写真は恋人のネット画像から。 右は半分困ったような顔 (?) の男性表情と嬉しそうな女性カップル。
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私が “友人のタクラミ” に引っかかりそうになった話です。 20代後半の頃だったと記憶しています。 ある日 会社で残業をしていると、同僚の同い年の男性から「これから うちへコーヒー飲みに来ない?」と声がかかりました。
彼は中途入社1年くらいの製品担当の人 浜田さん (仮名)。 私は地域営業で同い年だったので、一緒に幾つか顧客を回ったりしていました。 彼はかなり積極的な仕事ぶりで、それなりに製品担当内で認められているようでした。 ただ 自信過剰な面もあり、諸先輩を差し置いて「俺がこの課を支えてるんだ」みたいな裏発言も多く、少しハラハラして見ていたこともあります。
また 個人的にも別口のアルバイト営業をしていて、私に「ブツダンいらない?」なんて訊くのです。「いらないよ なんで仏壇なんて勧めるんだい?」「うちの奥さんの実家が仏壇作ってるからサー」というんですが、どこまでホントだったか __
__ 10分ほど車で行くと、東急東横線沿いにある彼のアパートに着きました。 入ると 奥さんが待っていて、コーヒーをご馳走になり 30分位たわいもない話しをして、私は自分のアパートへ帰りました (その時は分かりませんでしたが、なぜ彼がお茶に誘ったか、後で分かります)。
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そして1、2ヶ月くらい経ったある日の金曜日夕方、また 浜田さんが誘うのでした __「今日 うちへメシ食べに来ない?」__ この時も断る理由もなかったので、そのまま付いて行きました。 玄関を入ると、奥の部屋の座卓前に知らない妙齢の女性が座っていて こちらへ目を向けました。
私好みではない女性だったのが一目瞭然で、見た瞬間から “どうやってここを辞去しようか” との考えが頭にワーッと湧き上がってきました。 浜田さんは、”へ っ へ っ へ ~” と小さく笑いながら (“引っかかったな” という意味の笑いでしょう)、彼女を紹介します __「あー こちら 奥さんの妹の千鶴子さん (仮名)」
その名前は、学生時代に私を振った “元彼女と同じ名前” だったのです。 それで一気にフンギリがつき、「えっ 千鶴子さん、… 悪いけど 帰るよ」といって、踵を返して靴を履き直し始めました。 浜田さんも少し驚いた風で、「えっ 帰っちゃうの?」といってきましたが、無視しました。
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夕食を用意していたであろう千鶴子さんと同僚の奥さんには悪いとは思いましたが、私は “千鶴子という名前にはトラウマ” があったのです。 翌週 浜田さんに会うと、また “へ っ へ っ へ ~” と笑ってきました (今度のは “引っかからなかったな” という意味の笑いです)。
あの場面で断らずに夕食をご馳走になっていたら、どういう展開が待っていたでしょうか? 恐らく 義理にも千鶴子さんをデートに誘わなくてはいけない羽目になっていたでしょうね。 “義理デート” ほどつらいものはありません。
1回行けば、浜田さんが “どう うまくいってる?” と聞くだろうし、はっきり返事をしなければ、ホテルはもう行った? まだなら予約しておこうか?位はいい出さないとも限らない “超おせっかいな人” なのです。 結局 断ることになるのなら、最初から気を持たせない方がいいのです。
最初に彼のアパートに誘ったのは奥さんの “下見・品定め” 目的で、何人かの年頃の男を見て その中から自分の妹に紹介する男をチョイスしていたのでしょう。 その後 浜田さんは3~4年で退社し、自分の会社を興しました。
一度 顧客先で浜田さんに出遭 (であ) ったことがありますが __ その後は全く遭いません。 元気でやっているかな。 “好きな女は押して押して押し倒すもんだ~” などともいったりする エネルギッシュな男でしたから、それなりの人生をおくっていることでしょう。
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元会社で同じ部署にいた30歳近い女性 近元さん (仮名) のケースです。 私は転部して他所に移っていったのですが、そこから元の部署に用事があって、社内電話をかけたときのことです。
電話すると、そのX子が受話器を取り、「はいXX部です」と答えたが、とっさに私の口から出てきたのは「あっ その “暗い声” は近元さんじゃない?」でした。 むっとしたのか 一瞬黙って、「失 礼 ねぇ〜」と怒られましたが、「だってホントに暗いよぉ」といったものです。
この女性 近元さんと一緒のチームにいた頃、昼休みに離れたところで 彼女がランチ仲間と一緒に食事して話しているのが聞こえたこともあります __
「自宅の母がうるさいのぉ。 休日に遅く起きると、『あんたの同級生は結婚して家を出て 休日には子供を抱いて自宅に帰ってくるというのに、あんたは何をしてるの? 昼まで寝てばっかりいて』なんていうのよ」と仲間に愚痴ってるのです。 別に聞きたいとは思いませんでしたが、女性の声はカン高いから普通にしゃべっても聞こえてくるのです。
なかなか結婚しようとしない娘に結婚を促すため、近所の例を出して婚カツさせようという母親のあの手この手の作戦が眼に浮かんでくるようです。 この女性も結婚したいのですが、どうも男が声を積極的にかけたい部類に入る女性とは思えず、親子も大変だなぁと人ごとながら感じ入ったものです。
ほっそりとスタイルは良くて笑顔もあるんですが、雰囲気が “暗く”、男もあまり選ばないだろうなと想像させましたね。 その後 結婚したとは聞かず、彼女は40前で外資系金融会社に転職しました。 いい巡り会いがあることをお祈りします。
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友人から聞いた話しです。 その人の妻の、お茶仲間にこういう人がいたそうです __
ちょっと “顔に自身のある” 独身女性 武田さん (仮名) が、付き合う男性が社長の息子とか名門の御曹司とかばかりで、「この間 こういう人とデートしたの、ああいう人とデートしたの」という自慢話で、聞かされるほうのお茶仲間の他の女性達は、うらやましいわね とかいいながら “うんざり” していたそうです。
そのうち 武田さん以外の女性達が次々に結婚して、武田さんが最後に30近くになって平々凡々なサラリーマンと結婚したと聞き、女性達は集まって祝杯を上げ “溜飲を下げた” そうです。
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私と1つ違いの先輩 飯野さん (仮名) や、先輩同僚 大島さん (仮名) ともよく一緒に飲んだものですが、 飯野さんは社内女性と結婚、2人の子どもが授かりました。 一度 駅前マンションに夫婦で訪問したことがあります。 その時は幸せそうでしたが、その後 飯野さんは元々競馬ギャンブル好きだったのが嵩じて、借金までしてのめり込むようになり、50歳前で退社しました (そして 離婚したらしいです)。
退社前 会社経理に「退職金の前借りはできないか?」とまで訊いてきたそうです。 当然それはなく、退職して退職金を入手 … その後 どうしたのかは全く分かりませんが、大方の想像通りになってしまったのでしょう。
先に書いた __ ボインのお年頃の独身女性 (原田さん) が入社して来ました。 1〜2週間後 独身男性が集まっての飲み会で、先輩が「今度ボインの子が入ってきたね〜😃」と嬉しそうにいうのですが、私はトボケて「え〜 誰のことですか」というと、「ばかっ ど こ 見てんだよ」と怒られてしまいましたが ...
大島さんの葬式にも飯野さんは姿を見せず (葬式前に訪問したらしいのですが)、会社同窓会にも現れません。 飯野さんの兄は時々出席するので、「飯野さんは元気ですか? 今はどちらに?」などと型通りの話しをして消息を尋ねると、兄は「行方不明で どこにいるか全然分からん」とトボケます。
恐らく知っているのでしょうが、いわないのです。 ギャンブルに身を持ち崩した弟とあっては、はっきりいいにくいし、本人も出席しにくいのでしょう。 ギャンブルから足を洗って、新しい人生を切り開いていることを望むだけです。 そして また会って、昔もこうしてよく飲みましたね、と思い出話などをしたいものです。
今日はここまでです。