左から『アバド マーラー全集』(1989~2005年 1・3~9 BPO、2 LFO、全てライヴ)、シカゴ響との第7番 (1984)、最初の『アバド マーラー全集』(1976~94年 1・2・5~7CSO、3・4・9・10 VPO、8 BPO、8~10はライヴ)。
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アバド指揮による全てライヴ収録のマーラー全集 (左写真) がアマゾンから郵送便で届きました。 2番を除いて全てがベルリン・フィルを振ったものです。 2番はルツェルン祝祭管弦楽団です (チェコ製 11CDs $28 ¥3,658)。
アバドは以前にもマーラー全集もの (右写真) を出していますから、これは2つ目の全集です。 けれど 8番のベルリン・フィル演奏は同じライヴ音源です。 この曲は大掛かりで、そうそう何度も振れないだろうと想像しますね。 何せ “千人” ですから。
7番は単品で既に保有していましたが (中央写真)、いい演奏だったと思います。
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ロッシーニやヴェルディを得意とする イタリア人のアバドがなぜマーラーも得意としているか、それはミラノという北イタリアの歴史も関係しているのではないかと想像します。 ハプスブルク家のオーストリアが長らく北イタリアを統治していたため、自然とドイツ・オーストリアの文化が浸透していたのでしょう。
ですからベートーヴェン、ブラームスも得意な演目に入るようです。 ベルリン・フィルの常任指揮者に選ばれた理由の1つが、決定前のブラームス・ツィクルスが楽団員にも好評だったからと音楽雑誌で読んだ記憶があります。
常任指揮者就任前にはウィーン・フィルと、就任後にはベルリン・フィルとベートーヴェン交響曲全集録音を完成していますが、私は前者を推薦したいですね。 後者はどれだったか曲番は忘れましたが、CD を聴いて あまりに小編成で室内楽的なベートーヴェンにがっかりした記憶があります。
ウィーン・フィルと完成したのは、聴き慣れている大編成版でしたから、これはいいと思いました。 ベルリン・フィルとの完成前に ソニーから発売された BPO との9番 (96年録音) は普通の大編成版で、これもいいと思います。
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ウィキペディアから __ クラウディオ・アバド (Claudio Abbado 1933~2014) は、イタリア・ミラノ出身の指揮者。 1956年からウィーン音楽院で指揮をスワロフスキーに学び、59年に指揮者デビューを果たした後、カラヤンに注目されてザルツブルク音楽祭にデビューする。
68年にミラノ・スカラ座の指揮者、72年には音楽監督、77年には芸術監督に就任する。 イギリスでも79年に ロンドン交響楽団の首席指揮者、83年には同楽団の音楽監督となった。 86~91年にはウィーン国立歌劇場音楽監督に就任した。 90年 カラヤンの後任として選出され ベルリン・フィル芸術監督に就任し、2002年まで在任した。
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2000年に胃癌で倒れる前までは若々しい風貌だったのが、その後 急に老け込んでしまったように感じます。 ウィーン音楽院での同期生にライナー・ブロックがいます __ この人は指揮界ではなく、DG に入社し、アバド録音のディレクターを務めました。
アバドの芽が出たのは、カラヤンに推薦されてザルツブルク音楽祭にマーラー2番「復活」でデビューしてからだったと記憶しています (ブロックはカラヤンの眼に留まらなかったのですね)。 直後に ウィーン・フィルとメンデルスゾーン3番・4番のレコードを発売した記憶があります。 当時はアバドを全く知らず、何でこんな若い指揮者が名門楽団と DECCA に録音するのか不思議に思いました。
ほぼ同じ時期にカラヤンの眼に留まったのが小澤征爾です。 彼もザルツブルク音楽祭でカラヤンのアシスタントを務め、翌年『後宮からの誘拐』でザルツブルク音楽祭にデビューしました。 レコード会社が録音しようとオファーしてきたのですが、なぜか小澤は断り、クリップスが指揮して録音しました (EMI)。 この辺りの経緯は不明です。
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マーラー全集を聴いてのブログはこれからです。
今日はここまでです。