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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

死者の財産も管理

2011年10月20日 | 海外世相あれやこれや
写真は、Breakfast at Tiffany‘s からと、中央はピエール・カルダン。
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ヘプバーンの写真を使った広告は、何となくオシャレで、上品なものを感じさせる。 そういう雰囲気を期待したい企業にとっては、彼女の写真は現役女優のそれよりも価値があるのだろう。

だから 女優オードリー・ヘプバーン (1929~93) は亡くなったが、いまだに人気があり、度々現役時代の映画の中のスティル写真が使われて よく雑誌新聞に登場する。 写真下に権利管理社名らしきものが書かれており、これが死者の権利をライセンス行使していたのだった。 もっとも 映画の中の写真ということになれば、映画製作会社にも権利の一部があるから、ライセンス料は分割されるのだろうが。
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「アインシュタインもマイケルも死んでから荒稼ぎ__今は亡き有名人に仕事を取ってくるマネジャーたち」(10月14日 石 紀美子/JBpress) _ ※追加1へ
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有名人の残した写真を今でも見たい人が大勢いるから、それを使えば 掲載を依頼した企業などは利益を上げることが期待できる。 ただし その企業が得体の知れないアングラ的存在だったら、使われる写真の本人の価値が下がることにもなりかねない。 下がったら、他に使っている企業が損失を被ることに繋がるかも__ここに、死後の知的財産を管理する会社が出てくる理由があるのだろう。

管理するにはコスト (殆ど人件費だろう) がかかるから、それ相応の使用料が発生する。 価値が高い知的財産は、死者であろうと 生存者であろうと変わりはない。 価値を維持する管理会社があった方がいいと思う。
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フランスのファッション・デザイナーにピエール・カルダン (1922~) がいる。 彼のデザインは1960~70年代に一世を風靡したが、今は恐らくその知的財産の価値はかつてよりも下がっているだろう、特に日本では。 というのも、日本における管理会社が失敗し、カルダンのイメージを壊すような製品にも使用を許可したからだ__それはトイレ・スリッパだった。 オシャレで上品な筈だった彼の雰囲気がトイレ用品ではねぇ。

日本人で世界的な知的財産価値のある人物は誰だろう。 徳川家康、葛飾北斎、小泉純一郎、小澤征爾、オノ・ヨーコ、イチロー あたりか。 しかし 広告に使われるのはイチローしかいない。 一般人気からして、小澤征爾は音楽界だけで、その中の御大カラヤンですら広告には使われない。 上品さや、知的さはあっても、一般的な製品や雰囲気には似つかわしくはないからだろう。

亡くなった映画俳優 三船敏郎が、「男は黙って」といったビール広告、「ウ~ン 寝てみたい」といったベッド広告があったが、カラヤンが "男は黙って" では、おかしなものになってしまう。 イメージに合わないからだ。

以上


※追加1_ 最近、米国の芸能界では「ピークが過ぎたら、早く死んで稼げばいい」という軽口が流行っている。

知的所有権の保護が厳格な米国では、マネジメントさえきちんとすれば、有名人は死後も莫大な所得を得ることができる。

2011年7月に、2年にわたる世界ツアーを終えたロックバンドの U2 は、1つのツアーの総収入として史上最高額の 7億4000万ドル を得、ローリングストーンズが保持していた記録を塗り替えた。

ところが、U2 のツアー開始と同時期にこの世を去った歌手のマイケル・ジャクソンは、死後2年でおよそ 10億ドル を稼いだと推定されている。

マイケルは、2010年にフォーブス誌が発表した「死亡後に稼いだ有名人」番付では断トツの1位となった。 トップ10入りした他の有名人の収入をすべて足しても遠く及ばないほど、彼は死んでから稼いでいる。

死後に稼ぐ有名人は、歌手や俳優にとどまらない。 エルビス・プレスリーやマリリン・モンローと並んで常に番付入りしているのは、舌をぺろっと出した写真が有名な、物理学者のアインシュタイン博士である。 あの写真だけでも、相当な額を稼いでいるらしい。 ライト兄弟も精神分析学者のフロイトも、事務所に「所属」して仕事をしている。

他には、スヌーピーで有名なマンガ「ピーナッツ」の作者、チャールズ・シュルツや、「指輪物語」の作者、J.R.R.トールキンも常連である。

 ● 今でも引っ張りだこのアインシュタイン ●
日本でも歌手や作家が死後に印税で稼ぎ続けるのは珍しいことではない。 しかし、米国では死後もマネジャーがついて、新しい仕事を取ってくるのである。

前述したアインシュタインの死後の「仕事」の1つに、早期幼児教育の教材を世界的に販売する「ベイビー・アインシュタイン」に関するものがある。 赤ちゃんや幼児を対象としたビデオやおもちゃが商品で、名前以外はアインシュタインとなにひとつ関係のない内容だ。 しかし、アインシュタインの名前を使うことが、商品のイメージアップにつながるのであろうか、この会社は莫大な名前使用料を毎年、アインシュタインのマネジメント会社に支払ってきた (この会社がウォルト・ディズニーに買収されるまで)。

アインシュタインは、他にイタリアの銀行や米国の自動車会社などのイメージキャラクターとして起用されたり、任天堂のゲームになったりしている。 アップルのパソコンに太鼓判を押すという仕事もあった。 いずれも、所属事務所と彼のマネジャーが仕切り、きちんと「ギャラ」を受け取っている。

ギャラの行き先は、遺族か、相続権のある人や団体などであるが、もちろんマネジメント費として一定の割合が差し引かれている。

 ●「有名人が死ぬならカリフォルニアが一番」●
この世界には、2人の大御所マネジャーがいる。 1人は、ロジャー・リッチモンド氏。元々はカリフォルニア州の知的所有権専門の弁護士だった。 彼のところに、ある俳優の遺族から「どのように肖像権を守ればいいか」という相談があった。 これをきっかけに、死んだ有名人を守る法律がないことを知る。 1980年代のことである。

彼は州に働きかけ、自ら法律の草案を書き、後に死後の権利を守る法律のモデルとなった「1985年の有名人の権利条例」が成立することに貢献する。

条例は、州内で死亡した有名人に限り、死後70年間にわたり「名前、声、署名、写真または映像の無断使用」を禁じた。

この後が米国らしい。リッチモンド氏は、死んだ有名人のタレント事務所をすぐに立ち上げた。 所属タレントは、女優のメイ・ウエスト、ジェームズ・キャグニー、バート・ランカスターなどの往年の大スターから、フロイトやアインシュタインといった学者まで幅広く揃えた。

噂を聞きつけた有名人の遺族が次々と駆け込み、リッチモンド氏の会社は急成長を遂げた。 荒稼ぎした10年後にビル・ゲイツ氏が所有する映像データバンクの会社に買収され、リッチモンド氏は事実上引退した。リッチモンド氏の口癖は、「有名人が死ぬならカリフォルニアが一番」だった。

 ● 最初に契約したタレントはエルビスとジェームズ・ディーン ●
リッチモンド氏は、自ら遺族や相続権のある人物に接触して事務所に誘うことは決してしなかった。 また、遺族が熱望しても、有名人が死んでから一定の時間が経たないと、契約を結ぶことはなかった。

この点は、もう1人の大御所マネジャー、マーク・ロースラー氏と違うところである。

ロースラー氏は、著作権専門の若き弁護士として、画家のノーマン・ロックウェルの著作権を持つ出版社に就職した。 やはり80年代のことであった。

そこでリッチモンド氏と同様に、有名人の死後、彼らの権利やイメージを守る法律がないことに気がついた。そして、CMG ワールドワイドという名の、死んだ有名人をマネジメントする会社を立ち上げた。 CMG ワールドワイドは、現在、最も多くの死んだ有名人を扱っている。

ロースラー氏が前述のリッチモンド氏と異なっていたのは、精力的にタレントの「勧誘」をしたことだ。 そして所属タレントたちに新しい仕事を積極的に取ってくることであった。 生きている有名人と似た形でマネジメントするのが特徴だ。

会社を立ち上げて最初に契約したタレントは、エルビス・プレスリーとジェームズ・ディーンだった。 ジェームズ・ディーンの遺族は、彼が死んでからロースラー氏が訪ねてくるまでの30年間、印税や権利使用料を 1セントも手にしていなかった。 それどころか、自分たちにそんな権利があることすら知らなかったという。

どうしてもドアーズ (1960年代に活躍したアメリカのロックバンド) のジム・モリソンの権利を獲得したくて、彼が死ぬ直前にガールフレンドと結婚の儀式をしたという話をもとに、そのガールフレンドの母親を探し当てて事情を説明すると、平手打ちをくらい追い出されたという逸話もある。

こうしたアグレッシブなビジネスに対する姿勢が功を奏して、今やマリリン・モンローからオスカー・ワイルドに至るまで 250人もの死んだ有名人をマネジメントし、世界的に展開するにまで成長した。

 ● スキャンダルも逮捕されることもない ●
CMG ワールドワイドの本社があるインディアナ州は、有名人の権利保護を100年まで認めている。 しかし、インディアナ州やカリフォルニア州のように、有名人の死後の権利を保護する法律があるのは、全米で 13州のみである。

知的所有権の概念がかなり広まってきたといっても、米国でさえ、まだ万全の保護体制からはほど遠い状況だ。

死後の有名人を扱うリッチモンド氏やロースラー氏のビジネスには賛否両論がある。 しかし広告業界やエンターテインメント業界では、タレントが突然のスキャンダルに巻き込まれたり、逮捕されたり、有名になる前に撮った怪しい映像がネットで流されたりするような心配がないため、「低リスク高リターン」だと評判がいい。

10月末はハロウィーン。 米国の町は、おばけの飾りやパンプキンの飾りで気分が盛り上がっている。 死者の霊が甦って遺族を訪ねてくるとされるこの季節だが、米国の有名人の霊は忙しくてそんな暇はないだろう。

以上

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