備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム170.最上稲荷(妙教寺・その1)

2009-05-13 20:15:11 | Weblog
最上稲荷教総本山妙教寺(さいじょういなりきょうそうほんざん みょうきょうじ)。→なお、独立した宗教法人であったが、平成21年7月に日蓮宗に復帰し、「最上稲荷山妙教寺」になったとのこと。。
場所:岡山県岡山市北区高松稲荷712。毎年、岡山県下最多の初詣客を集める観光スポットなので、特に案内は要らないだろう。
前項に記したように、最上稲荷のうち「妙教寺」と「龍泉寺」は備中国にあるので、採り上げないつもりだったのだが、行ってみると確かに面白いところだったので、少し書いてみたい。
最上稲荷は「三大稲荷」の1つだという。三大ナントカ、というのはよくあるが、誰が見てもこの3つ、というものは少ない。稲荷の場合、全国稲荷社の総本宮「伏見稲荷大社」(京都市)は外せないとして、2番目はいわゆる「豊川稲荷」こと「円福山妙厳寺」(愛知県豊川市)が普通で、3番目が一定しない。「豊川稲荷」は寺院(曹洞宗)で、神社ではないことから、「祐徳稲荷神社」・「笠間稲荷神社」など神社で3つ揃える手もあるし、岡山県人ならやはり「最上稲荷」を入れるように、3つ目に地元の有名な稲荷を入れる手もある。
さて、いわゆる「最上稲荷」こと「妙教寺」は、「豊川稲荷」と同様に神社ではなく、寺院。「豊川稲荷」こと「妙厳寺」は曹洞宗で、「妙教寺」は日蓮宗系の(寺院としての由緒は古いが)新興宗教。「妙厳寺」の本尊は千手観音で、稲荷というのは山門の鎮守神で、元はインドの神、ダキニ天。一方、「妙教寺」は本尊が最上位経王大菩薩で、神仏混淆のまま、この菩薩自身が稲荷神と考えられる。
なぜ稲荷神が寺院で祀られているのか、それは次項で。

ところで、「妙教寺」では、吉備路の「合掌の里」というキャッチフレーズを使っているが、参拝者はたいてい神道式の「拍手」を捧げている。


岡山最上稲荷総本山(妙教寺)のHP<音が鳴ります。>:http://www.inari.ne.jp/


写真上:妙教寺の本殿「霊光殿」。神仏分離の考え方ならば、本来は鎮守社のはずだが、「最上稲荷」の中心となっている。


写真中:根本大堂。普通の寺院では本堂とか金堂とか言われるところだろう。本来の妙教寺の中心はこちらだろうが、本殿より参拝者は少ない。


写真下:旧本殿(霊応殿)。仏堂の後ろに神殿がある造り。

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