シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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Wn・Bn 名が外せない?クラシック録音

2022年11月15日 | ドイツ音楽も様々
左と中央は『モーツァルト:クラリネット五重奏曲 他』の埼玉会館大ホール1969年録音 (トリオ・レコード LP)、右は79年ウィーン・ポリヒムニア・スタジオ録音 (DENON)。 どちらもプリンツ (Cl) とウィーン室内合奏団。
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人気曲「クラリネット五重奏曲」CD を就寝前に聴きながらジャケを眺めていたら、演奏者名がアルフレート・プリンツ (Cl) とウィーン室内合奏団、レーベルは Venus でした。 Venus レーベルでは 仏シャルラン音源ものが発売されていましたから、これもシャルランか?とも想像しましたが、独・オーストリア系の演奏家はいなかったはず …

はて?と思い出したのが、手持ち DENON のオイロディスク原盤による同曲の演奏者名もプリンツ (Cl) とウィーン室内合奏団でしたから、全く同じ録音か?と思い、目を凝らしてよくよく見ると „合奏団のメンバー“ が少し違います __ ヘッツェル (1st Vn) メッツル (2nd Vn) シュトレンク (Va) スコチッチ (Cello) です。

ネットで調べて納得しました。 Venus の録音源は、元トリオ・レコードが1969年に 来日した演奏者たちの演奏を録音し、LP 発売したものです (冒頭左はその LP ジャケ)。
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『プリンツのモーツァルト/クラリネット五重奏曲 (Venus)』(BQクラシックス http://fronte360.html.xdomain.jp/bqcla/cd/tkcz79212.htm ※1) __ ウィーン・フィルの首席奏者であったプリンツと VPO のメンバーによるウィーン室内合奏団によって1969年頃に録音された演奏です (残念ながら録音年月の記載がありません)。 1st Vn:ウェラー、2nd Vn:ヒューブナー、Va:シュトレンク、Cello:スコチッチとなっています。 ウェラーさんが在籍されているので1969年の来日時点での録音と想像しています (※追加1へ)。
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もう1つ、ネット検索で下記情報が分かりました。
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『モーツァルト クラリネット5重奏曲 プリンツ & ウィーン室内』(Klavierhaus2000のブログ https://ameblo.jp/klavierhaus2000/entry-12468927126.html ※2) __ クラ5重奏曲 イ長調 Kv581 & ディベルティメント ニ長調 Kv.136 Cl: A. プリンツ & ウィーン室内合奏団 1969年2月 埼玉県浦和市 埼玉会館大ホールにて録音 TRIO レコード PA-5032 今では余り使われることが無くなって残念な 埼玉県が誇る 総木造2階の大ホール 埼玉会館でのモーツァルトの「クラ5重奏」と弦楽5重奏版での「ディベルティメント」のアナロク録音盤。 世界屈指の名門オケ VPO 団員による演奏です。 プリンツは当時の主席第一クラリネット奏者として一世を風靡した名手です。
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LP 発売時は、フィルアップ曲がディベルティメントだったのが、CD ではフルート四重奏曲1・4番に変わっています。 売れ行きを考慮しての編集だったのでしょう。 ※1ブログでも述べられていますが、刺激的でない 豊かな響きがします。 10年後のオイロディスク録音は少し硬質の印象がします (半分は DENON っぽい?)。

私はこのクラ五重奏は LP 盤ではジェルヴァーズ・ド・ペイエ (Cl) とアマデウス四重奏団の演奏 (DG 75年 下記左)、CD 盤ではカール・ライスター (Cl) とベルリン・ゾリステン (TELDEC 88年 下記中央) も保有しています。


ペイエとアマデウスの LP を購入して気に入ったのは、実はフィルアップ曲のオーボエ四重奏曲 (ローター・コッホ Ob とアマデウス四重奏団員) でした。 またデジタル録音のライスター盤は鮮明な音質で聴けます。 ライスターとコッホは BPO 主席奏者、ベルリン・ゾリステンは BPO メンバー。

ライスターは88年以前にも何枚か同曲を録音しています … ウィーン四重奏団とは81年 CAMERATA で (上記中央)、BPO ゾリステンとは65年 DG で (上記右)、ほか ORFEO 盤にもあるようです。 人気曲だけに録音も多く 四重奏団名にウィーンXX・ベルリンXXという名が多いのは、それが売れ行きに大きく影響するからでしょうか?

そしてモノ録音ながら ウラッハとウィーン・コンツェルトハウス四重奏団 (ウェストミンスター 51年) のも忘れ難い名演奏ですね。

今日はここまでです。


※追加1__ この演奏は、日本の音響メーカーのトリオ (現ケンウッド) によるトリオ・レコードとして日本で制作された名盤のひとつです。 こちらの演奏も先のオイロディスク原盤に劣らない素晴らしい演奏です。 録音のかげんかもしれませんが、全体的により柔らかさを増した響きで包まれてモーツァルトの時代に近付いているのではないかと思いました。

このトリオ・レコード、1973年にウィーン室内合奏団によるモーツァルトの LP を3種類発売しているようです。 アイネ・クライネ・ナハトムジークと弦楽五重奏曲第3番とK136 (126a) の入ったレコード、このクラリネット五重奏曲とフルート四重奏曲第1・4番のレコード、弦楽四重奏曲第14・19番の入ったレコードです。 これら3種類のレコードは、ウィーンのモーツァルト協会より、モーツァルトの理想的な演奏としてモーツァルト協会賞というのを受賞していて、日本が制作した国際的な録音の一つになっています。 CD としては 1993年に徳間ジャパンコミュニケーションズが販売元になり、ヴィーナスレコード株式会社のヴィーナスクラシック1000コレクションという 1000円盤 CD シリーズの一環として発売されていました。 このシリーズ、個人的に期待していたのですが、市場からすぐに姿を消してしまいました。 しかしようやく昨年 (2002年) アート・ユニオンというレーベルにおいて、これらの演奏が3枚組 CD として復活しています。

さて前置きが長くなりましたが、この演奏もまた全編に渡ってプリンツのより柔らかいクラリネットの音色が魅力的です。 先にも書きましたが、録音のかげんからか (アート・ユニオンの CD の音の鮮度は分かりませんが) じつにまろやかで深みのある響きとなっています。 そしてウェラーのヴァイオリンもヘッツェルに比してより柔和な雰囲気を醸し出しているようです。 演奏全体として熟成された音楽といった趣を感じます。 この演奏を聴いたあとにオイロディスク盤の演奏を聴くと、なんと現代的でしゅっとした響きなんだろう、と思ってしまいます。 巷間よくいわれるような古き良きウィーン・フィルの響きを残していると思えるのはこちらの演奏でしょう。 ゆったりとした時をすごすのにはこちらの演奏をお勧めしたいと思います。

最後に このような素晴らしい録音を企画し制作した日本の技術陣に敬意を表したいと思います。

以上

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