「長野行。その2(たぶん。)。」のつづき。
降り立った駅は、駒ヶ根駅からひとつ南にある、小町屋駅。
何度も、僕は間違えて、小屋町と言ってしまう。
駅は、去年末、駅東側の土地区画整理事業の一環として改修されて、非常に綺麗。
駅を出ると、無人駅にもかかわらず、ロータリーがあり、バスの停留所やタクシー乗り場がある。
こちらもできたばかりで、非常に綺麗。
そんな造成されたばかりの街を通り、写真を撮りながら東へ道なりに歩く。
空き区画に咲いているコスモスが、これまた綺麗。
実は、自信を持って歩いているように見えて、そうではなく、家を出る前にもう一度、小町屋駅からのルートを確認しておくのを忘れていたのだ。
しかし、それでも、道なりに歩いていき、やがて、伊南パイパスとの交差点「下市場」の横断歩道を渡りきった時、少し遠くに、今日最初の目的地らしき白い建物が、もう見えてきた。あとは、そのお店がお休みでないことを祈るばかり。そう、営業時間はわかっていたが、定休日などは調べていなかったw。
交差点からまっすぐその建物へ向かう。しだいにお店の看板が確認でき、その建物が目的地であることを確認する。
建物の窓を見ていると中に人の気配が感じられない。
「もしかして…。」
そんな不安をいだきながら、とりあえずはお店の前には行ってみようと、さらに、その建物に近づいていった。
建物の前にたどり着いた時、今まで見ていた窓はお店の窓ではなかったことに気付く。お店の入り口は、建物の向こう側にあり、それに伴って、お店の窓は僕の進んできた方向からは見えなかったのだ。
そのお店の窓から中の様子を窺うと、女性の店員さんらしき方がいるのがわかった。どうやら、営業しているようだ。
お店の前で、何を注文しようか、しばらく立ち止まって考えたが、結局、何も決めず、お店の中へ入って行った。
このお店の名前が、「アンシャンテ」という。
先日、こちらでエントリーしていた、藤原新也さんがエッセイの中で、「日本一うまいカレー」と唸った、そのカレーのお店だ。
このお店でのことは、そちらのエントリーを参照してもらいたい。
さて、本当においしかったカレー食した後、お店を出て、また、小町屋駅へ戻る。
その道を歩くに、藤原さんがそのエッセイの中で書いておられたように、本当に普通の田舎の家々の中に突然カレーのお店がある、といった感じだ。駅前にある、ということでもないし、考えれば考えるほど、人の出会いや営みに偶然さの不思議を感じる。
そして、そのカレーの味に藤原さんが出会い、また、僕もそれによって、うまいカレーに出会い、この長野の風土にも出会っている。
もう、感激と感慨を心にかみしめていた。
この時点で、長野に来てよかったし、半分以上、今回の長野行は、大成功と言えた。
その4。につづく(たぶん。)。
TB。--------
「junzirog:長野行。その2(たぶん。)。」
「junzirog:『アルプスの臨界現象カレー』」