原発問題

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『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~オリンピックと福島県~> ※11回目の紹介

2016-06-29 22:18:03 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。11回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第1章 オフサイトで起きていること

オリンピックと福島県

(前回からの続き)  

 Sさん自身、中間貯蔵施設の建設はやむを得ないと考えている。「福島県内外の人の生活の安心のことを考えると、中間貯蔵施設はどうしたって必要不可欠。そう考えている町民も多いと思う」という。

「町のみんながダメだとは思っていない。町民も他の市町村に避難してお世話になっているわけだし、福島県内のみんなが困っているから、双葉町に中間貯蔵施設を造るのはしょうがないと思っている。でも、双葉町民と大熊町民が納得しないせいで建設が進まないと思われていて、町民が悪者扱いされているようでとてもつらい」

 実際には、建設が進まないのは地権者が了承しないからではないようだ。大熊、双葉町の両町が中間貯蔵施設の建設を了承した後、環境省は建設予定地の地権者との交渉を即座に始めた。だが、用地買収の交渉はいっこうに進んでいない。

 一部の地権者によると、建設了承の直後、環境省の関係者が1回訪れて挨拶をしたきり、その後1年たっても全く環境省から音沙汰がないという。条件も示さず、金額の提示にも至っていない。地権者の間では「国は何をやっているんだ。土地を買い上げなければ何も始まっていない。地権者の間では「国は何をやっているんだ。土地を買い上げなければ何も始まらないのに、本当に交渉する気があるのだろうか。もう中間貯蔵を造らない気なのだろうか」と首をかしげている状況だ。(略)

 ※次回は「アメ玉の限界」

2016/6/30(木)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


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