相撲史に関心・興味のある方どうぞ

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栄枯盛衰

2010-04-17 13:18:31 | 日記
 制限時間前、相手が立てば最初の仕切りでも堂々と
受けて立ち、“不滅の金字塔”69連勝に輝く不世出の
超一流横綱双葉山が新興勢力に築きあげた時津風部屋。
 昭和三十年代、こんなことが珍しくなかった…。
稽古場で泣く子も黙る当時協会理事長の時津風親方が
無言で眼を光らせているだけで緊張感が漲る─ところが
師匠が協会の仕事で部屋から姿を消した途端、だらけた
雰囲気になってしまう。弟子たちが強くなるわけがない。
 栄枯盛衰は世の習いというが、豊山が昇進してから
大関を出せず、北葉山が佐田の山〔当時佐田乃山〕との
決定戦を制してから優勝力士も出していない四十余年来
の“斜陽”の相撲部屋。その点、老舗の出羽海と対蹠的
でさえある。
 諺に「石の上にも三年」があり、角界では3年先・
5年先に強くなるための稽古をせよ─という。しかし、
一般社会でも就職して3年も辛抱できぬ若者が多く、
力士の新弟子教育が難しくなっていると思える。
 名門時津風部屋での不祥事は大相撲のイメージダウン
であり、弟子不足に拍車をかけることが懸念される。

 以上は平成19.9.30『長崎新聞』への拙稿でした。
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