
英キャサリン妃「そっくりさん」登場、出産予定の病院前に (2013年7月20日)。 右は本物。
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私が “友人のタクラミ” に引っかかりそうになった話です。 二十代後半の頃だったと記憶しています。 ある日 会社で残業をしていると、同僚の同い年の男性から「これから うちへコーヒー飲みに来ない?」と声がかかりました。
彼は中途入社1年くらいの製品担当の人。 私は地域営業で同い年だったので、一緒に幾つか顧客を回ったりしていました。 彼はかなり積極的な仕事ぶりで、それなりに製品担当内で認められているようでした。 ただ 自信過剰な面もあり、諸先輩を差し置いて「俺がこの課を支えてるんだ」みたいな裏発言も多く、少しハラハラして見ていたこともあります。
また 個人的にも別口のアルバイト営業をしていて、私に「ブツダンいらない?」なんて訊くのです。「いらないよ なんで仏壇なんて勧めるんだい?」「うちの奥さんの実家が仏壇作ってるからサー」というんですが、どこまでホントだったか__
__10分ほど車で行くと、東急東横線沿いにある彼のアパートに着きました。 入ると 奥さんが待っていて、コーヒーをご馳走になり 30分位たわいもない話しをして、私は自分のアパートへ帰りました (その時は分かりませんでしたが、なぜ彼がお茶に誘ったか、後で分かります)。
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そして 1、2ヶ月くらい経ったある日の金曜日夕方、また 彼が誘うのでした__「今日 うちへメシ食べに来ない?」__この時も断る理由もなかったので、そのまま付いて行きました。 玄関を入ると、奥の部屋の座卓前に知らない妙齢の女性が座っていて こちらへ目を向けました。
私好みではない女性だったのが一目瞭然で、見た瞬間から “どうやってここを辞去しようか” との考えが頭にワーッと湧き上がってきました。 同僚は、”へっへっへ~” と小さく笑いながら (引っかかったなという意味の笑いでしょう)、彼女を紹介します__「あー こちら 奥さんの妹のA子さん」
その名前は、学生時代に私を振った “元彼女と同じ名前” だったのです。 それで一気にフンギリがつき、「えっ A子さん、… 悪いけど … 帰るよ」といって、踵を返して靴を履き直し始めました。 同僚も少し驚いた風で、「えっ 帰っちゃうの?」といってきましたが、無視しました。
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夕食を用意していたであろうA子さんと同僚の奥さんには悪いとは思いましたが、私は “A子という名前にはトラウマ” があったのです。 翌週 同僚に会うと、また “へっへっへ~” と笑ってきました (今度のは “引っかからなかったな” という意味の笑いです)。
あの場面で断らずに夕食をご馳走になっていたら、どういう展開が待っていたでしょうか? 恐らく 義理にもA子さんをデートに誘わなくてはいけない羽目になっていたでしょうね。 “義理デート” ほどつらいものはありません。
1回行けば、同僚が “どう うまくいってる?” と聞くだろうし、はっきり返事をしなければ、ホテルはもう行った? まだなら予約しておこうか?位はいい出さないとも限らない “超おせっかいな人” なのです。 結局 断ることになるのなら、最初から気を持たせない方がいいのです。
最初に彼のアパートに誘ったのは奥さんの “下見・品定め” 目的で、何人かの年頃の男を見て その中から自分の妹に紹介する男をチョイスしていたのでしょう。 その後 同僚は3~4年で退社し、自分の会社を興しました。
一度 顧客先で彼に出遭 (であ) ったことがありますが__その後は全く遭いません。 元気でやっているかな。 “好きな女は押して押して押し倒すもんだ~” などともいったりする エネルギッシュな男でしたから、それなりの人生をおくっていることでしょう。
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彼の心情を表す別のエピソードもあります。 当時 会社は四半期毎に社報を発行していました。 取り扱い製品の簡単な紹介、社員紹介、営業所紹介、経営者のその時々の方針を分かり易く披露、顧客の簡単な紹介、などなど ありとあらゆる会社に関する情報を入れて読み易い、いわば社内コミュニケーションツールとして社員や社員家族に、一部を取引銀行などにも配っていました。
当然 新入社員や途中入社社員の紹介も載せます。 途中入社の同僚の話しも載せましたが、私は最初 読んで気にしていなかったのですが、彼の紹介欄での意見が後ほどちょっと “物議をかもした” ことがあります。
“業績を伸ばすには、ある意味で顧客をダマスことも必要になることがあります” という書き下しです。 仕事熱心な彼らしいと思いましたが、これを読んだ取引銀行先から、こういう内容は商道徳上 問題ですよと指摘されたそうです。 確かによく考えると そうは思っても口に出さない方がいいことだろうと考え直しました。 銀行は色々なところをよくチェックしていますね。
以上