
今回は21世紀建築の方向性を示した脱構築建築の雄である
二人の前衛建築家の建築作品世界観の理由を述べて見たい。
「キーワードはアート・美術の勉強をしている」
1. 一人は建築界のノーベル賞と言われている、アメリカのプリッカー賞で
初めて女性建築家で受賞した天才建築芸術家の故ザハ・ハデイットは
なぜ、世界の建築界で21世紀建築の方向性を示したのか?
ザハは最初のころはロシアアバンギャルドの画家マレービッチなどの影響が
大きく受けている。この美術分野で画家作品から強い影響を受けている事の意味が
今回の大きな意味である。
また、マレービッチのドローイングをミースファンデル-ローエの
ドローイングと似ています。
いずれにせよザハは初期の建築作品はソ連の前衛美術家マレービッチ
などの影響があり、彼女本来の”女性が持つ美しい優しい曲線と曲面の
数々の詩的造形言語”をもつ、もはやブランク-シ、アルプなどの抽象彫刻と言える
かたちに結びついた事で世界でその圧倒的な独自性で新しい地平を
切り開いたと云える。これはようかんや墓石が林立しているような都市空間の
我が国の景観のアンチテーゼと云える。アメリカの高層ビルの古典である
ニューヨークのクライスラービルなどは、上部の意匠が特徴があるので
個性を感じるのである。似たり寄ったりの何の個性もない我が国の都市空間
は国民性そのものを表しているように感じる。
ここにテートギャラリー(英国)での講演を記載する。
http://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/talks-and-lectures/zaha-hadid-and-suprematism
複数の賞を受賞した建築家Zaha HadidとAchim Borchardt-Hume、Tate Modernの展覧会長 、 Malevichのキュレーターの間の討論の夜。
ハディッドの建築概念と空間と都市との関係を考えてみると、この会話はロシアアバンギャルドのアーテイストで有名な、マレーヴィチのArchitektonsや他のSuprematismの作品を自分の建築初期練習のための形成的なインスピレーションとして反映しています。
マレヴィッチはこれらの建築物を根本的な建築形態を通した社会変革の手段として実験していたのに対し、ArchitektonsのようなSuprematismの容積組成は内部空間の新しい可能性を創出するために利用された。 これらの作品の目新しさ、純度、独創性は、芸術と建築の両方において新しい認識心理学を育んだ。
Zaha HadidとSuprematismのつながりは、1976-77年の建築協会の卒業論文であるMalevichのTecktonikから始まり、 Malevichからの視覚的に解体された影響を受け、それを14階建てのロンドンの出発点として使用することから始まり、ホテルのコンセプトデザイン。 この興味の後、1993年にザハ・ハディッドはニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館からロシアのアヴァンギャルド「大いなるユートピア」の百科事典を展示するための展示デザインを作成するよう求められました。 ハディッドは、最近、彼女の関係をSuprematismに示すことを続け、 Galerie Gmurzynska Zurichでの展覧会のデザインとキュレーションは、20世紀初頭のロシア美術作品と並行して行われます。
2. 2番目はやはり反逆の前衛芸術家としては、やはりこのフランクゲイリーが
いる。もう87歳にもなるばりばりの建築芸術家である。
いつものゲイリーの特長である、金属の外装建築である
”初期の神戸のレストランの魚とうろこ”このTEDの講演のスライドに登場する。
グゲンハイム美術館の分館であるスペインのビルバオをはじめ、模型もやはり
アバンギャルドで実にゆかいでそれ以前の建築を飛び越え自由に表現している。
それはまったく建築よりも彫刻家のそれに近いと感じる。しかし、その裏には
超複雑な多種の金属を工場で事前に発注して、納期、予算など正確に治める
世界中の多数の建築構造設計家ネットワーキングで、専用のコンピューターと
計算ソフトウエア-の会社を設立して代表者でもある、”建築工学家”の面も持つ。
そして若い時代にフランスに遊学した時に多くの彫刻家と詩人との交友が
その原点でありアメリカの画家ジャスパー・ジョーンズや日本の文学(円地文子、三島)
などの影響もある。友人である柔らかい彫刻やThink Bigがテーマのオルデンバーグとの
交友は実際にオルデンバーグの巨大な双眼鏡とのコラボレーション建築まであるのが
実にゆかいなユーモアという建築では、未知のテーマを取り込んだ建築アーテイスト
でもあると感じる。もはやジャズのアドリブであり、”逸脱”であり”Out”という
“掟破り”なのだが、ジャズはそういう掟破りのアーテイストが、新しい音楽表現を発展
して来た歴史がある。ゲイリーはカナダ人だがアメリカはそういうクリエイテイブが
生まれてくるやはり自由で希有な国だと感じる。
彼も前人未踏の世界を、自らの美術的な創造的想像力をフルに生かして
完全燃焼していると感じる。
87歳の現役、前衛建築芸術家であるフランク・ゲイリーのTED
でのプレゼンテーション。君も負けないようにがんばろう!
https://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20170228-00000231-ted&utm_source=taboola&utm_medium=exchange
フランク・ゲイリー自身の説明による、自己の建築作品の
アイデアと建築意図の説明、ならびに彫刻家オルデンバーグ
との交友とコラボレーション建築の例証など、87歳のパワフルな
TEDでの貴重なプレゼンテーション事例。
103歳で死ぬ数日前まで現役で建築家であった、ブラジルの
オスカーニーマイヤーと同じ、パワフルな建築が使命で生まれてきたアーテイストだと
感じるのは私だけではないと思う。だから、これから受験する若き建築家の卵の
皆さんはこういう勇気溢れる良き”建築芸術家の仕事をみて、私はやはり美術の勉強を
大いにやること、コルビジェやライトがいう自然をよく観察してデッサンする事から
学ぶ事がその答えだと思われる。
高橋順一公式サイト
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