"いそ"あらため、イソじいの’山’遍路’紀行’闘病、そしてファミリー

“いそ”のページは、若者のキャリア形成を、目一杯応援するためにも“いそ”改め“イソじい”でリニューアル。

パライソメッセージ20131108 No.31

2013-11-07 20:11:29 | メッセージ

========================

パライソメッセージ 2013.11.08 N0.31

 Mail : isokawas@goo.jp

     Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas

========================

 「パライソメッセージ20131108 No.31」を送ります。「不要だ」「余計なお世話だ」といわれる方は、お手数ですがその旨ご連絡お願いします。

 自分のライフワークのために、超多忙の日々が続き4週間パライソメッセージが跳んでしまいました。再開に当たって、『R学園の再生』を少し休載して、最近大変気になっているアメリカのデフォルト(債務不履行)問題について、思うところを述べます。

 【主張・意見・コメントのページ】

テーマ:アメリカのデフォルト(債務不履行)が発するサジェッション

(アメリカのデフォルトは、果たして『対岸の火事』だろうか)

 アメリカがデフォルトの崖っぷちに立ち、先日やっとのことで債務上限枠の4ヶ月間の拡大を議決した。アメリカでは国の債務上限枠が議会で議決される。共和党特にティーパーティの強硬姿勢で、新たな起債が不可となり、アメリカでは約2週間、国施設や国立公園の閉鎖、公務員のレイオフなどが実施され、それをマスコミがセンセーショナルに報じている。報じているといっても、そういった『絵になる』光景を垂れ流しているだけであって、デフォルトの本質を論及する姿勢は、マスコミには無い。日本経済新聞を筆頭にいずれの新聞も『対岸の火事』のような扱いで、興味本位の解説記事の垂れ流しで、ニュースのスペースも小さなものである。

 アメリカのデフォルトは果たして『対岸の火事』なのだろうか。アメリカ国債の保有高は、日本と中国が40%を保有しており、世界で突出して大きく、この2国がアメリカの国際的な信用を支えていると言っても良い。既にEUではアメリカ国債は売れない。それどころか、ドイツ、フランス、ブラジルや他国の首脳に対する盗聴問題で、アメリカは指弾され孤立化の状態にさえ陥りつつある。海外では『ヨーロッパとアメリカは冷戦状態』等といったことさえも報道されている。

 BRICsの国や途上国もドルやアメリカ国債を保有しているもののシェアは僅かである。アメリカ国債は日本と中国が40%を保有している。特に深刻なのは日本の場合で、日本ではプラザ合意以降、一方で円高が強いられ、もう一方でドル安の回避とドルの国際的信用の維持の為に、ドルやアメリカ国債を大量に買い支えるといった、国際経済におけるアメリカ中心主義スキーム維持の為に屈辱的ともいえる対米追随を強いられ、翻弄されてきた。日本は円高と同時にドル安を回避する為にドルやアメリカ国債を買い支えてきたのである。ちなみに、この屈辱的な対米追随は、今日でもTPPや、戦後の日米関係の厳然たる枠組みとなってしまった日米地位協定によって未だに続いている。中国の場合、アメリカ国債の買いは、買い支えというよりも投機目的でもあるから、今回のデフォルト騒ぎを機に、洪水の様な露骨なアメリカ国債の売りが始まるだろう。表に出ないようにして、既に始まっているかもしれない。そういうことは日本のマスコミは全くフォローしないのか、掴んでいても書かないのか。

 ドル国債は、多くは金融機関が引き受けたり金融機関やファンドが引き受け、彼らを通じて企業や個人も大量に保有している。デフォルトということになれば、ドルやアメリカ国債が単に紙屑になるだけでは済まない。ドルやアメリカ国債の担保価値も当然大きく下がる。まさか無いだろうとは思うが政府が信用保証を実行しても、市場は止まらない。担保価値が大きく下落すればどうなるか。大規模な不良債権の発生や取り付け騒ぎが起こり、金融の流れが超大混乱に陥るだろう。

 それだけでは収まるはずが無い。このデフォルトによって、デリバティブ(金融派生商品)の動きがどうなるのか。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ:債務履行の信用を証券化した金融商品)が実行されれば一体どうなるだろう。CDSの実態はウォール街の金融プロでも正確には把握できていないが、サブプライムローンの2桁~3桁大きいと思われている。倍ではない桁である。日本の金融機関や和製ヘッジファンドは、莫大なCDSを保有している。様々な訳の分からないような債権に対しても、それらをブレンドしたデリバティブのクレジット(信用)のデフォルト(不履行)をスワップ(交換して保証)する金融派生商品は何1000兆ドルといった規模である。それらが破綻すると資本主義経済は一体どうなるのか、忠実にドルとアメリカ国債を膨大に買い支えてきた日本は、ドルやアメリカ国債が破綻し、単なる紙屑になってしまったら、どうなるのだろう。

 しかし、アメリカ経済が危機に陥ったのは今回が初めてではない。1970年代はニクソンショックと言われる、ドルの金兌換停止を実行した。当時は世界の基幹産業であった繊維に関わり、当時大躍進する日本の繊維業界にとって極めて不利な日米繊維交渉が締結され、アメリカは自国の繊維業界の危機と貿易赤字を何とか乗り越えてきた。戦後史を見れば1960年代以降、一貫してアメリカ経済は低落への道を歩み、それに対して躍進する日本が、屈辱的な外圧に抵抗するどころか、ずっとアメリカに寄り添い、媚びへつらい、アメリカを支え続けてきたのではないか。

 但し、今回は調整不可能な大変な事態が眼前に来いると思っている。何故なら私の直感的な思いではあるが、新自由主義者というのは日米それぞれ相容れることはない。屈辱に対して免疫を失っている日本はともかく、アメリカの新自由主義者には妥協とか程合いとかは全く無いだろう。新自由主義というのは徹底的な競争原理であり、『自分だけ、今だけ良ければ良い』というのが本質であり性である。日米の新自由主義者が協力し合うなどといった光景は全く想像できない。想像できるのは、一歩的に打ちのめされる日本の姿だけである。その兆候は既にTPPなどで見えている。

 とはいっても、私はアメリカのデフォルトによって世界資本主義が崩壊するとは思っていない。しかし、資本主義のスキーム内で、富裕税の増税を主張するウォーレン・バフェットを始め世界の英知を集めて、99%の人々ための新しい世界観・価値観が人類的に共有され、国際的な経済の新しいルールが構築されていくだろうと思っている。

 次号では、アメリカをデフォルトに陥れた張本人や、ポスト新自由主義の国際経済のルールについて思うところを書きたい。

(続く)

 

「一押しMovie」

書名:そして父になる

監督:是枝裕和

出演:福山雅治 リリーフランキー 尾野真千子 真木よう子 他

感想: 私は是枝監督の作品が好きだ。彼はR学園附属高校出身で、大学での客員教授でもある。だから少しの身贔屓が有るにしても、映画監督としての彼の天賦の感性に大いに注目している。彼の映画はニヒルで無機質な空間の中に、その作品の主題となるある種の人間性の存在感が切なく光る、とでも言うような、独特の是枝ワールドの中で、曖昧なストーリーが展開していく。『奇跡』『誰も知らない』のように最近の作品はストーリーが随分とイメージできるようになってきて、国際的にも高い評価が定まり、『そして父になる』もカンヌ映画祭で特別賞・審査員賞を受賞したのだろうと思う。

 この映画は、かつてよくあった病院で新生児を取り違える事故で、6年間我が子として育てた子供を、他人に育てられた実子と交換する実際の話しを題材にしている。子供の思いや目線からも描く、極めて濃いヒューマンドラマなのだが、この題材をどのように是枝ワールドに仕上げていくのかに興味があったが、感想としては少し違和感を感じた。

 ヒューマンドラマであれば、主演者は福山君ではなくて、例えばではあるが上川隆也なら、相手の親もリリーフランキーでなく香川照之、上司も西田敏行とか鶴瓶なんかだったらどうだっただろうな、と思いながら見ていた。山田洋二とは異なった、是枝ヒューマンドラマを磨いて欲しい。

 イソの評価:★★☆☆☆(少し辛口評価だが期待を込めて)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パライソメッセージ20131011... | トップ | パライソメッセージ20131115... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

メッセージ」カテゴリの最新記事