
左から 東芝のパワー IC とアンプ外観、中央と右は電源用の電解コンデンサ2つ。 中央画像は左側が、右画像は右側のコンデンサ (同じもの) が泡を吹いている。
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半世紀前の学生時代 これなら私も作れそうと思い、東芝のパワーパック TH9015P なる IC を2つ購入し、メインアンプを組み上げました。 夕暮れ時 学生アパート内の自室で半田付け完了し、さぁてと “ワクワクしながら” 電源コードを壁コンセントに繋いで電源スイッチをオンした途端、アパート中の照明が落ち、真っ暗になりました。
アパート中のあちこちの部屋から「おー!」「あーっ!」なる “悲鳴” が聞こえ、あわてて電源スイッチをオフにし、電源コードを壁コンセントから抜き、自室を出て廊下を「すいませ~ん」といいながら走って、アパートのメイン電源盤の落ちたブレーカー・スイッチをオンにして元に戻した記憶があります。
冷や汗をかきかき自室に戻り、よくよくアンプ回路配線を見ると “ショートする回路” を作っていました。 その後は慎重に組み、目出度く仕上がってメインアンプとして使えました。 けれど 何とも不格好で、ポップ・ノイズも盛大に “ボン!” と出ます。
いかにも手作りそのものといった感じで 無骨な仕上がりにがっかりし、ソニー製の木製アンプ・ケースを購入して 同じ電気科の同級生がアンプ作りが得意と聞いたもので、ケースに収まるよう作ってくれよと 彼にむりむり頼んで押し付けてしまいました。
彼も “迷惑だった” と思いますが、同じオーディオ・クラブ員から頼まれていやともいえなかったのか 3~4ヶ月後には仕上げてくれました。 代金として幾らを渡したのか もう覚えてないのですが、材料費の倍くらい渡したらよかったと今頃 悔いています。
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その後 しばらくは聴いていたのですが、メーカー製アンプを幾つか買い増しし、それらを聴くうちに、手作りアンプは “棚の飾り” になってしまいました。
半世紀近く経って 再び 聴いてみようかという気分になり、ケースから外して汚れを取り むき出しの裸状態でスピーカーに繋いでみました。
右チャンネルからは聴こえるが、左からは聴こえないなと、電源を一旦切り、RCA ケーブル不良かと疑い ケーブルを取り替えて電源をオンしたら、電源トランスそばの整流後の電解コンデンサ2つのうちの1つから白い煙が立ち上っています。
これはいかんと電源を切りました。 煙は収まっていましたが、電解コン上面から泡を吹いています。 古くて劣化していたところに電流が流れて、パンクしたようです。 要するに寿命だったのです。 電解コン2つを交換すれば、直るのでしょうが、一仕事です。
とりあえず 症状を書いたメモ用紙を貼って、ケースに入れ 棚に戻しました。
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TH9015P をネットで探したら、まだ千円強で売っているんですね。 でも半世紀前の素子でなく、最近の素子 (カーステ用などの) にした方が遥かに安く 簡単に いい音が実現できます。 私の自作経験では 仏伊 ST-Micro や、蘭 Philips がお薦めです。 ただし ST-Micro の TDA2009A は良くありませんでした __ ポップノイズが大きく、音質も高音に難ありです。
それと RCA ケーブル類は多く持っているのですが、30~40年も経つと内部で断線しているのか、ピン表面の色が変わって (腐食して?) 接触が悪くなっているケーブルが多いのです。 ケーブルも買い替えなくては … それとも RCA ピン・プラグを購入して、古いピン端子を捨ててケーブルを半田付けしたら治る?
ピン・プラグ腐食防止用のキャップなどもネットで売ってるんですね。 けれど プラグ (メス) 用は安いですが、ピン (オス) 用は高いですね。 需要の関係でしょうか?
今日はここまでです。