今週8日に東京・立川で発生した小学校侵入傷害事件。
まずは怪我をする児童が出なかったことは不幸中の幸いだったと思います。
教職員の皆様方は非常に緊迫した状況の中でよく児童を守られたと思います。
記事にもありますように、怪我をした教職員5人の方の一日も早いご回復を願わせていただくのと同時に今後は何よりも現場に対峙した児童や教職員の心のケアだと思われますが、おそらくこちらは長い期間のケアが必要と思いますので、教育委員会から派遣されたスクールカウンセラーの方も含め、関係者の皆様のご尽力が実ることを願っております。
さて、今回の事件について、報道では校内に不審者が侵入したという点で、2001年に起きた大阪府の大阪教育大附属池田小の事件が前例として挙げられているようですが、本質として今回は違うように感じていて、今回の事件前には児童間のトラブルをめぐり児童の母親と担任教諭の面談があり、その内容に納得しなかった母親が今回の事件を起こした知り合いの男性2人を呼んだ経緯があるので、今回の犯行の矛先は当該の相手の児童以外は、学校の対応、つまり教職員にそもそも向かっている点で違うと思います。
いわゆる、今は死語かもしれませんがモンスターペアレントが起こした事件と言えるのではないでしょうか。
しかし、ちゃんとした大人であれば、このようなことを大人として起こしてはいけないことはわかるはずで、それをあえて起こしている点で、彼らを弁護するつもりはさらさらないですが、この時点までに彼らが受けてきた教育に考えが及びます。
暴行容疑で逮捕されたのは40代と20代の男性2人(これも親子?)ですが、この2人が義務教育を受けていた頃も含め、ずっと昔からこれまでの学校の教職員の激務が最近になってやっと問題となっている中で、もしかするとそういった激務の中で発生していた現場の問題に彼らが受けてきた教育現場の不行届きがあったのかもしれません。もちろん学校の現場だけの問題(彼らの育った家庭の問題もあるはず)ではないはずですが、逆に学校の教育が昔からもっと充実していれば、彼らが受けた教育にももっと違いがあったのかもしれないと思うのです。
もちろん、この前提にはそもそも当人の問題もあるわけですが、昨今人が育つ環境も重要と考えている中での今回の事件で、彼らがこれまでに受けてきた教育現場の不幸が、今も続いていてこれからも続いていくのであれば、それは日本全体にとっての不幸であり、早急に改善が求められるのではないか?と思うのです。
今回の事件で学校の警備の充実を訴える向きもありますが、児童の保護者という立場である以上、校内には入れてしまうでしょうし、またその関係者であれば判断に躊躇するでしょうから、完全には防ぎきれず、対症療法でしかないので、根本的に原因療法を取るにはそのような犯行をしてしまう人に対してのあらためての教育しかないように思うのです。
そして、そうならないためにも今の教職員の労働環境の改善を図った上での教育の充実を行わられなくてはならないと思い、それにはやはり政治や行政の役割が重要で、それが長らく行われていないのは、いつも言う「政治の貧困」なのではないか?と思うのです。
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