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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

サルスエラはう〜ん …

2025年08月19日 | 歌も様々あります
手持ちのサルスエラ CD __ 左上から『サル作品集』(マルケヴィッチ指揮 RTV スペイン響 他 Philips)、『カレーラス サルを歌う』(Ensayo)、『港の居酒屋の女』(ソロサバル作曲 Auvidis)、左下から『ドミンゴ サルの夜』(Rne)、『ロスアンヘレス サルのアリア』(EMI)、『ドミンゴとローレンガー サルのアリアとデュエット』(CBS)
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スペインの歌芝居ともいわれる “サルスエラの歌もの CD” (上記6セット) を聴いて、やっぱり (残念ながら) 伊独のオペラ・独のオペレッタなどに比べて、面白みがイマイチだなと再認識しました。 名歌手 ドミンゴが3セットも吹き込んでいるんですが、それでも __ なお ドミンゴはこの他にも EMI にサルスエラ集を録音していますが、未聴です。
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個々に見ていくと 下右の『アリアとデュエット』(CBS) ですが、ドミンゴの歌唱は張りがあって強烈です。 共演しているローレンガー (S) の声が軽く吹っ飛んでしまいそうなほどです。 この時のドミンゴがホッソリした体型なので若い頃と思い、録音年を見ると1983年ですから34歳。 ローレンガーは55歳。 体力差があって当然の年齢差です。

この CD を収録したエンジニアがジャック・レナー、使っている機器がサウンドストリーム製と小文字で記載がありますから、もろに米テラークの技術陣・機材だとわかります。

想像するに 米 CBS がテラークの技術陣を機器ごと借り出してライヴ録音したのでしょう。 録音は成功しましたが、びっくりするほどの優秀録音かどうかは分かりません。 そして 演奏会場のザルツブルクのホールにはスペイン人が大勢やってきたのでしょう、歌唱が終わると同時に “異常なほど盛大な” 拍手が毎回湧き起こります。
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そもそも サルスエラがなぜ 世界的な評判とならず、一方では独のオペレッタはそれなりの評判をとっているかと考えると、全幕通して聞き続けられるほどの親しみやすいメロディが少ないのだと想像します。 オペレッタには 何といっても名曲の『こうもり』『メリー・ウィドウ』の2作があり、これらは毎年ドイツ・オーストリアの劇場で上演されています。 日本でもたまに上演されます。

両親がサルスエラ歌手で劇団を経営していたという ドミンゴが全幕を録音したのが、ソロサバルの『港の居酒屋の女』(上右) です。 中の1~2曲の歌は魅力的です。 また 彼はペネーリャ作曲『山猫』(下記 DG) も録音しています。 共演はポンス、ベルガンサの一流どころですが、どんな曲なのか知りません。 ジャケを見ると まるで …『カルメン』かと? 面白ければ YouTube などで投稿されるはずなんですが … 下右は YouTube に投稿されたコンサート会場録画の『山猫』の一節です。 白髪となったドミンゴを視聴してみましたが __ う~ん。



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これらの中で “聴き物は?” と考えると、マルケヴィッチ指揮 RTV スペイン響による『サルスエラ作品集』(冒頭上左 Philips) だと思います。 抜粋集とはいっても10人もの独唱者が参加しているのですが、指揮者のイーゴリ・マルケヴィッチの存在が光っているように感じます。

詳しい経歴は不明ですが、「1965年よりスペイン放送交響楽団で活動した」(ウィキペディア) そうですから、そこで評判を取り 聞きつけた Philips が録音したのではないでしょうか。 評判が悪ければレコード会社が常駐しないマドリードまで乗り出す事はないですからね。

マルケヴィッチ指揮 RTV スペイン響『サルスエラ作品集』については、下記のブログで詳しく解説している人がいましたので、抜粋を転記しました __
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サルスエラ名曲集 (失われた楽しみ -Jerryの日記- https://diaryofjerry.blogspot.com/2020/10/blog-post_20.html)
ロシア生まれの巨匠、イーゴリ・マルケヴィチは、1960年代にスペイン、マドリッドにある国立放送局(RTVE)のオーケストラを指揮していたことは、あまり知られていない。 この頃スペインは独裁政権の時代である。 そして そのような中で、スペインの民族舞台劇であるサルスエラの名曲集をフィリップスに録音している。 このような珍しい CDは、掘り出し物の類であろう。 私は池袋の HMV に毎週のように出かけては、数枚のCD を買うという生活を繰り返していた時期があるが、ある日この CD が目に留まり、サルスエラとは何かもしらないままレジへ向かったのを覚えている。

サルスエラとは、スペイン語によるオペレッタのような音楽劇で、様々な歌や踊りが入れ替わり立ち代わり登場する賑やかなもの。そのごちゃまぜな様子は魚介スープ「サルスエラ」にも転用されている。 あの名歌手プラシド・ドミンゴは、両親がサルスエラの歌手だったこともあり、サルスエラに対する思いはことのほか強いようだ。「サルスエラのロマンス」という歌曲集もリリースしている。 また「三角帽子」や「恋は魔術師」で有名なファリャも、若い頃はサルスエラの作曲をしていたようだ。

この CD に収録されているのは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した作曲家の、12種類のサルスエラである。 情熱的な指揮、そして音楽は、冒頭からトランペットが鳴り響くことで始まる。カスタネットやトライアングルなどの打楽器も混じり、全編これスペインの音楽を満喫させてくれる。 終始ブンチャ・ブンチャのリズムが続く。 アリアや合唱が入る曲もあるが、どちらかというと管弦楽が主体の場面が多い。 例えば 有名なペネーリャの「山猫」からは、舞踊音楽「パソドブレ」が取り上げられている。

闘牛とフラメンコ。 このいずれにも実際には接したことはないのだが、その光景が目に浮かぶようである。 マドリッドを始めとするスペイン各地の大変有名な曲ばかりを集めているようだが、詳細はよくわからない。 この珍しい CD は、サルスエラとはどういう音楽か、ということを知る手掛かりとなることに加え、それをロシアの巨匠が大変生々しく指揮しているという風変わりな魅力に溢れた一枚である。 1967年の録音。
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今日はここまでです。

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