第82回「京大俳句会」句会作品
日時 2015.12・19(土)
於 市民環境研究所(石川ビル3 F)
4得点句
難民に牛小屋さえなく聖夜かな マーティン
3得点句
鈍色の雲の艦隊十二月 楽蜂
淡い香を言葉にはせず枇杷の花 託志
2得点句
陽がともる寒くないかのひと言で 薫子
大仏もお歳召したか木の葉髪 正臣
湯豆腐や所作こまやかな京美人 康博
銀杏散るあと幾年の大根焚き 泰夫
人生は、大差つくのは定年後 多実三
冬鷗(ふゆかもめ)賀茂の杜に遊びけり 薫子
火と燃えしもみじ導く川下り 守康
さざんくわや呑む打つ買(こ)うて死に支度 夜汽車
幼(おさな)き日通(かよ)いし道の近(ちか)さかな 信一
トロッコに揺られて落ち葉時雨かな 幸男
1得点句
闇を吸い灯りを吐きてとぶ螢 守康
夜素振りやサン・テグジュペリ飛行せり 水澄子
本物の骸骨(ガイコツ)だったヒト模型(モケイ) 優
玻璃越しに世を眺むれば秋去(ざ)れる ハメさん
猫だまし食らったような12月 奇散人
決定力不足だ俺もニッポンも 優
生涯を京の魔力で終えて行く 泰夫
己が志を確めており冬木の芽 水澄子
冬が来る鬱と電飾七面鳥 丁稚一号
無得点句
枯れ柳踊る夜道の灯遠し おるふぇ
良い知恵は我慢の裏にかくれてる 多実三
宙(そら)の星スイングバイや冴え光る 洋子
窓辺にて美しき刻(とき)冬夕焼け 明美
生死のあはひ一刻の冬茜 夜汽車
シクラメン女といふ美しき嘘 武史
枯蘆に火を燃やせない火の灯り 登美子
漱石忌猫まんだらけウロコ雲 信一
栄(さか)そうか己(ぶっだ)をかばう菩提の気 崔紫
木葉髪梳(す)きて歓喜の歌の輪へ 幸夫
息をのむ三日月冴える冬初め 明美
木枯しやルードヴィヒ二世へ流れ星 おるふぇ
闇市のありし京極師走かな 正臣
時雨行く女も情けも紅むらさき 武史
十割の蕎麦湯で酒をもうひとつ ハメさん 以上