goo blog サービス終了のお知らせ 

@越後の山歩き日記

新潟周辺、近県の百名山などが中心です。個人的な覚書ですが今後の山歩きの参考になれば幸いです。(2005.10.16~)

夏の終わりに

2009年09月21日 | 記録のページ

2009.9.21(月・祝)晴れ

 5連休となった今年の秋、新潟の本宅で家族とのんびりすごしている。 
 先々週、剱岳早月尾根の日帰り登山で夏山完全燃焼を果たして、まだその余韻を楽しんでいる。
 
 今回の剱岳登山では写真を撮る余裕も少なく写真は少なかったが、他の人のホームページを改めて拝見すると、「そうだ、ここの眺めはすばらしかった!とか、こんな大変なところもあったな~」などと改めてその場の感動がよみがえる。 写真が大きな情報となる登山という趣味では、インターネットはとても便利な道具だと改めて感じる。同じ道をほかの人はどのように歩いて、どんな風に感じたのかなど、深Qさんの名文とまでは行かなくても十分伝わってくるものは多い。

 そんなことを思いながら、久しぶりにこれまで登った深田百名山を数えてみた。
 水色マーカーは、あけちゃんと一緒の山歩き、茶色字は楽しさとほろ苦さが懐かしい青春時代のグループ(又は2人)登山、黄色マーカーは職場の仲間と行った百名山登山、その他は単独である。

東北の山(9山)
 鳥海山  (2回) 04,8下旬、05,8中旬
 西吾妻山(2回) 05.6下旬08,7下旬
 月山        04.8上旬
  大朝日岳(4回) 05.6中旬、05.7中旬、05.9下旬、06.8中旬
 飯豊山  (2回) 04.9上旬  12.7上旬
 安達太良山    06.6下旬
 磐梯山       05.11上旬
 会津駒ヶ岳    02.8上旬
 燧ヶ岳  (2回) 04.7下旬、06.8中旬

越後の山(8山)
 巻機山  (5回) 71.7下旬、73,7下旬、96.7中旬、00.9中旬、07.8下旬
 苗場山   (4回) 72,7下旬、98.8上旬、04.10中旬、08,8上旬
 谷川岳   (3回)  03.7上旬 04.10中旬、08,10中旬       
 火打山 (12回) 78秋、97.9下旬、99,8下旬、01.7下旬、03.7中旬
            06.7下旬、08.7中旬、09,6上旬、09,6下旬、09.7下旬
            09.10上旬 10.7下旬
  妙高山   (8回)  97,9下旬、99,8下旬、01.7下旬、09.6下旬、09.7中旬
             09.10.上旬 10.8上旬  10.10中旬 
 雨飾山   (3回) 78初夏、79秋00.6下旬         
 平ヶ岳       07,6上旬
 越後駒ヶ岳    01.7中旬

北アルプスの山(8山)
 白馬岳   (7回) 78夏、85夏、99.8上旬、03、8上旬、05、8中旬、06,8下旬
             10.8上旬  12.8上旬
 鹿島槍ヶ岳(2回)78夏,79夏
 槍ヶ岳    (2回)79夏(表銀座)03.7下旬(新穂高~上高地)
 穂高岳      02.7下旬
 黒部五郎岳   06.8上旬
 鷲羽岳        〃   
 常念岳      08.8上旬
 剱岳        09.9上旬

中央アルプス
 空木岳    10.9中旬

南アルプスなど(5山)
 富士山   00.7下旬
 北岳     01.7下旬
 間ノ岳      〃   
 荒川岳   05.7下旬
 赤石岳     〃    

信州の山(3山)
 高妻山   09,8下旬
 四阿山   09,8上旬
 草津白根山 12.9上旬

 百名山のうち32に登っている。3年前に「近いうちに登ってみたい山」として「至仏山、平ヶ岳、常念岳、剱岳、黒部五郎岳」の5山を上げていたが、至仏山を除いて平が岳、剱岳、黒部五郎岳など体力を要する山の頂を踏むことができた。
 平ヶ岳(鷹ノ巣コース)、剱岳(早月尾根)の日帰りや折立~黒部五郎~鷲羽~高天原~雲の平~折立の2泊3日周回はいずれも好天の中、1日10~12時間の行程を歩いた思い出深いものだった。
 
 これから秋の紅葉シーズンは、妙高、火打はもちろん一押しだが、その隣の焼山や最近整備された信越トレイル80kmの全線踏破なども心動かされるところである。

 立山では13日未明に初雪となり2cm程の積雪があったとか。高山の秋、冬は駆け足でやってくる。 

(2013.6.27  09.10~12.9分を追記)
飯豊山、空木岳、草津白根山、妙高山、火打山、白馬岳
東日本大震災の影響もあって、数は少ないが、中央アルプス空木岳の初登頂、白馬テント泊縦走など思いで深い。


剱岳(2,999m) 試練と憧れ 早月尾根日帰り

2009年09月10日 | 北アルプス(槍、穂高、常念、立山・剱、黒部五郎・鷲羽、針ノ木)

2009.9.6(日)  快晴午後曇り

2:50馬場島~ 6:15早月小屋(6:35発)~ 9:05剱岳山頂(10:00発)~ 12:00早月小屋~ 15:40馬場島

 剱岳は近県の百名山であり前々から登ってみたいと思っていた。しかも今年は4月に上越に転居し、登山口まで今までの半分の2時間でいけるようになった。また、6月に映画「剱岳 点の記」を見て、興味も高まった。

 単身赴任の夜長の時間つぶしに5月から始めたスポーツジム通いは、週4回×2時間ペースで続けたため大いに効果が上がり、お腹ポッコリ中年体形から贅肉7kgをそぎ落として標準体重に戻し、筋力も2割ほどアップした。

 こんな好条件が重なったところで、50代半ばとなった自分の体力試しを兼ねて剱岳早月尾根日帰りを計画した。
 早月尾根は北アルプス3大急登とされ、昭文社の登山地図では登り8時間10分、下り5時間40分のロングコースであるが、登山ブログでは、日帰りで往復した記録もかなり見られる。
 これまでも1日12時間近い山歩きは、平ヶ岳鷹ノ巣コース日帰り(2007年6月)、朝日鉱泉~大朝日岳~小朝日岳周回(2005年6月)、日暮沢~竜門山~大朝日岳~小朝日岳周回(2005年7月及び2006年8月)、折立~太郎平~黒部五郎小屋及び高天原温泉~雲の平~太郎平~折立(2005年8月)などを経験しているものの、今回も休憩時間を入れて往復12時間は必要であり、「4:00出発。11:00までに山頂に着かなければ登頂断念、17:00までには下山。」と計画した。

 前日、15:30に南高田の別宅出発、上越高田ICから高速をゆっくり目に走って16:40に滑川IC着、更に馬場島までゆっくり走って18:00前に着いた。曇りだが日の入りは18:10分頃であり、まだ明るい。
 ちょうど運よく登山口に近い駐車場が1台空いていてそこに駐車。登山口に近いほうの駐車場はほぼ埋まっていて、9月に入っても登山者が絶えないようだ。
 すぐ近くの芝生広場にテントも5張りほど。
 持参の夕食を食べて、目覚ましを3時にセットし、暗くなった19時には車の中で横になった。
 この時期、標高800mの馬場島は夜になれば、暑からず寒からずで寝苦しくはないのだが、この日はどうも寝つきがよくなかった。
 それでもいくらか眠り寒さで目が覚めたらちょうど0時だったが、今夜は満月で少し朧月ではあるが明るい。シュラフをかけなおして再び眠った。

 車の音で目が覚めた。時計は2:20。まだ早いとも思ったが、更にもう1台の車がやってきて、更に前泊していた2人が2:30過ぎに出発していった。
 ザックはできているので、おにぎり1個食べて出発することにした。

 2:50、満月に照らされて出発。


 風がないので半袖で寒くはない。
 このルートは水場がないので、いつもより水分を多く持った。
 食料は歩行12時間、非常食込みで約3000カロリーと考え、大きいおにぎり5個(米2合分)、ウィダーゼリー6個、ゆで卵2個、+レーズンロール6個(非常食)、トマトジュース900ml、スポーツ飲料3.5L。
 雨具、カメラ、地図、日焼け止め、虫除け薬など。
 これで、日帰り用の25Lザックは一杯で約9kg。(結果的には非常食のレーズンロールと、スポーツ飲料1.5Lほど余った。水は小屋で購入することにして半分でよかったようだ。)

 登山道はわかりやすく整備されており、ヘッドランプがあればまったく問題はない。
 ほぼ同時間帯に5人(男女2人組+男性単独3人)が出発したが、単独の1人は足取りも軽くどんどん先へ行ってしまった。
 もう1人の単独は、少し遅れて出発して途中で追いついて、その後こちらがペースを上げたため30分ほど着かず離れずで歩いていたが、こちらが歩き始めて1時間半、標高1400mの標識で小休止すると一言あいさつして先へ行った。一番先に出発した男女2人組は、途中で皆に追い越されたが、私が小休止していると程なくやってきて一緒に休憩した。
 話を聞くと新潟市から来たとのこと。昨日馬場島に入って、往復2時間ほどの中山に登ったのだとか。去年も2人で来たが時期が10月と遅く早月小屋で雪混じりになり、引き返したとのこと。
 「今日は天気も良いし、この時間に登り始めれば山頂にいけますね」というと、ご婦人のほうが、「私がブレーキになるかもしれない」と弱気なことをおっしゃっていたが、ここまでの時間を考えれば十分登頂できるものと思った。その後、私が先に出発して歩いたので、もしかしたら山頂付近でもう一度会ったかもしれないが、山頂辺りは人が多くて判らなかった。


 5時を回るとライトなしで十分歩ける。朝の空気はさわやかだ。
 夜明け少し前の光景。雲は下のほうにあるが天空は快晴。西に傾いた満月と茜雲のコントラストが美しい。


 5:40、小屋まであと1km。標高200m毎に設置されている看板や距離を表わすこのような看板はありがたい。

 6:10 早月小屋の手前。背景の立山も朝日を浴びて美しい。







 これから登る尾根の奥に剱岳が頭をのぞかせた。



 6:15、登山口から3時間半で早月小屋着。ここでおにぎり、ゼリー、野菜ジュースで補給。
 小屋の前では、ここで泊まってこれから出かける人、テントを片付けている人など朝の賑わいがまだ続いている。
 小屋のご主人が出てきて、日帰り用の小さなザックを見て、「何時に出てきたの?」と。
 「3時です」と答えると、いたずらっぽく、「みんな寝てる時間に歩いちゃだめだよ~。気をつけてね。」と激励を頂いた。

20分休憩して出発。

 小屋を出て20分ほどのところから、来た道を振り返る。



 この辺りはまだ楽な登りで、見晴らしのよい尾根を高山植物をめでながら余裕で進む。
 チングルマ



 ウサギギク



 ハクサントリカブト


 8:30、山頂まで大分近づいてきた。登山道は正に岩の殿堂となってきた。ちょうど鎖場では、早月小屋で前泊したグループが列を作っていた。鎖やペンキマークを確認しながら、三点確保で慎重に登る。この時期、登山道に雪渓はなくなっているのでその分は楽である。
 




 8:50 別山尾根との合流点、ここまで来れば山頂はすぐだ。別山尾根からは登って来る人、既に下りていく人など、一気ににぎやかになってきた。そして、すばらしい青空に感激。



 9:05、馬場島から6時間15分で、山頂に立った。計画では7時間以内としていたので上々の出来だ。
 
 

 9時過ぎの山頂は、記念写真の順番待ちができるほど大賑わいだった。予定よりも早く着いたので、山頂では1時間ほどゆっくり休んだ。快晴、風もほとんどなく、おにぎりを食べたり写真を撮ったり。
 半そでシャツでも寒さは感じない。日差しが強く、日焼け止めを塗りなおす。


 登ってきた早月尾根を振り返る。尾根の先には早月川の河川敷が白く伸び、雲の先の日本海に注ぐ。


 朝日、雪倉、白馬三山~不帰険~唐松岳と続く後立山連峰。何度も歩いているが、こちら側からの眺めも格別だ。


 立山の奥に秀麗な三角錐の笠が岳



 立山の後ろに隠れて、頭だけ出している槍ヶ岳



 名残は尽きないが、下りも気を抜けない長丁場だ。10時に山頂を後にした。
 下り始めて1時間で標高2600m、この辺りまで来ると核心部の岩場も終わり、少し気分は楽になる。


 写真を撮る余裕も出てきて、剱岳北方稜線を振り返る。山のエキスパートのみが歩ける切り立った断崖だ。近くで眺めるだけで十分。


 11:00を過ぎた辺りから雲が湧き出した。
 やはり、山は早立ちに越したことはない。



 12:00 山頂から2時間歩いて早月小屋に戻ってきた。この頃には雲が上がって青空も山頂も見えなくなった。栄養補給を兼ねて20分休憩。



 早月小屋から下は、さすがに長く感じた。
 昔、NHKで岩崎元郎さんが「中高年の登山」で「ゆっくりでいいから足を上げて前に出せば進むんです。足を止めてしまったら進みません。」と言っていたのを思い出しながら、時々休みたくなる気持ちを抑えてとにかく1時間1本のペースで歩き続けた。

 日曜日午後になっても、馬場島から早月小屋を目指して続々と登って来る人がいる。やはり、映画の影響で人気が上がっているのかと思う。

 午後3時40分、山頂から5時間40分かけて標高差2200mを無事に下山した。
 登るときには暗くて写真を撮らなかった「試練と憧れ」、「剱岳の諭」を写真に収めて駐車場に戻り、達成感とともに13時間の山歩きを終えた。






 今回の山歩きを終えて、剱岳早月尾根日帰りの要点のようなものを感じたままつづってみる。
1 登山時期としては、梅雨明け10日などよりは今くらいの時期がいいと思う。
  朝の涼しいうちに樹林帯の登りで大して汗もかかずに標高を稼げる。
  水も少なくてすむ。
2 暗いうちからの早朝出発は、いろいろな面で有利である。
  山頂に早く着くので上天気の景色も期待できる。
  何よりも下山時の気持ちのゆとりが大きい。
3 行動時間が長くなるので食料は炭水化物中心に4食分は必要と思われる。
 ウィダーゼリーなどは、時間をかけず少しずつ補給できるので便利である。
4 事前トレーニングは必須と思われる。

5 最後に今回の山歩きの参考にさせていただいた和田さんの登山記録を紹介させ ていただきます。写真や記録も多く参考になりました。
  http://www.tok2.com/home/pokopoko110/newpage36.html