博文(ひろぶみ)通信

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有言実行

2013-08-22 18:40:05 | 日記

<福島民報論説より>

【汚染水流出】国の対策待ったなし(8月10日)

  東京電力福島第一原発事故の汚染水対策は待ったなしだ。経済産業省は、原子炉建屋への地下水流入を防ぐ関連費用を来年度予算の概算要求に盛り込む方針だ。予算は来春にならないと執行されない。悠長すぎる。対策費は300億~400億円を見込む。被災地と関連の薄い事業に使われようとして差し止められた復興予算が約1千億円残っている。政府は復興予算を活用して緊急補正予算を組み、今すぐ対策に乗り出すべきだ。
 対策本部の試算では、福島第一原発から一日約300トンの汚染水が海に流出している。流出問題を受け、昨年6月に始まった本県沖の試験操業は中断する見通しだ。漁業関係者は、ようやく差した光を再び奪われた。再編が完了した避難区域の住民帰還にも影響する。外交問題なども懸念される。
 政府が検討する対策は、建屋周辺の土を凍らせる「凍土遮水壁」だ。1~4号機の周囲約1.4キロを囲むように一定間隔で地中に管を設置し、冷却材を循環させて地盤を凍らせる。建屋に流れ込む地下水量を抑制できるという。
 トンネル工事などで用いられる工法だが、長期間使用した前例はない。当初、技術的な検討を重ねて今年度中に実現可能かを判断するとしていた。事態の深刻さを受けてようやく、概算要求に盛り込み前倒しする方向となった。
 汚染水の海洋流出は早い時期から疑われていた。東電は否定し続け、国は7日にやっと認めた。事故発生当初、炉心溶融を認めなかった事例と酷似している。危機管理は、最悪を想定し、直ちに対策を取るのが定石だ。楽観的な材料に固執し、判断が遅い。国も東電も学んでいない。
 平成24年度当初予算と23年度三次補正予算に計上した復興予算のうち、ご当地アイドル育成や「ゆるキャラ」イベントなど被災地に関係ない事業費が1兆1570億円あった。都道府県や公益法人の基金に配分、9割以上が使われた。国は残る1017億円の返還を求めた。
 復興予算の「流用」を見逃した財務省の罪は重い。一方で、東電に対する賠償支援金の増額や、18歳以下の県民の医療費無料化など本県の復興に欠かせない予算には難色を示す。同省はこれまでの態度を深く反省し、残った復興予算を対策に充てるよう政府に進言してはどうか。
 安倍晋三首相は政府の原子力災害対策本部会議で「東京電力に任せるのではなく、国としてしっかりと対策を講じる」と述べた。速やかに実行してほしい。(小池 公祐)

( 2013/08/10 08:22カテゴリー:論説

 

*新たに、原子炉冷却に使った後の汚染水を貯蔵する地上タンクから、約300トンの汚染水漏れが発覚しました。タンクは鋼鉄製の部材をボルトでつないで組み立て、ゴム製パッキンの劣化やボルトの緩みで水漏れしやすい構造だそうです。同型のタンクは敷地内には350基あり、このうち310基で汚染水を貯蔵しているとのことです。原発事故後、タンクからの水漏れは今回で5回目で、いずれも同型のタンク。

汚染水に対する早急な対策と根本的な解決が求められます。

小池記者の言うとおり、原子力災害対策本部長である安倍総理、「夏休みでゴルフ三昧だったそうですが、汚染水漏れには夏休みはありません。『有言実行』を期待します」。