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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

早く出世すると …

2025年01月30日 | 分からな~い人生
やらせ画像?と笑う (?) 犬
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今月 日経新聞の最終面に連載されている『私の履歴書』は、ある大会社のサラリーマン出世物語ですが、私の知り合いに話しを重ねながら読んでいます。
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昔むかし 私が所属していた部署に10歳ほどしか離れていない方が、3つの部署を束ねる事業部長・理事として配属されて赴任してきました (いわゆる “落下傘兵士” です)。

けれど はっきりいって “門外漢” なのが、一目 (ひとめ) で分かりました。

その方は30歳台半ばで業績を大きく上げ、若くして理事 (=取締役候補) となった逸材という触れ込みでした。 業績を上げたのは、あるハイテク絡みの輸入機器販売でした。 競合がなかったため、その機器が爆売れしたのだそうです。 ただし その機器をその本人が引いてきたのか、それとも会社側から割り当てられたのかは不明です。

しかし 飛ぶように売れたのは短い期間で、競合製品が現れると業績は止まってしまい、輸入元の機器メーカーが市場から撤退すると、なぜか その理事は新たに担当する機器・部門がないままだったらしく (?)、私が所属していた部門に配属替えになったのです。
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何十兆円という電子産業の世界は広く、多部門にわたり それぞれが独立した専門産業ともいえ、ある部門 (例:機器) から他の部門 (例:半導体部品) へ移ると、全く勝手が違うのです。 ですから ひとつの機器部門でエキスパートであっても、半導体部品部門へ移ると そこではエキスパートではなく、新人にも等しい存在になるのです。 つまり それまでの経験は全く通用しないのです。

多くの人には30歳の壁があるともいえ、30歳前までなら他の部門へ移っても ある程度 適応 (やり直し) できますが、30歳を超えてしまうと ある意味 “頭が硬くなって” しまっているので、なかなかやり直しができないという事例をよく見ます。
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その新任事業部長が参加する会議が定期的に開かれましたが、やはり 彼が話す内容は、よく把握できていないのが誰にも見て取れました。 しかし 組織内ではトップに位置する人ですから、誰も “事業部長はよくわかっていませんね” とはいえません。

本人も “もどかしい思いでいた” のでしょう。 主に売上・利益などの数字だけを追いかけ、的確な事業方針は出せず仕舞いでした。 一応 会社上層部への報告は、怠りなくやっていたと想像しますが、3~4年で再び鞍替えとなり 無任所理事となったようです。

所属フロアが違うので以後会う事はなく それから十年ほどして、バッタリとエレベーター・フロアで会いました。 あまり変わっていないので お愛想をいいました __「いやあ 昔と全然お変わりありませんね~」と。 返ってきた返事は “自嘲気味” なのか照れ笑いで「中身も変わってないんだよ …」でした。 そうですねともいえず「いや 中身は変わっているんでしょうけど、ほんとに外見は変わっていませんよ」と付け加えました。
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また 2000年頃はハイテクバブルで、何十億と業績を大きく上げた若い営業部員が多数 部長代理となり、部長代理のブースが多く作られました。 しかしすぐに景気の反動があり、数年は業績が大きく落ち込みました。 若くして部長代理となった人たちが、その後 どのような道を辿ったのかは不明ですが、多くが肩叩きに遭っただろうと推理します。

業績を大きく上げて “早く出世するのは、もちろん いい事” です。 しかし いい事というのは続かないものです。 必ず 停滞するか、落ち込む時がやってきます。 それは市場環境が常に変化し、それにつれ 景気や売れ筋商品が目まぐるしく変わるからです。

同じ事を三年、五年、十年とやっていたら、景気の波を被るのが普通です。 社会や市場環境の変化に合わせ、取り扱い商品を変えるか、自前で新商品を開発するか、やり方を変えるか、柔軟な対応をしていかないと、没落はあっという間にやってきます。

件 (くだん) の理事の方は、そのまま定年を迎えたか、会社から去ったと想像しますが、全く話題に上がりません。 経歴を知っている人も少ないのでしょう。 ある意味 30台半ば以降は “抜け殻”のような会社人生だったのかも知れません。

今日はここまでです。

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