まる。鶏の雛たち (chicks) が迷子になっているという。ジョージの友達の黄色帽子の男はひな探しを手伝うことになる。
 ジョージは田舎の家に来て、アヒルに餌やりをしたいと思っていた。「遠くへ行っちゃだめだよ」と黄色帽子の友達に声を掛けられたのに、ジョージがその注意を忘れてしまうというのが原因となる。
 この時の友達の注意が、" Don't wander far, George." ナルホド・・・。

 川に行ったジョージはそこで Squirrel (リス)の友達ジャンピー(Jumpy) とアヒルたちへの餌やりを楽しむ。アヒルの友達にもっと近づこうとして、見つけた raft を利用する。これがハプニングの始まり。
 raft を辞書で引くと「いかだ(筏)」の意味。辞書にはゴムボートの意味も載る。ああ、だから、ゴムボートでの川下りが rafting なのだと結びついてきた。

 筏に乗ったジョージはアヒルたちに餌をやりつつ、川を下って行くのを楽しんでしまうことに。ジャンピーは、ひなのように、自分たちも迷子にならないかと心配し始める。
 川下りの途中で、ジョージは crooked trees (ねじれ曲がった木々)やアヒルのような形の大きな岩を目にする。
 The big duck rock made the ducks quack. という文が出てくる。
 辞書を引くと、quack はガーガー鳴くという意味だった。大きなアヒル岩を目にして、アヒルたちが声を発した。擬声語と称される単語なのだろう。初めて知った単語。

 川の湾曲部(a bend in the river) にさしかかった時、ジョージは陸地の方にサイロを見つける。George spotted a silo. 見つけたに、spot という動詞が使われている。これが第一羲に載っていた。第二義が「斑点をつける。しみをつける。汚す」である。第二義を知っていたが第一羲は知らなかった。
 ジョージはそれをレンキンさんの農場のサイロと思った。陸地に上り近づいていくと、そのサイロは色も異なり別物だった。
 ジョージは迷ったことになる。太陽が沈み始めていた。さて、ジョージはどうするか。
 
 ジョージは、慌てずにめぼしい目印となるものと位置関係を思い出して略図を作る。ねじ曲がった木々、大きなアヒル岩、川の蛇行など。そして、レンキンさんの農場と太陽の沈む方向との関係を思い出す。太陽の位置と方角の関係を略図に加えて行く。
 このステップを踏むことで、ジョージは帰り道を見つけることができた。
 その帰り道で、ジャンピーがレンキン夫人の探しているひなたちを見つける。ジョージとジャンピーは雛たちと一緒に田舎の家に戻ることに・・・・。ハッピーエンド!!!
 Jumpy bumped into their friend who were lost ....the chicks.
久しぶりに、bump into という語句を目にした。辞書を引いて、意味を再確認。「<知っている人>と偶然出会う、・・・にばったりでくわす」の意。記憶は合っていた。
 その後のページに、こんな文が続く。
 At the farm, Mrs. Renkin and the man with the yellow hat were surprised when
George and Jumpy showed up with the chicks in tow.
 この文で、2つの語句を学ぶ。show up (現れる)、in tow (引き連れて、従えて)だ。 このお話の最後には、ひな鳴く様子の単語が出てくる。squawk である。こちらは、「キーキー鳴く。<ネズミが>チューチュー鳴く>」状態を表す単語。こういう擬声語は日常生活の中で自然に学ぶのだろうと思う。英語にはいくつくらいの擬声語があるのだろうか・・・・。
 こういう時、インターネットって便利! ちょと検索を試みた。
 ご関心があれば、補遺に上げたサイトにアクセスしてください。

 この絵本、付録として「道を見つけなさい」(Find your way) というページがある
「宝探しの地図作り」という手順説明が載っている。宝探しの遊びをするためのやり方を教えるページである。この絵本でジョージが略図を作るということを、次のステージの遊びにリンクさせていくところがおもしろい。略図に目印(landmarks)を入れることを説明している。そこに、a swing set という語句が記されている。
 何だろうと思って辞書を引くと「ぶらんこセット」という意味だった。
 そこで、「ぶらんこ」って、どこから来た言葉なのだろうと気になった。『日本語大辞典』(講談社)を引くと、単語を記して「ポルトガルからという」と説明が付く。『大辞林』(三省堂)も同様にポルトガルで語源の一説として説明が載っているだけだった。こんなこと考えずに、あたりまえのこととして使って来ていた。これが言葉の面白さの一つかもしれない。
 もう一つ、この絵本には、「いかだの作り方」のページも付録にある。ペニー硬貨を何枚載せたらいかだが沈むかという実験的な遊び用のいかだ作りの手順書なのだけれど。

 おもしろいと思ったのは、絵本の中で、道に迷わないための工夫をまず教えていること。そして、絵本でのお話に留まらないで、子供たちを次の活動にリンクさせていくというステップアップの形になっていることだ。絵本で想像という静態的な体験の楽しみから、実際に体を使う活動へと動態的な体験に転じさせる工夫を加えているところが興味深い。
 絵本から学べることがいろいろある。気楽な英語のリハビリ学習の一助になっておもしろい。

 ご一読ありがとうございます。

補遺
英語の擬音語や擬態語、オノマトペをまとめて紹介します!:「EECフォリラン!」
英語のオノマトペ(擬音語や擬態語)を覚えて表現の幅を広げよう! :「プリンス英米学院」
日本語のオノマトペを英語で表現すると?違いを解説 :「NativeCamp.blog」
擬声語     :ウィキペディア
日本語再発見(1)オノマトペの不思議な世界  :「nippon.com」
カテゴリー別  :「日本語を楽しもう」

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こちらもお読みいただけるとうれしいです。

『Curious George Builds a Home』 Houghton Mifflin Company
『MARGRET & H.E.REY'S Curious Grorge Feeds the Animals』
               Houghton Mifflin Harcourt
『HAPPY HALLOWEEN’ Curious George』
               HOUGHTON MIFFLIN HARCOURT PUBLISHING COMPANY
『Curious You On your way!』 ILLUSTRATED BY H. A. REY 
               HOUGHTON MIFFLIN COMPANY
「遊心逍遙記」に掲載した英語絵本シリーズの読後印象記一覧 最終版
                     2022年12月現在 20冊
 
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『Curious George Builds a Home』 Houghton Mifflin Company

2023-02-05 17:13:07 | 英語学習教材
 冒頭の表紙の下辺には、Curious about design と記されている。お猿のジョージ・シリーズ英語絵本電子書籍版である。これはジョージがホーム(栖)を作るために、そのデザインに関心を向けるというお話。
 Universal Studios が Houghton Mifflin Company のライセンスのもとで、2006年に本書の著作権を所有する。これは、Joe Fallon の脚本でテレビ番組として制作されたジョージの冒険シリーズの一作。後に、Monica Perez が絵本化したものと内表紙に記されている。

 この絵本、最初のイラストは、バルコニーでジョージがジュースを飲み、かつブドウを食べながら、紙に何かを描いているものである。そこでのジョージの紹介は、
George was a good little monkey who was good at many things.
He was especially good at being curious.
過去形の文で紹介されているのは、ジョージの話を過去のある時点のエピソードを語るというスタイルだからか。昔話と同じ扱いということになる。この文で、ああ、good at が使われていると気づき、「(・・・が)上手で、得意で、うまくて」の意味の時に at が使われることを思い出した次第。

 この日、ジョージは鳥に関心を抱いていた。それまでに沢山の pigeons(ハト)を見てきていたから。それまでのハトは、足首に札を付けてはいなかった。ところが、この日、ジョージの前に、ankle tag を付けたハトが現れた。ハトの方も、今までに多くの動物を見てきているけれど、写生帳に絵を描く動物を見たことがなかった。朝、互いに珍しさで相手を見続けるということから始まる。ジョージはこのハトを描く。
 ジョージは絵を友達の黄色帽子の男に見せると、絵をほめた後、ジョージに ankle tagの意味を説明する。ここで、homing pigeon という語が使われていた。絵から伝書鳩ということはすぐわかるけれど、この言葉を知らなかった。homing は辞書によれば「帰巣性を有する」という意味。homing pigeon = carrier pigeon とも説明されている。
 黄色帽子の友達は、ジョージに伝書鳩は特別な栖を持っていること、自分たちのアパートメントは鳥にとっては良い栖とは言えないことを語る。

 その話から、ジョージは
 George saw that what his pigeon needed most was a place to roost.
この一文で、roost という単語を学ぶことに。「とまり木に止まる。ねぐらにつく」という意である。A tree would be perfect. とジョージは思いつく。
 ここからジョージの活動が始まる。バルコニーにハトのとまる木、つまり、ハトの栖を作ろうと試行錯誤を始めるということに・・・・・。
 ジョージは、アパートメントにある様々なものを木を作るために使う。それで部屋の中をめちゃめちゃにひっくりかえすことに。多分、絵本を読む子供たちには、想像しながら先へと読み進めるのが楽しくなることだろう。

 この絵本の裏表紙には、この絵本から何を学ぶかが明記されている。次の3点だとか。 
*simple design concept *Building materials *Pigeon habits and habitats

 ジョージがハトの栖としての木をつくる試行錯誤と完成した木の姿がおもしろい。
 このプロセス描写の中に、記憶から思いだした表現・単語とこの絵本で初めて知った単語がある。
 George came up with a great way to get a tree up his apartment.
この文で come up with [(解答など)を見つける] を久しぶりに目にした。
 It took him a long time to build, but finally George revealed his masterpiece.
この文のreveal [見せる、示す] も久しぶりに見る単語だった。masterpiece [傑作、名作、代表作] をこんなストーリーの文脈でも使えることも知った。
 この絵本で初めて出会った言葉は、frayed brown rope というフレーズの最初の単語。「すり切れた」という意味だそうである。ジョージがこのロープをどのように使うかは、絵本を開けてご覧いただきたい。
 もう一つが、bark という単語。「吠える」という意味で憶えていたが、別に「樹皮」という意味があることを知った。

 さて、このストーリー、伝書鳩の持ち主がドアマンだったことがわかり、その人を連れて黄色帽子の友達が午後に戻って来る。伝書鳩は持ち主の許に戻される。黄色帽子の友達は、ジョージのためにバルコニーに置く鉢植えの木を買ってきた。その後に、このストーリーのオチがちゃんとついている。

 ちょっと長い目の文が含まれているものの、過去形の文に少し過去完了形の文が混じる位なので、比較的年齢が低い層が直接の読者対象かもしれない。

 このお話では、the balcony が使われている。そこでふと、思ったことがある。
 バルコニー、ベランダ、テラスという言葉があるけれど、どう違うのか、その使い分けはどこにあるのか? 西洋での使い方と日本での使い方は同一か、違いがあるのか?
 絵本からの関心の波紋として、普段深く考えずに使っている言葉について、おもしろい再認識課題も現れてくる。

 この絵本からやはり学ぶことがあった。英語絵本は大人にとってもおもしろい。

 ご一読ありがとうございます。

補遺 こんなサイトを見つけました。
Magic Seeds :「Curious George」
トップページでCurious George のイラストとともに3種類のゲームが楽しめる。
 勿論、子供たち向けで、英語でのナレーションで楽しむゲーム
 Harper Collins Publisher のウエブサイト 
Curious About Gerorge? For Parents and Teachers   :「Curious George」
GAMES :「PBS KIDS Curious George」(ABC mouse.com)
 こちらのサイトにも、子供向けのゲームページがあり、英語でのナレーションです。
George's Busy Day ::「PBS KIDS Curious George」(ABC mouse.com)
 こちらも同様です。
balcony  :「Cambridge Dictionary」
veranda  :「Cambridge Dictionary」
terrace  :「Cambridge Dictionary」
porch   :「Cambridge Dictionary」
balcony  :「LONGMAN」
veranda  :「LONGMAN」
terrace  :「LONGMAN」
porch   :「LONGMAN」

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『MARGRET & H.E.REY'S Curious Grorge Feeds the Animals』
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『HAPPY HALLOWEEN’ Curious George』
               HOUGHTON MIFFLIN HARCOURT PUBLISHING COMPANY
『Curious You On your way!』 ILLUSTRATED BY H. A. REY 
               HOUGHTON MIFFLIN COMPANY
「遊心逍遙記」に掲載した英語絵本シリーズの読後印象記一覧 最終版
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『MARGRET & H.E.REY'S Curious Grorge Feeds the Animals』 Houghton Mifflin Harcourt

2023-02-01 10:45:53 | 英語学習教材
 しばらく出会うことがなかった一行が表紙に記された英語絵本電子書籍版を読んだ。
 Illustrated in the style of H.A.Rey by Vipah Interactive という表記。この絵本のコピーライトは1998年と記されている。過去に読んだ絵本にも多分明記されていたのだろうが、その時は確認できていなかったのが、Vipah Interactive は何か?グループ名であることは推測できるのだが・・・・。
 本書のコピーライトの記載箇所を読み、C.Becker, D.Fakkel, M.Jensen, S.SanGiacomo, C.Witte, C.Yu という人々で構成された集団であることがわかった。まあ、知らなくてもどうということはないのだけれど、気になっていたことが解消した。

 この絵本、ジョージが友達の黄色帽子の男と一緒に動物園にでかけるというお話。目的は動物園に、「RAIN FOREST」という観覧エリアがグランドオープンするので、ジョージと黄色帽子の男が一番乗りをしようと出かける。動物園に入園したものの、新しい観覧エリアは開場時間が遅らされていた。そこで、しばらく園内の他の動物たちを見て回ることになる。そこで、ジョージが失敗をしでかす。その後、お役に立つことをして喜ばれて、ストーリーはハッピー・エンドになるという次第。

 この絵本、イラストも多いけれど、従来通り30ページの絵本としては、本文が相対的に結構長い。その分、文字の大きさが小さくなっている。対象層は年長の子供たちなのだろう。

 今回、動物園でジョージが起こす騒動は、動物たちに次々にジョージが餌をやるという失敗をしでかすことである。園内を巡る最初に、ジョージは、zookeeper がアザラシ(seals)たちに餌(小魚)を投げ与えるのを眺めた。その行為に好奇心をそそられる。ここでまず、動物園の飼育員が zookeeper という単語で表現されている。わかりやすい単語だなと思った。
 黄色帽子の友達がジョージに何か食べるかいと尋ね、スナックを買ってジョージとシェアした。ジョージはそのスナックを次々と動物たちに与えることで、飼育員の真似を始めてしまう。それが失敗の元。勿論、動物園の檻の傍には、「DON'T FEED THE ANIMALS」という禁止行為の看板が設置されてある。そんなことに、ジョージは気づかない。
 飼育員に見咎められる。一旦、ジョージは逃げるが飼育員につかまり、ベンチの所で説教される。
 ここで学んだのは、婉曲的な禁止行為の表現である。飼育員がお客さんであるジョージに言うことなので、こんな表現をするのだろう。
   ”Don't you know you're not supposed to feed the animals ? "
この表現パターンは知っておくと便利な気がした。
 勿論、飼育員はジョージに理由を述べる。”The wrong food might make them sick."と。文句を言うだけでなく、WHY - BECAUSE の論理でちゃんと明確に説明される。
さらに、ここでは仮定法過去の文型が使われているので、子供たちは仮定法の表現を自然に学んで行くのだろう。

 ジョージは、自分のしたことに怖くなる。 George felt awful.

 そこに、別の飼育員が、”Come quick! Someone saw the parrot!”と叫びながら現れる。最初の飼育員はジョージに事情を説明し、ベンチで待つように言って、去っていく。ところが、しばらくすると、その parrot (オウム)がスナックを狙ってさっと舞い降りてきて、ジョージの手許のスナックをつまむ。この場面で、次の文が記されている。
   ”Now George knew he wasn't supposed to feed the animals....but
this one had helped itself. "
パーティの場面で、help your self の表現が使われることを昔学んだ記憶がある。久しぶりに出会った表現。辞書には文例が出ていて、自由にとって食べると説明されている。ジョージのこんな場面でも使える表現なのだ。

 オウムがジョージの傍に留まっていたことで、今度はジョージが飼育員を助ける側になる。オウムは、「RAIN FOREST」つまり、熱帯雨林を模した新規エリアから逃げ出していたので、この観覧エリアの開場が延期されていたということだったのである。
 これを契機に、ハッピーエンドへと転換していくことに。ジョージは、さらに飼育員さんたちの手助けをすることになる。

 最後は、ジョージと黄色帽子の友達は、開場の一番乗りをする。めでたしめでたし。

 このストーリーから、子供たちは、上記の表現や文法的なことと併せて、少なくとも2つのことを学ぶのではないかと思う。
1つは、動物園で禁止行為があること。その大切さ。
2つめは、動物園に関連した語彙。zookeeper, rain forest, new exhibit などの言葉の一方で、動物の名前とその単語の綴りを自然に学ぶのだろう。この絵本には多くの動物が登場する。
  seal, crocodile, koala, elephant, kangaroo, lion, hippopotamus, ostrich,
  giraffe, monkey, parrot
これら動物たちのイラストはこの絵本にすべて描かれている。

 最後に、私には一つ課題が残った。日本語ではアザラシ、アシカ、オットセイと区別している。英和辞典を引くと、seal という単語の説明に、「アザラシ、アシカ、オットセイ」が説明として併記されている。総称で使われる単語のようだ。ならば、具体的にはどういう表現でこれらの動物を識別するのだろうかと・・・・。

 いずれにしても、英語絵本から学べることが多くある。英語学習のリハビリには手頃。
 ご一読ありがとうございます。

補遺
アザラシ  :ウィキペディア
アシカ   :ウィキペディア
オットセイ :ウィキペディア
オットセイってどんな動物?  :「京都大学WRC海獣班」 
3,849点のオットセイのストックフォトと写真 :「gettyimages」
37,048点のアザラシのストックフォトと写真  :「gettyimages」
482点のタテゴトアザラシのストックフォトと写真 :「gettyimages」
アザラシを英語で何という?覚えておきたい表現3選 :「英語塾 六単塾」
Earless seal  From Wikipedia, the free encyclopedia
Fur seal    From Wikipedia, the free encyclopedia
Sea lion    From Wikipedia, the free encyclopedia
Eared seal   From Wikipedia, the free encyclopedia
Walrus     From Wikipedia, the free encyclopedia

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『HAPPY HALLOWEEN’ Curious George』 HOUGHTON MIFFLIN HARCOURT PUBLISHING COMPANY

2023-01-14 17:01:46 | 英語学習教材
Curious George シリーズの英語絵本電子書籍版を読み継いでいる。このタイトルの付け方は今までとは少し違う。この絵本は裏表紙に出版元などについての情報を記載している点も、従来の絵本の体裁とは異なる。意識的にスタイルを変えたのだろうか。

 2008年のコピーライトで、HOUGHTON MIFFLIN HARCOURT PUBLISHING COMPANY が所有権者である。続く説明も従来とは異なる。この絵本では、
 Curious George and related characters, created Margret and H.A.Rey,
are copyrighted. の一文が続く。
ジョージと関連キャラクターは、Margret and H.A.Rey が創作したということが著作権として明記されている。しかし、イラストについては、従来の表記法とは違う形になっている。表紙と本のイラストは、Mary O'Keefe Young の作画と明記され、H.A.Rey 風を継承してという従来の表記が変更されている。この点、著作権の移転並びに原作者たちが逝去して歳月が経ったことによる時代の変化を示すのだろうか。
 この絵本の本文は、N.T.Raymond と Kelly Loughman の共著と記されている。
 子供たち用の絵本を、英語学習のリハビリという視点で読んでいるので、大人の視点で著作権を眺めているところから、こんなことについ目が行く次第。

 さて、絵本の内容に入ろう。この絵本、「ハロウィーン」をテーマにしていて、その日のジョージを描いていく。従来の絵本との違いは、その構成が7章立てになっている点である。
  PUMPKIN PATCH / DECORATIONS / COSTUME FUN / A GAME OF BOO
TRICK OR TREAT / COSTUME PARTY / GOOD NIGHT,GEORGE
子供たちが、たぶん楽しみにしている「ハロウィーン」。その一日のプロセスがこの絵本で楽しみながら追体験できるという趣向のように感じた。

 この絵本と手許の複数の辞書(a,bと略記)から学ぶことがけっこう多かった。

 日本でのハロウィーンは、なぜかコスチュームを楽しむお祭りのような側面が大きくクローズアップされて、楽しまれているようだが、Halloween を辞書(a)で引くと、冒頭に
[All Hallow's Even(諸聖人の祝日の前夜)の短縮形語]と説明されている。さらに解説がある。「万聖節(All Saints' Day) の前夜祭;10月31日の夜;イングランドではあまり行われないが、米国では盛んで、魔女(witch)などの仮装やカボチャの中身をくりぬき、Jack-O'-lantern を作ったり、”Trick or treat”(お菓子をくれないといたずらするぞ)と言って子供たちは近所の家からお菓子をもらう」と。
 この説明を読んで、先に語句を辞書で引いていた2つがカバーされていることを再認識した。Jack-O'-lantern と Trick or treat だ。後者は、上記の一つの章名にもなっている。
 辞書(b)を引くと、同主旨の説明があり、さらに「英国では Guy Fawkers Night (11月5日)の方が盛ん」と記されている。私はガイ=フォークス祭(英国の火薬隠謀事件記念日;11月5日)というのを初めて知った。辞書(a)を引くと、相互補完されて一層理解が深まった。

 patch という単語の意味は知っているつもりだったが、PUMPKIN PATCH を見て、何?
と冒頭からガツン。辞書を引くと、「(耕作した)一区画;ひと畑(の作物)」(a)という語義があった。「a patch of potatoes = potato patch じゃがいも畑」の文例が載っている。つまり、ここはカボチャ畑ということ。
 PUMPKIN PATCH の章は、ハロウィーンで重要なカボチャを子供たちが採り入れる場面になっている。興味深い点に、ここは韻を踏んだ文で記されている。絵本を読む子供たちは、自然に韻を踏んだ文体に馴染んで行くのだろう。「ロンドン橋落ちた」の歌のように、韻文が身近なものになるきっかけが絵本にもあるのだ。冒頭の文は次の通り。
   Pumpkins round
   Cover ground.
   Vines twirl.
   Children whirl.
twirl と whirl という語を知らなかったので辞書をひけば、どちらもくるくる回るという意味だった。<丸いカボチャが畑(地面)にいっぱい。カボチャのつたはくるくると。子供たちもくるくる回る> 子供たちの楽しげな様子を描く。勿論、ジョージも子供たちと一緒にくるくる回る。韻を踏んだ文章を読むことがないので、この章の本文をけっこう楽しめる。

 DECORATIONS では、カボチャの中身を刳り抜いて、上記した Jack-O'-lantern (カボチャちょうちん)を作る場面と、ジョージがドアに cobwebs(蜘蛛の巣)を張る絵が描かれている。Cobwebs over every door. Surely tricks and treats in store. の文とともに。cobweb という語もこの絵本で知った。in store も確認のために辞書を引いた。「準備して」(a) という意味である。
 だけど、なぜ蜘蛛の巣なのか? 課題が残った。

 COSTUME FUN では、ジョージがどんな仮装をしようかとアレコレ思案している楽しさを描く。その仮装には一案として黄色の帽子も含まれる。
 ここでは gobble という語を学んだ。「がつがつ食う」(a) という意味のようだ。
 Or he(=George) could be a monster / Who gobbles every treat. という文。
ここの treat は上記の Trick or treat に出てくる「お菓子」を意味する。

  A GAME OF BOO は、ジョージが仮装して、BOO! ブーッと叫ぶ場面が描かれている。辞書によれば、boo は「(おどかし、軽蔑、不賛成などを表して)ブー」という意味。このハロウィーンでは、さしずめ、脅かしのブーのことだろう。

 TRICK OR TREAT は、仮装した子供たちが近所の家の玄関口に訪れ、TRICK OR TREAT と問いかける場面が描かれる。ジョージは、お菓子を子供たちに配る役割で描かれている。
 Trick or treat! Costumes galore. この文から始まる。galore という語も初めて知った。この語は名詞の後に置いて、沢山の、豊富なという意味を表すとか。両辞書が同じ文例を挙げている。Bargains galore! お買い得品山積み(a) 、お買い得品豊富(b) である。お菓子をくれないといたずらするぞ! 仮装(した子供たち)が一杯。というところか。

 COSTUME PARTY は仮装した子供たちの楽しい場面。このページを見て、子供たちは自分がまとった仮装のことを思い出して楽しむことだろう。
ジョージはリンゴが浮かぶ大きな盥の中に入っていて、仮装した子供たちが盥を囲んでいる。その下に記された一文が、Let's bob for apples. この bob って何? 「[吊したり浮かべたりしたさくらんぼなどの果物を]口にくわえようとする」(a)ことだとか。この語の意味から運動会のパン食い競争を連想した。ここも一種のゲームなのだろう。

 GOOD NIGHT,GEORGE はベッドで眠りにつくジョージを描く。Time for bed, George!
である。ここに次の文が記されている。
   The goblins and princesses
   Are now counting sheep.
   The ghosts and the witches
   Have all gone to sleep.
2つの文の主語は、ハロウィーンで仮装した子供たちを意味する。気づいたのは、
count sheep が使われていること。聞いたことがあるが、やはりそうか・・・という思い。 羊を数える。「眠れない時は羊の群を想像し、1匹、2匹,......と思い浮かべる」(a)
辞書(b)では、イディオム扱いで載せてある。「(柵を跳び越える)ヒツジの数を数える。<眠れない夜のまじない>」と。
 これが絵本で使われているということは、眠れなければ羊を数えなさいというのは、子供たちが親から日常生活の中で自然と教えられるからなのだろう。

 絵本って、学べることがいろいろあっておもしろい。リハビリ英語学習に役立っている。

 ご一読ありがとうございます。

参照辞書
a:『新英和中辞典 第5版』 研究社 1986年
b:『ジーニアス英和辞典 第5版』 大修館書店 2015年

補遺
万聖節   :「コトバンク」
諸聖人の日 :ウィキペディア
ハロウィン-万聖節・万霊節の先駆け :「こよみの学校」
ハロウィン   :ウィキペディア
ハロウィーンと蜘蛛の巣の関係はあるのか? :「Yojoの英語ソウル」
ガイ・フォークス・ナイト  :ウィキペディア
ガイフォークス・デーとハリー・ポッター  :「ポッターマニア」
ロンドン橋落ちた 歌詞の意味・和訳  :「世界の民謡・童謡」

インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。

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こちらもお読みいただけるとうれしいです。

『Curious You On your way!』 ILLUSTRATED BY H. A. REY
                  HOUGHTON MIFFLIN COMPANY
「遊心逍遙記」に掲載した英語絵本シリーズの読後印象記一覧 最終版
                     2022年12月現在 20冊
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『Curious You On your way!』ILLUSTRATED BY H. A. REY HOUGHTON MIFFLIN COMPANY

2023-01-04 20:52:46 | 英語学習教材
 Curious Geroge シリーズとはタイトルが違うけれど、お猿のジョージが主人公の英語絵本電子書籍版を読んだ。表紙には H.A.Rey によるイラストと記されている。
 内表紙には、この絵本の本文は Kathleen W. Zoehfeld 作とある。2008年のコピーライトで、HOUGHTON MIFFLIN COMPANY が著作権者。

 絵本を読み初めて、タイトルが Curious George ではないことの理由がわかった。
 H. A. Rey は Curious George シリーズを生み出し、1977年に没した。その後、Margret Rey が継承したが妻の Margret も1996年に没している。この絵本は、H. A. Rey 自身が創作した絵本から、様々な場面のイラストを抽出し、お猿のジョージが行った様々な冒険を背景にジョージ自身を褒め称える絵本として編集されたようである。
 タイトルに記された You はジョージを指している。好奇心旺盛なジョージに、そのまま自分の道を進め(on your way!)と激励しているものと受けとめた。

 最初の見開きページがそれを的確に示している。次の2行の文が載る。
 You've done great things. The whole world proud of YOU today.
ジョージの前に大勢の人々が詰めかけてくるイラストが載っている。皆がジョージを称える HIP, HIP, HOORAY! という喝采の声とともに・・・。ジョージは内表紙に描かれた宇宙服を着ていて、宇宙から帰還してきたところの場面のようだ。この絵本は未読だが、その後に続くイラストは既読の絵本でみた場面が結構出てくる。
 この場面、「ジョージ、すごいことやったね。今日は、全世界がジョージを誇りに思っているよ」ということだろう。

 その次の見開きの左ページは、ジョージが黄色帽子の男(友達)からアルファベットを学ぶ場面。この絵本は読んだ。右ページは、ジョージが、アメフトだろうか、チームプレイで活躍する場面。こちらの絵本は読んでいない。
 その次のページのイラストは、どうもこのジョージ・シリーズの始まりになるようだ。これも未読。この場面には、
 Of course, the time comes when a curious monkey needs to break free !
という文が記されていて、ジョージが動物園の檻から抜け出したイラストになっている。絵をみただけで英文の意味は推測できるが、辞書を引くと、break free がイディオムとして載っていた。「ふりほどく:[・・・・から]自由になる」と。一方、「逃げ出す」と説明している辞書もある。この絵本でまず学んだのがこの表現。

 檻から自由になり、町に飛び出した好奇心旺盛なジョージの冒険がここから始まる。そしてて黄色帽子の男と友達になる出会いが訪れるのだろう。
 この絵本は、それぞれの冒険を扱った絵本を読んでから、あるいはその途中で読むと楽しめると思う。読んだ絵本についてはそのストーリーを思い出して楽しめる。未読のものはこの絵本が改めてもとの絵本を読むきっかけになることだろう

 この絵本の最後のページは、We're proud of curious you. の一文で終わる。
「私達みな、知りたがり屋のジョージが自慢なんだよ」ということか。
 たぶん、この一文、絵本を読む好奇心に溢れた子供たちへのメッセージでもあるのだと感じる。curious という言葉のフォントを文中で一段大きくし、さらに you をもう一段大きいフォントにしてある。you はジョージであり、かつ、絵本を読む読者・子供たちなのだ。
 curious であること、それが学ぶことの原点なのだというメッセージと受けとめた。

 この絵本から学べる表現が数多くある。それが英語のリハビリ学習に役立っている。
 Put your brains to the test. テストに頭を使いなさい、というところか。
    put O1 to O2 というイディオムとして辞書に載っている。
 It's up to you. これは知っていたが、絵本に出てくるんだ!と思った。
    それは君次第なんだ。  日常的な慣用的表現になっているのだと再認識。 
 Just follow your dreams and you'll soar.  命令文+and の型と辞書にある。
    まっしぐらに夢を追え、そうすりゃ、希望が高まるよ。
 There will always be new heights to reach. 
    いつだって到達したい新しい頂点が現れてくるんだよね。
 Whatever you do, you will find your oen style.
    何をしても、きっと自分流を見つけられるんだよ。
なかなか良いフレーズが載っていて楽しめる。他にもあるが、絵本を開いて見つけてもらいたい。

 英語絵本は気楽に楽しみながら短時間で読める。英語のリハビリ学習にはちょうど良い。オーディオのナレーション付きなので、ヒアリングの練習にもなる。
 この絵本で未読とわかったものを探して読もうと思う。

 ご一読ありがとうございます。


こちらもお読みいただけるとうれしいです。
「遊心逍遙記」に掲載した英語絵本シリーズの読後印象記一覧 最終版
          2022年12月現在 Curious George シリーズ 17冊、他 3冊 

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