備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム228.古代備中国の中心部(その5・鬼ノ城)

2009-12-18 22:36:20 | Weblog
鬼ノ城(きのじょう)。
場所:総社市奥坂。JR吉備線「服部」駅の北西約2kmのところに「砂川公園」がある。自動車で行くなら、国道180号線「国分寺口」交差点から北に向かい、岡山自動車道の高架下を潜ると、県道271号線(総社足守線)に入ると案内板がある。「砂川公園」から約3km北上すると、「鬼城山ビジターセンター」があり、駐車場がある。そこまでの道路は狭く、休日にはハイキング客も多いので、注意。
「鬼ノ城」は鬼城山(397m)山上に築かれた古代の山城(国史跡)で、朝鮮式とか神籠石式山城といわれる。石垣や土塁、礎石などの遺構が発掘されており、「西門」などが復元されている(写真上)。かなり大規模な山城だが、備前国の「大迴小迴山城」(岡山市東区草ヶ部)と同様、「日本書紀」などの史書には記載がない。「鬼ノ城」という名は、「温羅」(うら)という鬼の居城であって、四道将軍・吉備津彦命と戦って敗れたという伝説による。
一般には、7世紀後半、唐・新羅の侵攻からの防御用に築かれたとされる。備中国府・国分寺・総社宮などの主要施設の北にあり、位置や距離感からも、これらの関連施設と感じられる。
備前国の場合、「鬼ノ城」に相当する「大迴小迴山城」の位置はやや微妙。というのは、備前国府址とされる場所と国分寺址がかなり離れているというのが、まず問題。「大迴小迴山城」は、備前国分寺址からは南東約2.5km(直線距離)と近いが、備前国府址からは北東約7kmで、やや離れている(「鬼ノ城」と備中国府址との距離は約5km(直線距離)。)。ただし、もし古代山陽道が上道郡ルートであったら(2008年12月24日記事)、そのルート沿いであり、また、「大迴山」・「小迴山」は、備前国府址・式内社「大神神社」などの背後にある「龍ノ口山」とつながっている。


総社市のHPから(鬼ノ城):http://www.city.soja.okayama.jp/kanko/kankochi/kinojo.jsp

鬼ノ城HP:http://alpha.c.oka-pu.ac.jp/kinojo/

鬼ノ城ウォーキングHP:http://park.geocities.jp/aenzic/index.html


写真上:復元された「鬼ノ城」西門


写真中:「鬼城山」展望台付近


写真下:「鬼城山」の少し先にある岩屋地区の「鬼の差し上げ石」



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