シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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米中摩擦の次の戦場はどこに?

2023年06月19日 | 政治家 政治屋?
左は海外大手半導体メーカーの幹部らと面会した岸田首相=中央 (日刊ゲンダイ 5月20日記事から)。 右は記事※1から。
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米国が進める対中規制に反発する中国は、とうとう名指しで米企業からの調達禁止という荒事 (あらごと) に出てきました。
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『マイクロン調達禁止で米中対立激化、半導体企業に試練』(5月23日 ロイター ※1) __ 中国はマイクロン製品について、重要インフラ事業者が調達禁止と …
『中国が米マイクロンの半導体を禁止』(5月23日 Forbes ※2) __ 2022年に中国での収益は 33億ドルで マイクロン社の年間総収入の 11% 近くを占め …
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この直前に 中国の大手スマホ企業の半導体設計子会社が解散しています__『スマホ世界4位、中国の OPPO が半導体業務停止』(5月12日 朝日新聞 ※3)。 OPPO 傘下企業が半導体の回路設計や開発を担っていましたが、製造受託先を見つけることが難しくなったらしいのです。 早くいうと 設計図はできても、製造の引受先がないのです。

しかも 5月の広島 G7 サミット直前には 岸田首相が、世界の半導体7社 (米インテル、IBM、マイクロン、アプライド・マテリアルズ、ベルギーの imec、韓国のサムスン電子、台湾の TSMC 冒頭写真) のトップらを官邸に招いて連携強化を訴え、(中国とは書かかれていないが) G7 首脳声明では中国に対する強烈な半導体制裁を発表しています __『中国の米半導体大手マイクロン排除、背景には G7 の中国包囲網への焦り』(5月24日 JB Press ※4)。

チップ・ウォー戦線では歩兵ではなく “桂馬“ クラスの駒が動いたのかもしれません。
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すると次の一手は? マイクロンはメモリ・メーカーですから、ここが中国市場から抜けるとなると 穴埋めするメモリが必要になります。 全てを中国のメモリ・メーカーが埋め切れるかどうか、これが次の問題です。

さっそく米国では 対中国問題を扱う下院委員長が、中国のメーカーに貿易制限をかけるべきだと、また 韓国も埋め合わせ行為を防ぐために行動すべきだと強い発言をしています __『中国半導体メモリー大手CXMTに貿易制限を、米有力議員が要求』(5月24日 ロイター ※5)。

さらに5月末 米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み (IPEF)」の閣僚会合が開催されました。 これは半導体や重要鉱物の安定供給の体制を整え、中国依存からの脱却につなげるのが目的です __『IPEF、供給網協定で合意 脱中国依存へ米主導の連携始動』(5月28日 日経 ※6)。
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ここで 中国が動くと予想されるのが、韓国の2大メモリ・メーカーのサムスン電子と SK ハイニックスの “取り込み“ です。 というのも この2社は、中国現地に生産拠点を置いているため、中国の罠に陥りやすいのです。

いってみれば 片足を韓国に、片足を中国に置いている構図ですから、中国が縄で絡め取ってグイと引っ張れば、体が中国側に傾いてしまうのは誰でも容易に想像できます。

遡って3月に 米国商務省が発表した『ガードレール条項』では、米国の補助金受領者が10年間、“敵対国“ での半導体製造投資を制限するとしています (敵対国とは、中国・ロシア・イラン・北朝鮮の4カ国です)。

これは、例えば 韓国半導体メーカーが米国の補助金を受けた場合、中国での半導体製造投資が制限される事を意味します。 韓国政府は米国に “泣き“ を入れ、韓国企業が中国国内の半導体生産能力を拡張できるように要請しました __『韓国政府、米半導体補助金の規則案見直し要請 中国投資制限巡り』(5月24日 ロイター ※7)。

米政府はここで一応 甘い顔を見せたようです __『米国の対中半導体規制、韓台への適用猶予を延長』(6月13日 日経 ※8)・『米、サムスンと SK ハイニックスによる生産装置の中国輸出を当面は容認』(6月14日 ハンギョレ新聞 ※9) __ けれど この先 チップ・ウォー戦線はどう進展するか、予測は不可能です。

今日はここまでです。

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