沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

8月23日のアリゾナ、選挙の勢いを変えた   RKJ(ロバートケネディジュニア)、トランプ支持を言明

2024-08-30 22:04:57 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)8月25日(日曜日)弐
     通巻第8381号 
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 8月23日のアリゾナ、選挙の勢いを変えた
  RKJ(ロバートケネディジュニア)、トランプ支持を言明
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 また流れが変わった。
 第三党として無所属で大統領選挙を戦ってきたJFKの甥、元司法長官の息子、RKJは自らの選挙キャンペーンを中断し、トランプ支持にまわると、トランプ集会で、トランプの隣で言明した。左派メディアは、ショックのあまり、大きく報じなかった。

 RKJの選挙は十の州で投票候補の対象にされないという妨害を承けて、さらにボディガードをバイデン政権は拒否し続けたため、RKJは選挙資金の半分以上を自ら雇用したボディガード費用に回さなければならなかった。ケネディ一家はいまも民主党であり、ケネディ一族はRKJの立候補にさえ反対してきた。

 選挙から降板の条件としては、次期トランプ政権での重要ポスト(司法長官かCIA長官)が噂され、ニコール・シャナハン副大統領候補は「保険厚生」のトップの座がのぞましいとしている。

 筆者は一月に上梓した拙著で下記の指摘をしている
 「米大統領選の民主党の候補指名レースで、それまで次点に付けていたロバート・ケネディ・ジュニア(以下、RKJと略す)は第三党を結成し、民主党からは独立した独立候補で出馬すると決意した。民主党全国委員会が徹底的に党内予備選出馬を妨害したからだ。独立候補の奮戦は過去にウォレス、アンダーソン、ペローの例があり、いずれも与党分裂の結果、本命の惨敗となった。 
 RKJは「小さな政府」を唱え、ワクチン不要、ウクライナ支援停止、とくに「腐敗した利権」構造のアメリカの政治体制を批判してきた。このRKJの主張は、トランプの言っていることとあまり変わりは無い。『トランプが民主党候補として出馬しているような印象』である。

 それまでRKJと共闘の協議を重ねてきたリバタリアン党は「小さな政府党」とでも意訳すべきだが、徹底して政府の介入を嫌い、個人の自由で生きていくのが正しいとする政治原則は、ややもすれば無政府主義に近い」(宮崎正弘『トランプ劇場2・0 世界は大激変』、ビジネス社)

ゾンビ中国、泥沼から這い上がろうと責任を他人に押しつける手口    習近平「ふたつのすり替え」=『反日』と『トウ小平』

2024-08-24 12:44:38 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)8月25日(日曜日)
     通巻第8380号    <前日発行>
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 ゾンビ中国、泥沼から這い上がろうと責任を他人に押しつける手口
   習近平「ふたつのすり替え」=『反日』と『トウ小平』
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 中国経済は泥沼陥落である。住宅はさっぱり売れず、半額セールの「保障制住宅」(公営住宅)を建設する等と唱えている。しかし土地の価格が下がると銀行の不良債権が急拡大する。
 ようするに大手術を回避して小手先の措置を続けると、状況はさらに悪化する。不動産関連の不良債権が、信用機構を脅かすことになる。
 ところが習近平の周りに経済ブレーンが不在で、バブル破産は不動産業界と金融機関の「不始末」によって引き起されたという誤った認識しか持っていない。
本格的な対策を考える思考力もない。西側経済学をマスターした開明派のブレーン達は居なくなって、毛沢東理論とマルクス経済学しか知らない人たちが、経済政策の舵取りをしているのである。

 中央政府は、地方政府と大手国有銀行を含む国有企業の「隠れ債務」を隠蔽してきたため、泥沼が底なしになった。不良債権とは有利子負債のこと、この天文学的債務は膨らみ続ける。たとえば全土にがむしゃらに造成した新幹線だが、累積赤字は100兆円を軽く越えた。

8月22日はトウ小平生誕120年の記念日だった。
習近平国家主席は、突如、何かに衝かれたかのように、あれほど嫌ったトウ小平を「顕著な貢献をした、中国の特色ある社会主義の推進を促した偉大な指導者」と言い出した。

「トウ小平の業績は歴史に永遠に刻まれ、常に後世にインスピレーションを与えるだろう。トウ小平は党中央集団指導部の第二世代の中核であり、中国の社会主義改革、開放、現代化の主要な設計者であり、中国の特色ある社会主義の先駆者だった。世界の平和と発展に多大な貢献をした偉大な国際主義者でもあった」と付け加えた。
 泉下のトウ小平も聞いてびっくりだっただろう。

習のトウ小平礼賛はさらにオクターブがあがり「中国がマルクス主義を状況に適応させるという新たな突破口を開き、社会主義現代化で新境地を開き、国の完全な統一への正しい道を切り開くよう促した。その歴史的業績は包括的かつ画期的で、中国と世界の両方に深く永続的な影響を与えた。彼の偉大な歴史的業績を永遠に記憶し、彼の崇高な革命的行為を永遠に尊敬する」

そのうえ「中国の完全な統一を実現することは、毛沢東、トウ小平、その他の古い世代の革命家たちの長年の願望である」と台湾統一にも言及した。

 庶民は「改革開放」の環境の下、すこしばかりの自由化があったトウ小平、江沢民、胡錦濤の時代を懐かしんでいる。かなり自由は雰囲気が、あの時代の中国にあった。事態がまずくなると江沢民は「反日」を政治武器として活用した。中国全土、108ヶ所に反日を主眼の歴史記念館を建てた。


 ▼「愛国無罪」とは便利は方法だ

「愛国無罪」とならば、狼藉もしたい放題となる。暇な若者は今日は暴れてもお咎め無しとなれば、数万がネットの呼びかけで集まる。日本大使館に卵の嵐、壁は黄色くなった。日本食レストランから、走行中の日本車まで襲撃された。反日はガス抜き、自分たちの不手際を日本に転化するのだ。

 アステラス製薬の北京駐在員の不当拘束、靖国神社鳥居への落書きは二回。そしてNHKのラジオ国際放送で中国籍の男性が「沖縄県の尖閣諸島を「中国の領土」と発言し、さらに英語で「南京大虐殺を忘れるな」などと原稿にない反日発言を繰り返した。
この一連の反日はどこかで通底している。

 習近平も、現在のゾンビ経済という泥沼から這い上がり、責任を他人に押しつける手口としてトウ小平を持ち上げ、つぎに反日を利用する。習近平「ふたつのすり替え」は『反日』と『トウ小平』である。

 日本政府は正々堂々と反論し、中国の理不尽な遣り方を世界に告示、歴史の真実を述べるべきである。


モディ(インド首相)のキエフ訪問は何を意味するか   ロシア・ウクライナ和平仲介の「五人衆」に

2024-08-24 12:43:52 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)8月24日(土曜日)
     通巻第8379号  
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 モディ(インド首相)のキエフ訪問は何を意味するか
  ロシア・ウクライナ和平仲介の「五人衆」に
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 ロシアのウクライナ侵攻から二年半。これまでに和平の仲介を演じようと、マクロン、エルドアン、オルバン、習近平が動いた。いずれもゼレンスキーを説得できず、とくにオルバン(ハンガリー首相)の活躍はめざましかったが、ロシアとウクライナは話し合いを始めようともしなかった。モディが加わり「五人衆」となった。

 インドはロシアとの関係が強く、これまでもロシアからの武器体系に防衛を依存してきた。この点でウクライナがインドの役割に期待していないことは明らかだろう。インドはロシアから370億ドルの石油を輸入しているが、この金額は中国を越えた。ロシアからのダイヤモンド輸入は二倍となった。

 そのうえ、インドはSCO(上海協力機構)とBRICKSに距離を置き始めた。前者にはパキスタン、イランも加わって加盟意義がなくなり、また後者も通貨同盟などと叫びながら、なんらの成果もあがらず、インドの政治に役立たない。一方で日米豪とのクアッドには熱心である。
 魑魅魍魎、複雑怪奇な国際情勢のなかで、モディは鵺的な外交を狙っているのか、単なる政治演出なのか。

ニッキー・ヘイリー(米国元国連大使)が台湾に登場   「台湾を国連の正式加盟国に」と講演

2024-08-23 15:50:19 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)8月24日(金曜日)
     通巻第8377号  
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 ニッキー・ヘイリー(米国元国連大使)が台湾に登場
  「台湾を国連の正式加盟国に」と講演
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 2024年8月21日、ニッキー・ヘイリー(米国元国連大使)が台北市で開催された「第八回カタガランフォーラム」の基調講演に登壇し、「台湾を国連の正式加盟国に」と発言した。
この発言は政府の公式見解ではないにせよ、有力政治家の発言だけに、国際的な波紋を広げた。
なぜならニッキーは共和党予備選でトランプと最後まで戦い、共和党主流派から支援を受けていたし、夏の共和党大会ではトランプの要請で、国民の団結を呼びかけた。次期トランプ政権では国防長官に指名されるという情報もある。

 カタガランフォーラム(凱達格蘭論壇)は、台湾版ダボス会議とでもいうべきか、台湾外交部と両岸交流遠景基金会の共催で陣唐山外相(当時)の呼びかけで世界の指導者や安全保障の専門家、学者が集まり主にインド太平洋の安全保障に関する討議をおこなう。台湾総統が必ず登壇して挨拶するので台湾政治には欠かせない行事となった。

 もっとも注目されたのは2021年で、安倍晋三前首相がオンラインで参加し、「台湾有事は日本の有事だ」と発言したことだ。

 同フォーラムには以前にも、マクマスター元大統領補佐官らが出席し、日本からは麻生元首相、河野太郎らが出席してきた。今年の日本からの登壇は野田元首相で「台湾のWHOオブザーバー参加TPP加盟促進」などを呼びかけた。米国の発言は国連への正式加盟と踏み込んだ発言をしているときに、日本のレベル、その北京への配慮を滲ませた退嬰的姿勢には失望の声も聞かれた。


鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2024年8月22日号) *台湾と朝鮮半島の地政学5

2024-08-23 15:27:27 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2024年8月22日号)
*台湾と朝鮮半島の地政学5
 コロンブスが作成した地球儀には当然のことながらアメリカ大陸は書き込まれていなかった。その後の探検家たちによって地球儀にアメリカ大陸が書き込まれて行ったのである。
 またコロンブスの想定した地球は実際より小さめに見積もられている。これはアメリカ大陸やオーストラリア大陸が計算に入っていなかったためである。つまり地理上の発見とは、探検により地球儀を完成させていく作業に他ならない。

 先に述べたように、ヨーロッパの一部の知識人しか、地球説を知らなかった。アメリカ大陸の住人も、日本を含むアジアでも地球説を知る者はなく、大地は平面だと考えられていた。
 16世紀半ばにヨーロッパの宣教師ルイス・フロイスは織田信長に地球儀を献上した。フロイスから地球説を聞き、地球儀を眺めて、少し考えてから「そうに違いない」と信長は言ったという。

 このときの信長の驚きは想像するに余りある。ヨーロッパ人は地球を利用して日本に来ている。日本人にはそうした知識も技術もないから独力でヨーロッパに行くことが出来ない。彼らが科学技術において絶対的優位に立っていることは明らかであろう。
 この時代を「大航海時代」と呼ぶと科学技術における西洋の圧倒的優位が時代に与えた衝撃が理解不能になってしまう。

 現代において、この衝撃を理解しようとするなら、例えば地球外知的生命体すなわち宇宙人が地球にやって来たらどうなるかを想像してみるといいかもしれない。宇宙人が地球に来たとしたなら、彼らが、我々が行くことが出来ない未知の空間から来る以上、彼らが科学技術において圧倒的に優位にある事は疑いようがない。
 その場合、我々を生かすも殺すも彼ら次第である。つまり生殺与奪の権利を握られてしまうのだ。

 こうした状況は16世紀の中南米では現実のものとなった。1521年にメキシコにあったマヤ・アステカ文明が、1533年にはペルーにあったインカ帝国が、ともにスペインによって滅ぼされ、住民は虐殺されるか、さもなくば奴隷にされたのである。
 もちろん住民は抵抗したが、圧倒的な科学技術の差の前に屈服する他なかった。そして、この科学技術の最大の特徴は発見により進歩する点だ。近代とは進歩の時代であり、地球儀は探検により進歩したのである。まさに地理上の発見の時代という呼び名は、近代の幕開けを象徴するにふさわしいのである。
(続く)