
中内ダイエー帝国もバブル崩壊とともに、帳簿上の負債が大きく膨らみ、崩壊した。 倒産に至っていないのは、「大き過ぎて潰せない」と誰かがいったように、影響が大き過ぎるので国がつっかえ棒をしていたのだ。
積極的な M&A を繰り返して膨張して、今や連結売上 2.7兆円 を越える規模となったソフトバンクは果たして …
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「資金繰り不安払拭に必死のソフトバンク … M&A 凍結の真の狙い」(11月10日 日経ビジネス/中原敬太) _「無借金になるまでの間は、数千億円単位の大きな投資をするつもりは全くない」。 ソフトバンクが10月29日に開いた第2四半期決算の説明会。 孫正義社長の発言に思わず耳を疑った。
買収をテコに拡大し続けてきた同社にとって、まさかの「M&A (合併・買収) 凍結宣言」。 だが、「これを公言するのは、僕の人生プランの中でかなりのコミットメントです」と言うだけに、口を滑らせたわけではなさそうだ (※追加1へ続く)。
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ウィキペディアから__株式会社ダイエーは、 08年2月期売上 単体 8,360億円、連結 1兆1,960億円、総資産 単体 4,685億円、連結 4,920億円、従業員数 5,882人。 主要株主はイオン株式会社 19% 丸紅株式会社18% 有限会社 DRF 11% 丸紅リテールインベストメント株式会社 10%。 丸紅グループ全体では 29% を保持しており、実質的筆頭株主は、丸紅株式会社。 有限会社 DRF は、有限責任中間法人 DRF ホールディングス出資の会社で、株式会社アドバンテッジパートナーズと機関投資家らが組成するファンドが匿名組合員として出資する匿名組合の営業者 (※追加2へ続く)。
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経済アナリスト達も、ソフトバンクの積極的な M&A を何とも評価できなかった。 M&A のスピードが早過ぎて、評価する前にソフトバンクがどんどん先へ行ってしまうからだった。
その意味で、土地が値上がりし続ける間はダイエー帝国も負債を返せたのだが …、一方のソフトバンクの内情はよくわ分かりません。 大体専門家も評価できないのに、シロウトの私がこうといえる筈もないのですから。
ただいえることは、世界中の金融資産が目減りしている中、ソフトバンクも無傷ではないということです。 どんな資産があるにせよ、金融収縮とは無縁でいられない筈です。
私が解釈しているのは__「金融バブルは、信用を基本に経済活動していれば必ず起こる。 内部にいる人はバブルかどうかは分からない。 バブルが崩壊して、はじめて気付く。 始めからバブルと分かっていたら、バブルは発生しない」
ソフトバンクもこれまで M&A をすることで、買収した企業の資産を買収前よりも膨らませ、借りた買収費用を返却してきたと想像します。 手元資金だけではないでしょう。
9月以降の世界的な金融危機は、それ以前に買収して返済し切れていない企業の資産がどうなっているか、つまり大幅に減額する方向に影響していないかどうか。 それが減額していなければ、ソフトバンクは安泰かも知れません。
けれど、この世界的な逆風を避けられる企業は皆無と考えるのが普通でしょうね。
以上
※追加1_ そもそも異例ずくめの決算発表だった。 当初予定の11月5日から日程を急遽1週間早め、高速インターネット事業の開始以降、頑なに拒んできた業績予想も営業利益とキャッシュフローを来期分まで開示した。 説明会では32分間のうち事業内容に充てたのはわずか3分。 残りはすべて財務に充てた。 CDO (合成債務担保証券) の損失リスクに関する情報も先回りして公表した。 すべては資金繰りに対する不安を払拭するためだ。
米国発の金融市場の混乱は 2兆円 超の有利子負債を抱えるソフトバンクを直撃した。 5年のCDS (クレジット・デフォルト・スワップ) は900ベーシスポイントを突破。 これは市場で期間5年の社債を発行しようとすれば、金利上乗せ幅は 9% になることを意味し、「まるで破綻するかのような勘違いのスプレッド」(孫社長) だ。
■ 強気の支払い交渉で「誤解」■
「ソフトバンクが資金回収に必死になっている」。 端末メーカーや販売代理店からはこんな声が絶えない。 この噂は事実でもあり、誤解でもある。「フリーキャッシュフローの最大化は当然の財務戦略。 携帯電話事業の買収後、最初に手をつけたのが支払期日の延長だった」。 ソフトバンクの後藤芳光財務部長はこう言い切る。
手元資金に余裕のある NTT ドコモや KDDI の支払いは「異業種参入した我々からすると信じられないほど短い」(後藤氏)。 端末が売れなくなった日本市場で、ソフトバンクが強気に条件変更を申し出れば、メーカーから恨み節が出るのも無理はない。
もっとも、ソフトバンクにとっては危険な賭けでもある。 やり方を一歩間違えれば、信用不安が高まりかねないからだ。 そこまでして資金回収を急ぐ本当の理由はいったい何なのか。
それは、携帯電話事業のキャッシュ生成力の高さにある。 今後、基地局などへの設備投資が減少すれば、携帯電話事業は優秀な「キャッシュマシン」へと変身する。 しかし、携帯電話事業の買収資金として調達した WBS (事業証券化) には、このキャッシュを携帯電話事業以外に使うことはできない契約があるのだ。
つまりソフトバンクが携帯電話事業に眠るキャッシュを持ち出すには、WBS の借入金を全額返済するか、返済の途中でソフトバンク名義の借入金に置き換えなければならない。 従って、今はあえて M&A を封印し、借入金を粛々と返済することが次に勝負するための軍資金を手に入れる最短距離と言える。
「40代でひと勝負して50代で事業を完成させ、軍資金を返済する。 無借金にして60代で次の経営陣にバトンを渡す」
説明会で自身が19歳の時に立てたという人生プランを披露した孫社長はまだ51歳。 これからただ借金を返し、引退することはないだろう。 既に M&A 凍結解除後の構想を練っているのかもしれない。
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※追加2_ バブル崩壊後の1990年代後半から業績悪化が表面化。 経産省出身の雨貝二郎会長から引き続いて、高木邦夫社長時代の04年から産業再生法の適用及び産業再生機構からの支援を経て、現在は丸紅およびイオンとの連携のもと、非主力事業の譲渡やコア事業である小売部門の縮小などの再建策が行われている。
連結有利子負債は01年2月期には 2兆5,641億円 に達していたが、07年5月末には 6,031億円 まで縮小した (なお、07年8月2日に三井住友銀行に株式売却したオーエムシーカードを除いた07年5月末時点の連結有利子負債は 1,991億円 となった。 2,000億円 を割ったのは1975年2月末の 1,594億円 以来だが、当時のこの有利子負債額はダイエー単体での数字である)。
以上
積極的な M&A を繰り返して膨張して、今や連結売上 2.7兆円 を越える規模となったソフトバンクは果たして …
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「資金繰り不安払拭に必死のソフトバンク … M&A 凍結の真の狙い」(11月10日 日経ビジネス/中原敬太) _「無借金になるまでの間は、数千億円単位の大きな投資をするつもりは全くない」。 ソフトバンクが10月29日に開いた第2四半期決算の説明会。 孫正義社長の発言に思わず耳を疑った。
買収をテコに拡大し続けてきた同社にとって、まさかの「M&A (合併・買収) 凍結宣言」。 だが、「これを公言するのは、僕の人生プランの中でかなりのコミットメントです」と言うだけに、口を滑らせたわけではなさそうだ (※追加1へ続く)。
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ウィキペディアから__株式会社ダイエーは、 08年2月期売上 単体 8,360億円、連結 1兆1,960億円、総資産 単体 4,685億円、連結 4,920億円、従業員数 5,882人。 主要株主はイオン株式会社 19% 丸紅株式会社18% 有限会社 DRF 11% 丸紅リテールインベストメント株式会社 10%。 丸紅グループ全体では 29% を保持しており、実質的筆頭株主は、丸紅株式会社。 有限会社 DRF は、有限責任中間法人 DRF ホールディングス出資の会社で、株式会社アドバンテッジパートナーズと機関投資家らが組成するファンドが匿名組合員として出資する匿名組合の営業者 (※追加2へ続く)。
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経済アナリスト達も、ソフトバンクの積極的な M&A を何とも評価できなかった。 M&A のスピードが早過ぎて、評価する前にソフトバンクがどんどん先へ行ってしまうからだった。
その意味で、土地が値上がりし続ける間はダイエー帝国も負債を返せたのだが …、一方のソフトバンクの内情はよくわ分かりません。 大体専門家も評価できないのに、シロウトの私がこうといえる筈もないのですから。
ただいえることは、世界中の金融資産が目減りしている中、ソフトバンクも無傷ではないということです。 どんな資産があるにせよ、金融収縮とは無縁でいられない筈です。
私が解釈しているのは__「金融バブルは、信用を基本に経済活動していれば必ず起こる。 内部にいる人はバブルかどうかは分からない。 バブルが崩壊して、はじめて気付く。 始めからバブルと分かっていたら、バブルは発生しない」
ソフトバンクもこれまで M&A をすることで、買収した企業の資産を買収前よりも膨らませ、借りた買収費用を返却してきたと想像します。 手元資金だけではないでしょう。
9月以降の世界的な金融危機は、それ以前に買収して返済し切れていない企業の資産がどうなっているか、つまり大幅に減額する方向に影響していないかどうか。 それが減額していなければ、ソフトバンクは安泰かも知れません。
けれど、この世界的な逆風を避けられる企業は皆無と考えるのが普通でしょうね。
以上
※追加1_ そもそも異例ずくめの決算発表だった。 当初予定の11月5日から日程を急遽1週間早め、高速インターネット事業の開始以降、頑なに拒んできた業績予想も営業利益とキャッシュフローを来期分まで開示した。 説明会では32分間のうち事業内容に充てたのはわずか3分。 残りはすべて財務に充てた。 CDO (合成債務担保証券) の損失リスクに関する情報も先回りして公表した。 すべては資金繰りに対する不安を払拭するためだ。
米国発の金融市場の混乱は 2兆円 超の有利子負債を抱えるソフトバンクを直撃した。 5年のCDS (クレジット・デフォルト・スワップ) は900ベーシスポイントを突破。 これは市場で期間5年の社債を発行しようとすれば、金利上乗せ幅は 9% になることを意味し、「まるで破綻するかのような勘違いのスプレッド」(孫社長) だ。
■ 強気の支払い交渉で「誤解」■
「ソフトバンクが資金回収に必死になっている」。 端末メーカーや販売代理店からはこんな声が絶えない。 この噂は事実でもあり、誤解でもある。「フリーキャッシュフローの最大化は当然の財務戦略。 携帯電話事業の買収後、最初に手をつけたのが支払期日の延長だった」。 ソフトバンクの後藤芳光財務部長はこう言い切る。
手元資金に余裕のある NTT ドコモや KDDI の支払いは「異業種参入した我々からすると信じられないほど短い」(後藤氏)。 端末が売れなくなった日本市場で、ソフトバンクが強気に条件変更を申し出れば、メーカーから恨み節が出るのも無理はない。
もっとも、ソフトバンクにとっては危険な賭けでもある。 やり方を一歩間違えれば、信用不安が高まりかねないからだ。 そこまでして資金回収を急ぐ本当の理由はいったい何なのか。
それは、携帯電話事業のキャッシュ生成力の高さにある。 今後、基地局などへの設備投資が減少すれば、携帯電話事業は優秀な「キャッシュマシン」へと変身する。 しかし、携帯電話事業の買収資金として調達した WBS (事業証券化) には、このキャッシュを携帯電話事業以外に使うことはできない契約があるのだ。
つまりソフトバンクが携帯電話事業に眠るキャッシュを持ち出すには、WBS の借入金を全額返済するか、返済の途中でソフトバンク名義の借入金に置き換えなければならない。 従って、今はあえて M&A を封印し、借入金を粛々と返済することが次に勝負するための軍資金を手に入れる最短距離と言える。
「40代でひと勝負して50代で事業を完成させ、軍資金を返済する。 無借金にして60代で次の経営陣にバトンを渡す」
説明会で自身が19歳の時に立てたという人生プランを披露した孫社長はまだ51歳。 これからただ借金を返し、引退することはないだろう。 既に M&A 凍結解除後の構想を練っているのかもしれない。
………………………………………………………
※追加2_ バブル崩壊後の1990年代後半から業績悪化が表面化。 経産省出身の雨貝二郎会長から引き続いて、高木邦夫社長時代の04年から産業再生法の適用及び産業再生機構からの支援を経て、現在は丸紅およびイオンとの連携のもと、非主力事業の譲渡やコア事業である小売部門の縮小などの再建策が行われている。
連結有利子負債は01年2月期には 2兆5,641億円 に達していたが、07年5月末には 6,031億円 まで縮小した (なお、07年8月2日に三井住友銀行に株式売却したオーエムシーカードを除いた07年5月末時点の連結有利子負債は 1,991億円 となった。 2,000億円 を割ったのは1975年2月末の 1,594億円 以来だが、当時のこの有利子負債額はダイエー単体での数字である)。
以上