「長野行。その1(たぶん。)。」のつづき。
以前、長野・伊那市に住んでいた職場の女の子から、JR飯田線のことは話に聞いていた。
無人駅が多く、本数が少ない。しかも、乗務員がワンマンの時もある、と。
飯田線の車両に乗って、いきなり、そのワンマンの電車だった。
ワンマンの時は、前に乗ったほうがいい、と聞いていたので、一番前に乗ってみると、バスのように運賃箱があり、運転席には車内などの確認のためのミラーがついている。
時間が来たので、発車した。というか、「発車します。」と言ってから、実際に車両が動き出すまでには、何分かかかった。
ドアを閉めるために安全を確認し、ドアを閉め、さらに、安全を確認し、やっと加速しだす。しかも、一回目の加速では車両はビクともしない。「ガシャ!」という音だけ。2回目の加速でやっと動き出し、スピードが出てくる。
しばらくして、次の駅に着くが、着いたら、ドアは開かない。
乗る人は自分でドアを開け、降りる人は、運転手が確認する中、運賃箱に運賃を入れてから、ドアの開くボタンを押して開け降りる。(無人駅の場合。)
なので、乗客がその動作に時間がかかると、その分、ダイヤは遅れることになる。
東京メトロ・丸の内線のワンマン運転とは訳が違う。そして、大阪人気質のある僕にとっても、その光景は異質に感じた。
さすが、田舎である。それで、文句の言う人はいない。のんびりしている。
さらに、ホタルで有名な辰野駅や、僕が降りる駅のひとつ手前の駒ヶ根駅で、5~10分の停車があり、逆方向の電車をやり過ごしていく。
乗客は、休みでもクラブ活動のある高校生、たまにサラリーマン、そして、おじちゃん、おばちゃん達だ。
駒ヶ根駅で、そのほとんどの乗客が降り、残った乗客は僕を入れて数名だったが、時間が正午前だったのにも関わらず、僕以外、全員寝ていた。
何ともいえない、この時間の速度の遅さ。のんびりさ。
せかせかしていないところが、この地域に住む人たちの人間味を豊かにしていそうな気がした。
僕はこの時間の流れ方は好きである。
そして、しばらくして、電車はやっと動き出し駒ヶ根駅を出て、僕が降りる予定だった、最初の目的地の最寄駅に到着する。
その3。につづく(たぶん。)。
TB。--------
「junzirog:長野行。その1(たぶん。)。」