カンボジアだより シーライツ

国際子ども権利センターのカンボジアプロジェクト・スタッフによるカンボジアの子どもとプロジェクトについてのお便り

カンボジアの小学校(2)

2006年11月27日 17時43分26秒 | カンボジアの子ども
みなさんこんにちは、平野です。前回に続き、ある農村部の小学校の校長先生に聞いたお話をもとに、カンボジアで子どもたちがどんな学校生活を送っているのかみてみたいと思います。今回は学校側の取り組みに重点を置きつつ、学校ベースの人身売買防止ネットワーク(SBPN School Based Prevention Network)の活動についても聞いています。SBPNについてはこちらをご覧ください。

Q:学校の年間スケジュールを教えてください。
A:9/15に子どもたちが名前の登録に来ます。10/1から新学期で1年の終わりは7/31です。そして8・9月は休み、長期休暇です。その他に新年のお休みで4/6~20に短期休暇があります(平野註:カンボジアのお正月は仏暦につき4月か5月です)。

Q:休みのときは子どもたちはなにをするのですか?宿題などは?
A:子どもたちは親の手伝いをします。宿題はありませんが、補習は学校でも村でも行っています。

Q:入学式や卒業式はありますか?他にも行事があったら教えてください。
A:始業式には、自治体の来賓や保護者も来ます。終業式もあります。他にはこれといってないです。先生たちもそういうものを催したいと思ってはいるのですが。

Q:いつから校長先生をされているのですか?
A:1997年からです。責任が重くて忙しいですが、教育の仕事が大好きです

Q:教育が子どもに与える効果については?
A:教育は重要ですネットワークを準備するのはとてもいいことですね。すべてにおいて立派な人間になるよう知識を与えること、そして国の為になる人間になるよう知識を与えることが大切です。

Q:校長先生になる前はどうされていたのですか?
A:1981年に普通の先生になりました。当時と比べると知識レベルが上がりました。そして生徒の数が増えましたし、中学に進学する子どもも増えました。

Q:状況は良くなっているのですね。どうしてでしょう?
A:教育プランができてきたからだと思います。先生の会議も多いし、年間のプランを立てて、進捗を見たりと、教育者側の貢献が大きいと思います。

Q:学校の施設について教えてください。
A:図書室はありますが、あとは教室が13あるだけです。校長室、教員室もあります。問題があるのですが、木でできた教室が2教室あって、あと2年しかもたないと言われているのです。トイレがないのも問題ですね。

Q:学校ベースの人身売買防止ネットワーク(SBPN)についてはどのように見られていますか?
A:ネットワークを準備するのはとてもいいことですね。私も参加したいと思っています(笑)

Q:どんなときに活動しているのでしょう?
A:ひとつは朝礼、もうひとつは体育の時間です。

Q:体育の時間ですか?
A:はい。運動をした後、先生が人権の時間を設けていて、そこでやっているのです。授業時間を活動に割り当てるのは難しいですが、体育のときはずっと走り回っているわけではないので、しばらく運動して疲れたときを利用しているのです。 

Q:なるほど、よいアイディアですね。今日はありがとうございました。

積極的にSBPNに活動の場を提供してくれていることには、私たちもとても感激しました。また、校長先生のおっしゃる通り、カンボジアの教育も15年、25年前と比べたら色々な面で改善されていると思います。パリ和平協定から15年、いまだ解消されない問題点と同時にこの間に改善された点にも焦点を当てることも、今後のカンボジアを考える上での大きなヒントになると思います。

※写真は校長先生のおっしゃる木造の校舎です。

すべての子どもが教育を受けられる社会に↓
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