健康定食BLOG版

心も身体もほっとするオリジナルレシピを中心に、レストランや食材なども満載の食ブログ

『市場の中の女の子』

2004-11-30 21:05:30 | 
グローバリゼーションの弊害や、さらに拡がる貧富の差、ビン・ラディン対ブッシュ、拝金主義、カジノ経済学・・・。私たちの生きている社会のあちこちに見られる矛盾や問題点。経済学は、こうした問題を分析するかもしれないが、解決策を与えてくれない。経済学は、こうした問題を解決しないで、より助長するように思えるときもある。『市場(スーク)の中の女の子』は、そうした閉じた経済学から、開けた経済学を提唱している。それは、文化の経済学。文字は多いが、絵本のような作りで、物語も現在に住む女の子が14世紀のジェノバやペルシアにタイムスリップするというファンタジー。メッセージはあくまでも穏やかだが「世の中は人々の考え方が変われば変わるわ」という冒頭の文章が著者の立場を鮮明に表している。

テキストも面白いのだけど、絵本仕立てになっていて、その絵を描いているスドウピウさんのイラストがとってもいい感じ。実は、この人、一緒に仕事をするかもしれないということで、一度お会いしたんですが、結局スケジュールが合わず、一緒の仕事はできなかったというイキサツが。その直後に見つけた本。正直、彼女の名前が出ていなかった、この本を買うこともなかった。なんだか、不思議な因縁。

『市場の中の女の子』松井彰彦(著)、スドウピウ(絵)1500円+税 PHP研究所