夢在西安…? 大陸的☆☆生活

中国に留学してみました

西安留学生活完結篇・ハンコ屋のおっちゃん天国…☆

2016年04月30日 | 西安留学生活
中国に遊びに来るという方には、ぜひハンコを作ることをお勧めしたい。
幸い日本人は漢字と慣れ親しんでいる。好きな漢字を記念に彫ってもらえばいい記念になるでしょう。
ただ、彫ってもらう場所によってはえらく高かったり、デザインがええーっだったりする。

宿題を提出する時に押せる名前のハンコが欲しいなあと思っていた。
暖かくなってきた頃、学校東南門を出たところで、バイクのハンコ売りのおっちゃんがいた。
「いくら?」「石によるよ」
一番安いので40元、おまけして35元で彫ってくれると言う。
あたしはその一番安くて白い石を選んだ。
「明日取りに来るよ」あたしはお金を払い、電話番号を交換した。

西安のおっちゃんの言葉は基本聞き取りにくい。
だけどこのおっちゃんの話は比較的わかりやすかった。
おっちゃんは日本のことをいろいろ聞いてきて、しばらく一緒に話をした。まあ、おっちゃんからすれば暇つぶしなのだろう。

翌日午後、ハンコを取りに行く。
東南門を出ると、おっちゃんがいない。やられたか?
いいや、天気が悪かったから、来ていなかったのだ。
バイクに道具を積んで路上で商売するには、天気が大きく絡んでくる。

あたしがメールを送ると、しばらくしてから電話が来た。
「明日取りにきなさい」

その翌日、ハンコが手に入った。なかなかの出来栄え。
このおっちゃんは安心できると確信した上で、さらに家族の名前のハンコを作ってもらうことにした。

お気に入りのハンコを中国の友達に見せると、「書院門に行けば15元で買えるわよ」と言う。
「知り合いがそこで100元だったよ」
「中国人を連れて行かなかったのね。」
先学期いたAくんは100元で、なんか小学生が彫ったような字のハンコを買わされた。

15元からすればあたしの買ったハンコは相当高いけど、気に入っているからいい。
家族のお土産に作ってもらったハンコもいい出来栄え。
だけどあたしはまもなく自分のハンコをうっかり床に落としてしまった。
あー、石って割れるんだね。

「おっちゃん、ハンコ落として欠けちゃったよ。もう二つ買うから、おまけして彫りなおしてー」
「しょうがないなあ。」
2日後、新しく作ってもらったハンコとともに、あたしのハンコが身長を短くしてやってきた。



西安留学生活完結篇・待つ女天国(後篇)…☆

2016年04月29日 | 西安留学生活
冬に買った電気式湯たんぽ。
箱の写真はサイアク。





中身はあらかわいい、リラックマ。



この湯たんぽ、すごく良い。
コンセントに繋げると10分くらいで中の水が熱くなって、何時間か持つ。お湯を入れに行く手間もなく、繰り返し使えるのが良い。

では、「待つ女」の続きを。

実習から帰ってきたらその彼女が待っていたのは昨日話したとおり。
その翌日、慣れない実習に疲れ果て寝ていたところ、あさ9時だったか10時だったか、ノックの音で起こされた。
誰だ?……彼女だ。
夜遅かったり朝早かったり、それはともかく、来るなら来るで、なんでそれを事前に言わない?
いらっとして「しばらく待って」と10分ほど追加で寝て、ゆっくり起きて支度をした。途中でまたノックしてきたけど、勝手にやってきて催促しないでほしい。

でもせっかく来てくれて、待たせるのもちょっとかわいそうだ、という気持ちもあった。
「来るなら連絡して」とはっきり言えないあたしも悪い。
簡単に服を着替えた後、部屋に入れずロビーで話を聞いた。
もうすぐあたしが一時帰国するから、会いに来たと言う。

見た目は普通にきれいなOL風の女性。話し方も穏やかで落ち着いている。でもなんかちょっとズレているような……。
話の内容は例によって「タク」。
「タク」とは愛し合っていた、でも今は良い友達。その「タク」と、連絡が取れないという。
彼女はこれからも友達としてよい関係を続けたいと願う。
12月に日本に行くから、その時に「タク」と会いたい、とも言った。ここまで聞いていると、自分勝手な日本人を思い続ける一途な中国人女性の想い、と捉えることもできる。

だけどそのあと、彼女の口から耳を疑うひと言。
「タクは、結婚している。」
は?
どういうことだ?今になってそれを言う?
つまり、「タク」は結婚してしまったけれど、良い友達として関係は続けたい、だけど連絡を取り合っていることを「タク」の奥さんが知ってしまったようだ、それを気にしてか、いくら電話しても出てくれない、どうすればいいのかわからない、ということらしい。

ここに来てこの彼女を形容するひと言がようやくわかった。彼女は「重い」んだ。
何時に帰るかわからないあたしを勝手に待っているあたりも「重い」。
「重い」ことがわかると彼女の主張する「愛し合っていた」も怪しいなあ。
かと言って、あたしは「きっぱり諦めろ」とも言えず。当たり障りのない観点を述べるにとどまった。

そのあと1度彼女に会った。
去年の11月のある日。ダンススタジオからの帰り、彼女はやはりロビーで待っていた。
あたしを見てうれしそうに近寄ってくる彼女。
だけどあたしは我慢しなかった。
「どうして事前に連絡してくれないの?あたしはこの後用事があるの。」
他人の都合を考えずに、「ずっと待ってたよ」を押し付ける感じがいやだった。

彼女は翌月に日本に行くこと、新しい日本語の参考書を買ったことを告げ、しばらく西安にいるからご飯を食べに行こうと言って帰っていった。

その後彼女には会っていない。

西安留学生活完結篇・待つ女天国(前篇)…☆

2016年04月28日 | 西安留学生活
3年前、香港から語学研修でやってきた男の子がくれた人形。
当時、あたしはこの人形に「待つ女」と名づけた。



とくに大事にかわいがった、と言うわけではないが、この「待つ女」は実体化してあたしに会いに来た。

去年の春くらいだったかなあ。ある日の夜、宿舎に帰ってくると、フロントのおっちゃんと話をしていた、長い髪をしたきれいな感じの女性に日本語で声をかけられた。
それほど上手ではなかったけれど、勉強している日本語を試してみたいのだろう。そう思って5分くらい話した後、「じゃあ帰るね」と部屋に帰った。

少ししてから、部屋のドアをノックする音がする。こんな時間に誰が?
出てみるとさっきの女性。あたしと話がしたいと言う。
部屋番号はフロントのおっちゃんが教えたんだな。中国では個人情報保護の観念が浸透していない。

夜も9時過ぎ、いきなりだなあ。まあ、悪い子じゃなさそうだし、いいかあ。テレビ通話の途中だったので、9時半まで待ってもらって、彼女を部屋に入れた。

彼女は20代半ば。成都に住んでいて、出張で時々西安に来るのだと言う。
何年か前に何らかの縁があってここに留学に来ていた「タク」と仲良くなったらしい。
「私とタクは愛し合っている。」
ほう、遠距離恋愛かな。そして彼女は聞いてもいないのに、でも体の関係はない、とも言った。

ずっとお互い離れて暮らしているけれど、ちょくちょく連絡を取り合って、気持ちは繋がっている。彼女の話からあたしはそう捉えた。
シャワーの温水が11時には切れるので、30分ほど話を聞いた後、彼女を帰した。

2度目に彼女がやってきたのはそれから3ヶ月後くらいだったか。ちょうど実習に行っていた頃だったはず。その夜も帰ると彼女は宿舎のフロントにいた。
また来たんだね、少し言葉を交わして、あたしはすることがあったのでさっさと部屋に帰った。
そして少ししてからノックの音。彼女だ。
こないだ会った時に電話番号を交換した。話をしたいのならどうして事前に連絡をよこして確認を取らないのか。
これは中国人の習慣なのかしら。まあいいや、とまた20分ほど待たせた後に彼女を部屋に入れて話を聞いた。

この日も主に「タク」の話。
2人で仲良さそうに並んでいる写真も見せてくれた。
あの頃はとても愛し合っていた、またそんなことを言っていた。
12月に日本に遊びに行くつもりだ、とも言う。「タク」に会いに行くのか。

彼女の話は後篇に続く。

西安留学生活完結篇・イシダ天国…☆

2016年04月27日 | 西安留学
先生から送られてきたこの写真、アップしてなかったっけ?



ついでにこれも。なんか、いいんだけど、違う。



さて、コアな読者の皆様、イシダを覚えてらっしゃるでしょうか。
そう、そのイシダが、3月初めに西安に遊びに来たのです。

久々のイシダ、相変わらずの落ち着きよう。
再会のやり取りはともかく、何が問題って、イシダがこんなことを言ってきた。
「あの、もしかして、ブログやられてます?」

あ、バレた。読まれた。
あれー、イシダについて、どんなこと書いてたっけ?
何を書いたにせよ、許容範囲内だったと思うんだけど…。イシダは怒っていないから、大丈夫でしょう。
しかしイシダのこの当たり障りのない口調。120%確信しているくせに、「ブログやってますよね!ね!読みましたよ!」ではなく「ブログやられてます?」と、相手の回答の選択範囲を広げてあげる優しさ。
どこで覚えたんだ、その処世術!

短い時間ながら今回もお得意のマジックで、当時の中国人友達の心を鷲掴みして帰っていったイシダ。
もし、顔出しオーケーなら言ってね。載せるから。

西安留学生活完結篇突入・勝平天国…☆

2016年04月26日 | 西安留学
西安での生活も残すところ3ヶ月あまり。
帰国後にはあたしの中で「西安ロス」が起こり、涙で枕を濡らす日々を過ごすことでしょう。でも当然ながら西安に「順子ロス」は起こらない。どこかで起こらないかなあ「順子ロス」。

西安で出会った人間の近況を少しずつ紹介していこう。
まずは勝平。ダンスの先生が紹介してくれた中国式イケメン。
なぜ「勝平」?彼の名前の中に「勝平」が入っているから、勝平と呼ぶことにした。でも勝平は中国人。

勝平は大の車好き。日本からお土産を買ってきたと渡そうとすると「気を使うな、いらないよ」と言うけど、そのお土産が車の本だと知ると「……これはもらっておく」と素直に受け取る。
「仕事が忙しい」とずっと嘆いていたけれど、車のローンの返済に目処が付いたので、年始に仕事をやめた。
中国の男は車を持っていないと「いい男」として認められないと勝平は言う。
中国には多くの「車奴」という「車のローンの奴隷」が存在するらしい。

勝平が、日本風の名前を付けてくれと言ってきた。
更に、あたしの苗字がかっこいいからくれ、と言う。
養子でもないのに、自分の苗字を簡単にやれるか。断固拒否した。
「もし結婚したらその苗字いらなくなるだろ、くれよー」とまで言う。
他にいい苗字を探そう。ネットで日本人に多い苗字のランキングを調べてみた。

「勝平」と合わせて響きの良い苗字を選んでは「これどう?」と聞いてみるけど、勝平は音の響きより漢字のイメージを気にしている。「田」とか「山」とか「村」とか付くのはお気に召さない様子。
あれこれ言いながら最終的に決めたのは「三浦」。
「三浦勝平」、聞いたことあるような名前だけど、良いでしょう。