夢在西安…? 大陸的☆☆生活

中国に留学してみました

愉快な授業天国…☆

2014年11月23日 | 旅行
学年が変わると先生もマイナーチェンジする。
今度の作文授業の先生は、ひとことで言うと「元気なおばあちゃん」
生徒の遅刻やサボりを決して曖昧にしないところがいい。
で この先生、顔がドランクドラゴンの塚っちゃんにそっくり。
顎をやや上げでまん丸の鼻の穴をこちらに向けた顔、吹き出してしまった。

さて、3年から経済貿易授業が始まった。
堅苦しいイメージがあったけれど、所詮は留学生向け。割と易しい文章で中国のその辺を解説している。
内容はと言うと、旅行業界のぼったくり、カード詐欺、密輸から株、個人情報、著作権にまで触れている。
「曲や映画がネットで簡単にダウンロードできるけど、あなたたちは著作権について考えたことがある?」と先生。
「え……そもそも中国に著作権っていう概念があるとは思いませんでしたが」
スロースタートでまだまだ根付いていないようだけど、一応著作権があるらしい。ただし個人情報については民間レベルで「無」に等しい、とあたしの意見。

ある日この授業で経営と雇用について話していた。
「あなたが就職活動をしているとします。給料はいくら欲しい?」
当てられたけど答えられない。平均月収3000元の中国、高給のこの先生だって8000元程度だろうに、「せめて一万元は欲しい」なんてとても言えない。
「じゃあ、あなたが中国でファストフード店を開いたとします。アルバイトにいくらあげる?」
「2000元。」
あれ?簡単に答えてしまった。

この授業の宿題が実に辛かった。
市場調査と題して、ファストフードに行ってそこの客からアンケートを取ってこい、というもの。
2人のトルコ人とあたしで金曜夜のケンタッキーに向かった。
掃除のお姉ちゃんに一応許可を取って、食事中の客に協力を願う。
ニヤは積極的に話しかけて、アンケート用紙に記入してもらうことに成功するけれど、書いてるそばから余計なことを言う。
「へえー、会計士ですか。月収5000元?」
だまれ!

4,5人に協力してもらったところで店側から「お客様からクレームが入ってので」と追い出されてしまった。無理もない。
あたしたちは十分すっぱい気分を味わいながらも、懲りずに階段を下りた入り口付近でアンケートを続けた。
トルコ人の2人がエキゾチックな顔立ちだからまだ恥ずかしさが半減する。なかには好意的に協力してくれる人もいるものの、話しかけた半数の通行人に無視され、胃がきゅうっと縮まる思い。
これは宿題とかのレベルじゃないよなあ。

たまたま同じクラスのカザフ人マイグが韓国人彼女を肩を抱きながら通りかかったので1枚書いてもらい、宿題を出した当人の先生も家族揃って近くで食事していたので、わざわざやってきて1枚書いてくれた。
ノルマの20枚をこなし、すっぱいすっぱい気持ちをテイクアウトしてあたしたち3人はそれぞれ帰宅した。

ブルースカイ天国…☆

2014年11月22日 | 旅行
国慶節の連休以降 鬼のような宿題の多さと中間テストのプレッシャーに加え、ここのログイン画面の繋がりも悪く、なかなか更新できずにいた。
最近やっとひとさじの余裕ができたところで、7日に行われた校内留学生のスピーチコンテストの報告。

狙うは2等。1等になると陝西省の大会に進出しなければいけないので面倒。
与えられたテーマは「留学の道、中国の情」
まずは原稿の執筆。テーマがざっくりし過ぎで難しいなあ。
で、あたしが書いた内容は大まかに3方面。

1.日中関係 巷の現実
2.麻辣味の悪夢
3.留学生仲間

書いた原稿に先生の手直しが入る。
日中関係についてあたしはこんなふうに書いた。

西安に着いたばかりの頃、周りに自分が日本人と気付かれるのが怖かった。なぜなら日中関係が微妙だから。でも実際は、自分が日本人だとわかるとたくさんの中国人が寄ってきてこう言う。「日本の漫画が大好き!」「日本のアイドル超イケメン!」
まさか中国人が日本に対してこんなに好感を持っているとは思わなかった。ありがとう宮崎駿、ありがとうワンピース、ありがとう山下智久!

山下智久の後にちょっとした冗談のつもりで(ありがとう蒼井そら)と書き加えた。彼女は中国の青少年の間で絶大な人気を誇る。

この原稿に対し、もう少し詳しく例を挙げたほうがいい、と先生は手直しを入れてくれた。
「日本の漫画大好き!たとえばアトム、一休さん、シティーハンター、名探偵コナン、聖闘士星矢、ドラえもん、ちびまる子ちゃん。あと高倉健はすごく味のある俳優さんで、酒井法子はとてもきれい。」

むむむ、なんとも時代を感じるメニュー。
あたしを担当してくれたこの先生は35歳の男性。
蒼井そらに関しては、わざわざ()を外して、「……ありがとう山下智久、蒼井そら姉さんも含めてありがとう!」と直されていた。

大会1週間前の土曜日、ニヤと先生の自宅にお邪魔して練習。
「先生、あたしの周りの若い子はシティーハンターとか知らないよー。ナルトとか犬夜叉にしてもいい?」
「俺はその漫画知らないなあ」
「高倉健と酒井法子を直して木村拓哉と宇多田光にしよう」
「木村拓哉?知らんなあ………おーい、木村拓哉って知ってるかー?」
ドアを開けてリビングの奥さんに呼びかける先生。
「知ってるわよー。」
「宇多田光?知らんなあ………おーい、宇多田光、知ってるかー?」
「もちろん知ってるわよー」

こうしてキムタクと宇多田光が取って代わった。
今となっては健さんを採用すべきだったなあ。
「先生、蒼井そらはいいの?」
「OK、OK!」

手直しが終わって最終的な原稿を声を出して読み込む。
先生の指導の下、自分の発音がまだまだ未熟なことを知り、今回の大会はこの点でも大きな収穫となった。
発音することのない慣れない単語はやはり難しい。
「あお…い…そら…」
「蒼井そら!」
「あおい…そら…」
「蒼・井・そら!」
あたしは「蒼井そら」を何度も練習させされた。

大会当日。27人の留学生が参加し、会場には観客も含め100人程度が集まった。
めちゃくちゃ緊張したけれど、震える足をスピーチデスクの裏に隠して、余裕を繕って演技した。蒼井そらに対して留学生は無反応。中国人の先生にはウケた。
結果は予定通りの2等。2等と言っても、1等は2人、2等は4人と、実質の何位なのかはよくわからない。
とりあえず、おめでとう、あたし。