マリー・アントワネット
2006
Sofia Coppola (ソフィア・コッポラ)
マリー・アントワネットを一人の少女として描いているのはご存じの通り。
知らない国にたった一人で嫁がされ、しかもダンナは不能ときて、周りの期待に添えないストレスから遊びまくる。
恋愛沙汰が少ないですが、「ロスト・イン・トランスレーション」でのスカーレット・ヨハンソンの持つ孤独と似たものを描いています。
スケールは違えど、ほぼ同じお話ですね。
どちらの作品も、少女をものすごく無垢で純真なものとして描いています。
キルスティン・ダンストの表情が抜群にその無垢さにハマッています。
時代考証を無視して、現在の女の子にが十分に感情移入できる台詞や可愛らしさを全編で押しまくってきます。
ファーストシーンのキルスティン・ダンストが「おっ!」と思わせる中世と現代のミックスでこれは可愛らしい。
しかし、キレというか、映画の目的が完全に女の子趣味に走っており、これはちょっと不味いんじゃないのか?
カワイイお菓子や衣装をそんなに見せっぱなしにしなくても。
中盤のBow Wow Wowの"I want candy"が流れるmusic video風のお菓子と衣装が並ぶ映像、これがやりたかっただけなのでは。
これだったら、トレーラーで全て完結しちゃってます。
ソフィア・コッポラの以前の2作品はどういう文句を付けられようが擁護しますが、本作はどうかと。
ヴェルサイユ宮殿での3ヶ月に渡るロケの成果に首をかしげます。
映画ではなく「女の子の好きなモノ」カタログを見ているような感覚です。
本作は「少女性」とか「女性的」とかの比喩的な意味での映画ではなく、見た目だけの女の子趣味に陥ってしまった。これはイカンですよ。
女の子モノだったら、まだ「アメリ」の毒を含んだアウトプットの方が好きです。
設定だけがマリー・アントワネットであって、違うお話なのでは。
多分、フランスの人が観たら怒るだろうなぁ。
同じお話だったら「ロスト・イン・トランスレーション」で既に殿堂入りしているので、新しい方法を見せて欲しかった。
キルスティン・ダンストがカワイイ。
以上です。
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