夢在西安…? 大陸的☆☆生活

中国に留学してみました

中国のキャンパスライフをたのしもう・教科書問題天国…☆

2016年05月17日 | 中国語
昨日は九死にに一生を得た思いをした。

昨夜、「金庸についての講演があるから聞きに行こう」とナナに誘わた。
金庸とは侠客小説の有名な作家。たぶん聞いてもわけがわからないだろうけど、行ってみた。
案の定、ワケがわからない。



講演開始から20分、突然後方で、「ガッシゃーン」と大きな音がした。
びっくりして振り向くと、あたしが座る真後ろの通路に、でっかい何かが落ちている。



高さ3メートルの天井の電灯から落ちてきたのだ。



通常はこうなっている。



大体、これは何のためのものだろう?
蛍光灯の光で学生たちの目を直接刺激しないようにと配慮して取り付けた物だろうか。ならばこれを「やさしさの金属」と呼ぼう。
「やさしさの金属」が落ちた場所がたまたま通路で良かった。
もしあたしの座席があと30cm後方だったらそれこそ直撃、大怪我どころか、下手すりゃトコロテンだった。

一瞬にしてざわめきが起こったけれど、だれも「やさしさの金属」を片付けることなく、20秒で講演は再開した。

さあ、今日は論文の話。
あたしの卒業論文、テーマは何にしよう?
もしあたしが日本に留学に来た中国人だったなら、「身分による言葉遣い」を研究したら面白かったと思う。たとえば、おまわりさんは自分を「本官」と言うし、忍者なら「拙者」、教育ママは語尾に「ざます」を付けたり(現実社会で使われているかは別として)。だって「おぬしにはワシが見えるのか?」とか「お嬢様、おてんばが過ぎますぞ」とか「うれしいなっしー」とか、セリフを聞くだけで発している人物が想像できるでしょう。

中国語のこういう言葉を研究したいなと思ったけど、ものすごく大変そうだったからやめた。
テーマとして最初に提出したのは教科書問題。いいえ、あれではなく、中国語教材のことです。
日本で売られている中国語教材は、ひどい。
まず、内容に大差ない入門書が氾濫していて、中級以上のものが乏しい。
良さそうに見える教材でも、著者の欄に日本人の名前しか書かれていないものは気をつけたい。

一昨年あたしが、どの本屋でも見かけ時には平積みされているCDブックを買ってみたところ、内容の中国語は語句の使い方や組み合わせが不適切な例文が多かった。例えば日本語にすると「君は彼女のことを怒っているなら、君は謝るべきだよ。」、「トークを上げる(正しくはトーク力を上げる)」など。
あたしですら疑問を持ち、しずかちゃんに見せたらその本はやっぱり誤謬だらけの本だった。
こんな有名な外語大の教授の肩書きを引っさげて、よくもまあこんな本が書けたもんだ。

そしてあたしが特に否定したいのは、「カタカナ中国語」。
入門書の9割が中国語の読み仮名をピンインとカタカナで記している。
カタカナって、日本語の発音だからね。一度カタカナで覚えちゃうと抜け出すのが大変。いくら勉強しても発音はカタカナになる。

発音の説明もおかしなやつがあったり、十分でなかったり。
中国語を勉強中の方はいらっしゃいますか?
そり舌音てのは、実は舌を持ち上げる程度で、思っているほど反ってないんですよー。
「tan」の中の「a」と「tang」の中の「a」は違う音ですよー。
子音の「zh」は「sh」の濁音ではありません。「ch」の無気音が「zh」ですよー。舌先を歯茎の裏に付けましょう。
これらはみな、あたしが中国に来てから初めて学んだことです。もっともっとあるよ。

日本の問題中国語教材をぶった斬りにしてやろうと思ったけれど、問題な部分を発音が占めていたため、先生の説得で卒論のテーマは結局「日本人漢語語語音問題分析及”片仮名漢語”対日本人漢語語音学習的影響(日本人の中国語語音問題の分析およびカタカナ中国語が日本人の中国語語音学習に与える影響についての研究)」となった。長いなあ。